荻窪風土記

荻窪風土記

539円 (税込)

2pt

3.7

関東大震災前には、品川の岸壁を離れる汽船の汽笛がはっきり聞えたと言われ、近年までクヌギ林や麦畑が残っていた、武蔵野は荻窪の地に移り住んで五十有余年。満州事変、二・二六事件、太平洋戦争……時世の大きなうねりの中に、荻窪の風土と市井の変遷を捉え、親交を結んだ土地っ子や隣人、文学青年窶(やつ)れした知友たちの人生を軽妙な筆で描き出す。名匠が半生の思いをこめた自伝的長編。

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荻窪風土記 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年02月25日

    昔荻窪に住んでいた時に買ったけど結局読まなかった本を30年近く経ってから読んだ。井伏鱒二の文章はなんとなくおおらかさと洒落た味わいがあって「黒い雨」を読んで以来好きだ。昭和初期の荻窪あたりの今からは想像がつかないような田舎びた感じや、戦争に向かう時期の緊張、その中でしたたかに生きる街の人々や今よりは...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年10月29日

    ご近所文豪の穏やかで優しい目線の随想録

    地元民として、荻窪から見た近代史、郷土史としても大変興味深かった。
    著者の押しつけがましくない自然体の語り口も心地よい。

    関東大震災の避難生活(早稲田球場、中央線線路避難)、
    戦時下の徴用船の騒動などの若かりし頃の活動的なエピソードから、
    先輩格としての文...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年09月02日

    何よりも小山清のことに触れられているのが嬉しい。本当に井伏さんはたくさんの弟子に慕われた、面倒見のいい兄貴分だったんだろうなぁ。一度お目にかかりたかった。

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    Posted by ブクログ 2017年11月28日

    タイトルから荻窪周辺の話だけかと思いきや、学生時代に関東大震災にあったときの話(早稲田界隈)や、マレーへ従軍したときの話(海音寺潮五郎や小栗虫太郎が出てくる……!)なども入っていて、自伝に近いエッセイですね。
    たまに話の時代が前後したりして、そこが逆に思いつくまま自由に語ってる感じで、近所のおじさん...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月07日

    中学時代、大学時代、そして今。
    住み慣れた杉並区の、よく知る土地のいまとは異なる姿にも、
    昔の人々の生活の違いにも、興味深く読めた。
    土地勘の無い方でも、なんかのんびりした時代の雰囲気を楽しめるはず。

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2022年10月16日

    荻窪に住んでいた井伏鱒二による大正末期から昭和前期の東京の様子や世相、近隣に住む文士(阿佐ヶ谷将棋会)との交遊の記録。

    当時はまだ青梅街道を馬が野菜を乗せて通っており、阿佐ヶ谷や荻窪、高円寺に鉄道の駅を誘致の話が出ている。関東大震災の際には東京が3日間燃え、菊池寛が横光利一を探して幟を立てて東京中...続きを読む

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