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建築家のモリスのもとを、突然、競馬場の支配人が訪ねてきた。経営者の男爵家の一族が老朽化した競馬場の売却をめぐって対立しているため、彼に株主総会に出席して売却に反対してほしいというのだ。モリスは、男爵家に嫁いだ過去のある亡き母から競馬場の株を受け継いでいた。彼は、男爵家との関わりを避けてきたが、支配人に懇願され、母の忠告を無視して総会に出席する。が、総会は紛糾し、やがて競馬場が爆破された。
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Posted by ブクログ
ロクデナシの貴族。誠実で信頼できる人脈をもつ主人公。緻密な設定。何度か訪れる危機と、なかなか想像どおりとはいかないラスト。いつもながら上質な小説だと思います。
建築家のモリスのもとに、男爵家の遺産の管財人が訪れてくる。 男爵家所有の競馬場の再生のために力を貸して欲しいというのだ。 モリスの母がかって男爵と結婚していたのだが、モリス自身は次の結婚の子で血のつながりはない。 古い建築を改築しては売るというユニークな仕事なので、そのへんも面白い。 いやみな一族の...続きを読む面々も個性的。
競馬シリーズ32作目。 絶対的なハッピーエンド好きとしては、 登場人物たちの恋愛や結婚生活がうまく行ってほしいと常に願いながら、 読み進んでいる。 だが、この著者の場合、事件は解決したとしても、 ハッピーエンドになるとは限らない。 それどころか、尻切れトンボな「エンド」になってしまうことすらある...続きを読む。 それがエンターテイメントではなく芸術なのだと言われればその通りなのだが。 そんな消化不良を起こしながらも、 このシリーズを読んでしまうのは作品が面白いからなのだと思う。 という訳で今回の主人公の恋愛は上手く行かないものの、 結婚生活はかろうじて平和的結末になったのが判って良かった。 その主人公モリスは適切なあばら家を見つけ、 その家に住みながら、必要な許可をとり、 大工や左官の仕事を一人でやりとげて売ると言う建築家。 その建築家としての教育を受けられたのは、 母の元夫の父である男爵が費用を負担してくれたから。 競馬場を経営していた男爵が亡くなり、 その経営のゴタゴタに力を貸すことになる。 男爵の孫の一人が、禿げかかっていることを気にしていて、 可笑しかった。
リー・モリス 建築家 息子 クリストファ(14歳) トビイ(12歳) エドワード(10歳) アラン(9歳) ニール(7歳) ジェイミイ(0歳)
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