ピンチランナー調書

ピンチランナー調書

825円 (税込)

4pt

3.8

地球の危機を救うべく「宇宙?」から派遣されたピンチランナー二人組! 「ブリキマン」の核ジャックによる民衆の核武装?……。内ゲバ殺人から右翼大物パトロンの暗躍までを、何もかもを笑いのめし、価値を転倒させる道化の手法を用いて描き、読者に再生への希望と大笑いをもたらす。死を押しつけてくる巨大なものに立向い、核時代の《終末》を拒絶する諷刺と哄笑の痛快純文学長編である。※あとがきのカットは当電子版では掲載しておりません。ご了承ください。

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ピンチランナー調書 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2017年05月20日

    『同時代ゲーム』でも感じたが、大江のあまりに濃密な文章は作中に入り込んだSF的要素を一切の違和感なく読者に認めさせてしまう。原発や「転換」について様々に述べるところはあるが、愚かな一読者として、この文体に浸れることの幸せ、もうha、ha!が頭から離れないのだけれども、それだけは声高にいいはりたい。

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    Posted by ブクログ 2023年11月19日

    正直訳わからない作品だが、その訳わからなさがメチャクチャ面白い。難解は難解なんだけど、大江流の独特な文体で、これはコメディなのかと一瞬思ってしまう。
    テーマは核開発、反原発なんだけど、親子の在り方が、大江さん親子との繋がりを意識すると、その宇宙的な在り方もありだと思う、実は難解に見えてとてもユーモア...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年09月08日


    自身は一般的に言われている程難解ではないと感じた。
    “転換”という要素も、作者が息子との関係に求めたifの一部分に過ぎない気がする。
    息子の光氏が題材にされている作品群の中でも、SFや動きを加えた大江流エンタメ小説として読むと割合違和感を感じず楽しめる。

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    Posted by ブクログ 2018年06月16日

    1回目はスラップスティックについていけず、再読して漸く面白く読めた。
    まず、われわれの子どもについてを巡る対話が面白い。「私小説ではない」のだか、こういった挿話はまさにリアルな感情に根差していると感じられる。転換のドタバタはまさに道化の語りだが、ピンチランナーという言葉に込めた祈り、決意は、この長大...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年03月05日

    全体の構成がこれほど奇異な長編もなかなかないだろうけど、その中で章を追うごとに小説の中の常識・世界観・思想がずれて現実から全く掛け離れていく感覚がある。もともと始まりから常識とは微妙に違う位相にあるようで、それが他者の言葉を受け止める・投げ返すという構造に途中から変わるとまったく新しくもはや手に余る...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年03月31日

    本作品「ピンチランナー調書」は雑誌「新潮」に、3カ月に渡って連載されたものを1976年10月に書籍化したものである。私は、高校生の頃から、大江健三郎の初期の作品を中心に読んでいた。この「ピンチランナー調書」が発行されたのも、私が高校生の頃であるが、実際にこの本を読んだのは、大学生の頃だったと思う。当...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年03月28日

    大江健三郎作品を読むと日本語の可能性を感じる。
    同時に、『宙返り』までの大江健三郎作品には、戦後的暗さを感じる。
    この本自体が一つの革命調書のようになっている。

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    Posted by ブクログ 2017年11月12日

    知的障害をもつ子どもを持つ親の思いと核開発あるいは原子力発電に関する反対活動とそれに連なる安保闘争の考え方が主なテーマである。

    そして、著者がゴーストライターとして記述するという形式で述べることで、大江健三郎とは別人格の少しフワフワした形になることで、喜劇調を醸し出しているのだろうか。

    また「転...続きを読む

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