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Posted by ブクログ 2009年10月04日
文学小説の面白さって共感と、更なる発見だとおもうんだけど、この本にはそれが詰まってた。
普通の大人はもう忘れてしまっているような、幼少期に感じた懐かしい記憶を忘れずに持ちつづけているという事も、作家にとって大切な要素だと思うけれど、そんな懐かしい記憶を呼び起こし、共感、更なる発見もさせてもらえて充実...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年12月18日
兵隊として死ぬことを夢見ていた少年に、終戦によって刻み込まれた「自分は遅れてきた」という絶望感。日本における“ロスト・ジェネレーション”の青春、戦前派or戦中派でも、戦後派でもない狭間の世代の喪失感…。あくまで主人公の視野に映るもののみを語る主観的な文章なのに、同時にどこまでも客観的な語り口が貫かれ...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年07月15日
遅れてきた青年は、早すぎる未来に復讐を試みるが、やはり早く去りすぎた戦争という過去にはただ憧れるのみで、恨む事は永遠に無いのである。それはひとえに、青年にとっての戦争(過去)が現実に起こった事ではなく、お伽話の空想事と同じ意味合いの存在に過ぎないのであり、それ故にやはり青年は遅れてきた青年なのだ。仮...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年11月27日
大江健三郎の描く戦後文学は、戦後生まれの僕達にとって、もはや神話である。
鬱屈した自意識過剰な主人公。
19世紀西洋小説的。
ロマン・ロラン的。
文庫本あとがきによると、大江健三郎自身が終戦当時、そのような感慨を抱いていたらしいが、この長編は、第2次世界大戦の戦線に立つのに”遅れた”という意識を持つ...続きを読む
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