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Posted by ブクログ 2023年09月17日
花のれん。
古き時代の心かよわき女性が、旦那の度重なる失態に呆れながらも、三行半をしたためることはせず、旦那を健気に信じ、共に商いを営んできた。
人との出会い、繋がり、絆。そのすべてを商売に賭け、自分の人生をも担保にした主人公は、自分が決意した幕引きを遂げた。
幸せだっただろう。商売繁盛、...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年08月27日
あらすじ
第39回直木三十五賞受賞作
船場の呉服店に嫁いだ多加(たか)は、家業に関心を持たず、芸事にうつつを抜かすばかりの頼りない夫・吉三郎に、いっそ道楽を本業にしてはどうかと勧める。二人は店を廃業して寄席を始めたが、吉三郎は妾宅で急死。幼い子どもとともに残された多加は覚悟を決め、なりふり構わず人気...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年12月29日
「独楽みたいなもので、回っている間だけがたってるので、動きが止まった途端に倒れますねん」
多加が伊藤さんに言った言葉だが、私も日々働いていて同じようなことを思う。少しでも気を抜くと足元から崩れ落ちてしまいそうな、そんな緊張感というか恐怖感がある。
多加のように気丈にやっていけるだろうか。これからの世...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年01月14日
山崎豊子さんの作品は日本語がとてもきれいだといつも思っていた。この作品は大阪弁が本当に丁寧に書かれていて、大阪の町中にいるような気分にさせられた。
日本語の表現の美しさが好きで、過去には「二つの祖国」「白い巨塔」「沈まぬ太陽」「大地の子」「華麗なる一族」「女の勲章」などたくさんの作品を読んだ。これら...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年02月17日
最後まで読んだとき全身が粟立つのを感じた。ここまで一人の女性が全てを投げ打って商いに身を投じられるものなんだろうか。多加の女性に対する視線はいつも冷ややかで芸人たちに対するそれとは真逆にある。確かに彼女は一代で途方も無い財を築き上げたのだが、それって本当に幸せだったのだろうか・・・と考えてしまった。...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年09月10日
読み出してふと、「山崎豊子作品は毎度モデルになる人物がいるよなぁ。この作品もそうかしらん?」と調べたら、吉本興業の創設者(夫が創設であるが、実質彼女が創り上げたものだ)だった!新喜劇大好きなあたしとの縁を勝手に感じつつ読んだ。大阪・船場・商人街…目から活気が伝わるテンポのいい展開。多加の先見の明、判...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年10月18日
山崎豊子氏の直木賞受賞作品。裏表紙を見たら、昭和33年発行となっていて驚いた。著者は大阪人であり、この作品は大阪出身の人にしか書けないと思う。山崎氏の他の大作とちがい、1冊で完結の読みやすい本である。
大正時代に、呉服屋に嫁入りした多加が、商売がうまくいかず、遊び人の夫に悩まされ、一人になった後落語...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年10月12日
◯大阪の商人の描写がやけに詳しいので、例によって緻密な取材の賜物かと思ったが、山崎先生はもともと大阪の商家の生まれで、大阪商人の話し方、商人の考え方、生き方がリアルなのも頷ける。
◯一気に読ませる展開の妙は流石。落ちて上がっての波乱万丈で、テンポが良い。
◯ただ、物語自体に滲み出る、金への業の深さが...続きを読む
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