年収は「住むところ」で決まる ─ 雇用とイノベーションの都市経済学

年収は「住むところ」で決まる ─ 雇用とイノベーションの都市経済学

<浮かぶ都市>の高卒者は、<沈む都市>の大卒者より給料が高い――。
気鋭の経済学者が実証した「ものづくり」大国にとっての不都合な真実!


「いい仕事」はどこにあるのか?なぜ「いい仕事」は特定のエリアに集中するのか?
アメリカではシアトルなどの都市で
労働人口増加、投資増加、雇用増加の好循環が生まれている一方、
かつて製造業で隆盛を極めたデトロイトなどの都市は
過去20年以上にわたり人口流出、失業率の上昇に悩まされている。

両者の格差はそのまま平均賃金格差に反映されており、
成長する都市の高卒者の給料は衰退する都市の大卒者の給料よりも高い。
沈む都市周辺にいる限り、スキルアップの努力は大部分が無駄になる。

なぜ特定のエリアに雇用が集中して平均賃金が上がるのか。
本書ではこれを「イノベーション産業の乗数効果」で説明している。
イノベーション系の仕事1件に対し、地元のサービス業の雇用が5件増えるというのだ。
この乗数効果は製造業の2倍。ゆえに富める都市はさらに富み、沈める都市はどんどん沈む。

《本書は、日本が、世界が、そしてあなた自身が
「イノベーションの世紀」という大海原へ飛び出すための、心強い羅針盤となるだろう。
本書を手に、一人でも多くの日本の読者が、過酷なこの航海をぜひ成功させてほしい》
(大阪大学経済学部准教授・安田洋祐氏による本書解説より)

日本人の働き方、ものづくり重視の産業政策、雇用政策に一石を投じる一冊。


【目次より抜粋】
◆第1章 なぜ「ものづくり」だけではだめなのか
高学歴の若者による「都市型製造業」の限界
先進国の製造業は復活しない

◆第2章 イノベーション産業の「乗数効果」
ハイテク関連の雇用には「5倍」の乗数効果がある
本当に優秀な人は、そこそこ優秀な人材の100倍優れている

◆第3章 給料は学歴より住所で決まる
上位都市の高卒者は下位都市の大卒者よりも年収が高い
隣人の教育レベルがあなたの給料を決める

◆第4章 「引き寄せ」のパワー
頭脳流出が朗報である理由
イノベーションの拠点は簡単に海外移転できない

◆第5章 移住と生活コスト
学歴の低い層ほど地元にとどまる
格差と不動産価格の知られざる関係

◆第6章 「貧困の罠」と地域再生の条件
バイオテクノロジー産業とハリウッドの共通点
シリコンバレーができたのは「偶然」だった

◆第7章 新たなる「人的資本の世紀」
大学進学はきわめてハイリターンの投資
移民政策の転換か、自国民の教育か

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年収は「住むところ」で決まる ─ 雇用とイノベーションの都市経済学 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    年収、雇用、イノベーションは全て住むところで決まる

    知らないと気づかない年収と場所の関係性を提示する
    ありそうでなさそうな良書

    0
    2023年05月28日

    Posted by ブクログ

    都市集積の経済、特にITの集積による都市活性の話。
    クリエイティブな議論を巻き起こすリアルな空間と、それに伴って発達するサービス業他の産業による都市の膨張について、アメリカの実例を元にした研究。

    0
    2021年08月09日

    Posted by ブクログ

    日本語版のタイトルのインパクトである。 英語版を直訳するなら「雇用の新しい地理学」だろうか。しかし日本語のタイトルは極めて本書の要旨を抑えていると思う。

    年収を得るには雇用が必要だ。経済が活発な地域では、平均的な収入は高く、また雇用も多い。経済が活発であるとは、そこに産業があるということだ。かつて

    0
    2020年03月30日

    Posted by ブクログ

    めちゃくちゃ面白い。お金増えると格差が増える、、ではなく、お金持ちが増えると、周りも裕福になる、というのを示したのはとても胸に残る。
    あらゆる人間はお金でつながっており、損得勘定で見ても、どんな人間でも大事だなぁとひしひし感じてとても豊かな気分になれる。

    0
    2019年07月17日

    Posted by ブクログ

     題名からは、煽りの入った挑発で話題をとるような本かと思っていたが、そのなものとは全く異なるまともな経済学の本である。
     イノベーション産業は、従来の自動車などの産業よりも乗数効果が大きく、レストランや美容室などの地場産業への賃金上昇などの波及効果が大きいとか、イノベーション産業ほは高学歴社員を必要

    0
    2017年07月10日

    Posted by ブクログ

    ここ1年で読んだ本の中で一番のアタリだったかもしれない。

    本書の大筋はイノベーション産業が「都市」を活性化させるというもの。
    ひとつのイノベーションがあれば、その街のイノベーション産業に関わる業種はもちろんそれ以外の例えばサービス業(医者・弁護士からウエイターや新聞配達員まで)の年収もUPする。

    0
    2016年12月12日

    Posted by ブクログ

    ハイテク産業と地域経済や格差のつながりを経済学的・統計的なエビデンスをもとに示している。本書を読めば、教育、研究開発、ハイテク産業への投資、そして地理がいかに大切かが分かる。
    原題『THE NEW GEOGRAPHY OF JOBS』に対して邦題がアレなせいで損している。

    0
    2016年06月12日

    Posted by ブクログ

    刺激的なタイトルにひかれ、手に取った一冊。非常に興味深く読みました。
    確かに当然だと思える内容かもしれませんが、近年の格差拡大の原因が大きく変わってきていること状況が見え、またこの格差もこれまでの常識とは異なるものが生まれている状況も垣間見られました。それだけ、最近の産業の影響は大きいものだと感じま

    0
    2016年02月17日

    Posted by ブクログ

    20151120 2015年で面白かった本の1つ。フリードマンが言っているようにフラット化する社会で住む場所はそこまで重要ではなくなった。しかし、いま住んでいる所に住み続けないといけない選択しかとれないのは低学歴のほうが高い傾向にある。イノベーションの産業に移住することで高収入が望める。また、イノベ

    0
    2015年11月22日

    Posted by ブクログ

    死ぬ都市と生き残る都市について。
    アメリカの産学連携マンセー感強いけど、実際最強である。
    まぁ、賢い人が集まる場所が存在して、そういう場所の所得や物価は高くなりがちで多様性も担保されやすいという話が延々と続くが。まぁ、これを読んだら(極端な話)日本には東京、名古屋、京都(と大阪)、福岡,etc...

    0
    2015年07月01日

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