遙拝隊長・本日休診

遙拝隊長・本日休診

473円 (税込)

2pt

3.8

復員しても、いまだに戦争中だと錯覚している元中尉の異常な言動を描いて、戦争と戦争思想の愚劣さを痛烈にあばき、真の戦争犠牲者に対して強い同情をよせた『遙拝隊長』、“本日休診”の札を出した病院に、その札を無視してつぎつぎと訪れる庶民の姿を洒脱な老医の視点から描く『本日休診』。戦後の救いなき世相を反映させ、ほろにがいユーモアをただよわせた2編を収録。

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遙拝隊長・本日休診 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2016年04月24日

    戦後間もない悲惨な社会生活を背景にしつつも、どこかユーモアを湛えている井伏鱒二の短編2編。

    『搖拝隊長』は元陸軍中尉で任務中の事故が原因で頭がおかしくなった岡崎悠一を中心に、周囲の皆が彼の言動に困惑・翻弄されながらも、戦中と戦後の分かち難い社会思想の断絶をユーモアを交えながら描いた作品です。
    何と...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年12月08日

    先生~、休みは休んでください!と言いたくなった。
    医者自体も少ないだろうし、命にかかわることだから「休みなんで!」と突っぱねるようなことも出来ないだろうと思うけど。

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    Posted by ブクログ 2010年11月03日

    出来事としては哀しいことばかりなのに淡々とした言葉で語られるのがよい。しょうがないなぁというような軽い諦めはあるが、絶望感がないところに安堵させられる。しっかり生きるというのは英雄的な行為でなくて、何があっても淡々と前へ進むことなのかも知れないと思った。

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    Posted by ブクログ 2014年12月30日

    色んな意味で時代を感じさせる作品。
    個人的には『遥拝隊長』を推す。この作家らしく声高に反戦を論ずることなく、日常に戦争の異常性を無理なく溶け込ませて物語を進めていく。
    よくユーモア溢れる作家と評されるが、ユーモアとは厳しい批評性の一つの表出であることを実感させてくれます。

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