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〔競馬シリーズ〕競走馬を競りおとしたジョウナの身辺に、次々と奇妙なことが起こり始めた。アル中の兄に匿名でウイスキーが届けられ、放火事件が……信用あるジョウナを目の上の瘤にしているあくどいやつらがいるのだ。業界を守らなければ! 敢然と立ち上ったジョウナの前に現れた、陰で組織を操る人物とは?/掲出の書影は底本のものです
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Posted by ブクログ
13―14 主人公の兄がアルコール依存症です。というわけで、個人的にこの話はものすごく感動しました。 立ち直ろうとする兄。信じきれないけど、支え続ける弟。 兄は最後に、弟を助けて命を失います。その直後にかかってきた電話。 「お兄さんとお話がしたいのですが」 「申し訳ありませんが……」私が言った。「...続きを読む兄は……いまいないのです」 「困りました」暖かい同情を含んでいた。「とにかく……こちらはアルコール中毒自主治療協会です。きょうの夕方、お兄さんから、助力をうけたい、というお電話があって、後でこちらから電話して、よくお話を伺う、と約束したのです……」 私たちは、その後もしばらく話を続けたが、私は相手の言葉が一言も耳に入っていなかった。」 で終わるのです。
強い男をとことん描くのがこの時期のフランシスの方向である。この作品の主人公も強い。強いから敵が現れ、強いから戦いがエスカレートし、結局強さで敵をねじ伏せてしまう。とても魅力的な主人公なのだけど、ちょっと息苦しくなってしまう。 強いと言っても、肉体的なことではない。逆に肩にハンディを持っていて、...続きを読むそこを敵につけ込まれたりもする。不正を許さず、自らの信念を曲げない強さだ。でも、こういう強さは孤独につながりがちで、たとえば小学生のいじめだって、この物語と同じ状況が起こりうる。単に強いだけではなく、ときどきチラリとのぞく折れそうな彼の姿が逆に魅力的だ。 毎回魅力的なヒロインが登場するのもこのシリーズの魅力だけど、今回はヒロインも強い(魅力的だけど)。孤独を味方につけ、誰とも馴れ合おうとしない。だから、主人公との関わりもすっきりしていて応援したくなる。ラスト直前にある「共同作業」が感動的なのはそのためだろう。 主人公の弱点のひとつである、アル中の兄の存在。ラストシーンはすばらしく涙が出る。ただその理由は寧ろ、強い強い主人公を支えていた意外な存在が見えてきたからだと僕は思う。 しかしまあ、これだけ強さを描くのはやっぱりきつくなってくるに違いないし(エスカレートせざるを得ないからね)、結局それに押しつぶされたあげく、あの名作「利腕」が生まれるのである。
主人公はジョウナだった… とすぐ思い出せるのは初期の作品に属するといえるかな。 やや暗いトーンなので、最初の数冊にはすすめませんが。 10冊も読むとこれぐらいの変調はあってもいいのよね。
競馬シリーズ13作目。 仲介業者のジョウナは、 不正を働く同業者に仲間に入れと脅される。 競り落としたばかりの馬を奪われたり、 預かっていた馬を放たれたり、 家に放火されたりと。 彼らを操っている黒幕は誰なのか。 ジョウナの口笛に応えた引退した障害馬に乗って、 逃げた馬を追いかける場面が良かった...続きを読む。 ジョウナの不安と焦る気持ちに応えて激走し、 若い平地競走馬に追いつき、無事捕まえることができた。 昔のレースを思い出して、誇らしげにいななく老馬がかわいらしかった。 正直、仲介がらみの詐欺は難しすぎて そのすべてを理解できたわけではないが、興味深かった。 ジョウナが自らの知識と誠実さで、 強欲な同業者と戦っていくのが面白かった。 ついにアルコール依存症と戦うことにした兄が、 殺されてしまったのは残念だった。
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