日常生活の冒険

日常生活の冒険

770円 (税込)

3pt

4.0

たぐい稀なモラリストにして性の修験者斎木犀吉――彼は十八歳でナセル義勇軍に志願したのを手始めに、このおよそ冒険の可能性なき現代をあくまで冒険的に生き、最後は火星の共和国かと思われるほど遠い見知らぬ場所で、不意の自殺を遂げた。二十世紀後半を生きる青年にとって冒険的であるとは、どういうことなのであろうか? 友人の若い小説家が物語る、パセティックな青春小説。

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日常生活の冒険 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2010年02月22日

    「洪水は我が魂に及び」と同じく、最後でぐわっと持ってかれました。
    冒険なんて言ってイキがってフラフラして、本当にどうしようもない、他人を「自己欺瞞のかたまりだ」なんて非難しておいて実は自分もそう。
    そんな犀吉からどうしても離れられない主人公。
    どんどん自滅していく犀吉。
    転がり落ちるように日常生活が...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年09月26日

    大江版オンザロード。奔放で破滅的で魅力的な友人。モラリストに憧れます。

    自分を知るためにはモラリストである必要があるのかと思ったり、文学的であることとはモラリストであることなのかと思ったりしました。

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    Posted by ブクログ 2012年07月02日

    われわれが日常生活で想像力を働かせるというのは、過去の観察のこまかなな要素を再構築してひとつの現実をくみたてることにほかならない。p417

    「この長編の題名には、その冒険の可能性なき世界を冒険的いきなければならないというひとつのモラルが、すでに含まれている」(渡辺広士の解説より)

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    Posted by ブクログ 2011年10月02日

    「主人公」が自殺をした趣旨を手紙で知り、主人公との出会いから現在までの思いでを物語として「私」こと語り手が綴る、といった物語。
    正直、主人公である斎木犀吉は、モラリストだの哲学者だのと書いておいて、身勝手で奔放な男だと思っていたのですが、最後の章でのやり取りや、海外へと出ていくさいの葛藤など、書き手...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    大江健三郎デビュー。
    なんでこの人がノーベル賞とったのか?ずっとわからず気になってた。俺がモノを知らなさ過ぎるだけかもしれないけど、広く世に知られるような名作ってそんなにあったっけ?とゆー。直木賞てすごいんだろけど直木て誰?みたいな。
    しかしよかった・・・。とてもよかった。。。
    オススメです。

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    Posted by ブクログ 2009年10月07日

    冒険的に生きる 何を選び 何を捨てるか

    危険の感覚は失せてはならない。
    道はたしかに短い、また険しい。
    ここから見るとだらだら坂みたいだが。
    それじゃ、さよなら、ともかく全力疾走、そしてジャンプだ、錘のような恐怖心からのがれて!(本文引用)

    選書:川島

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    斎木のモデルは故伊丹十三であったとか。高校の時に伊丹十三と知り合う。1960年、伊丹万作の長女ゆかり(伊丹十三の妹)と結婚。1994年ノーベル文学賞受賞。

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2016年02月28日

    「おれはいまセックスとは何か? ということを考えているんだよ。おれはひとつのテーマについて永いあいだ瞑想するのがすきなんだ。それで三時間おれはセックスの問題について瞑想していたんだよ。考えてみろよ、昔はモラリストとかフィロソファーとかがいて、基本的な命題をじっと徹底的に自分の頭で追求したんだ。そして...続きを読む

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