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Posted by ブクログ 2022年07月29日
川端康成に続く、日本2人目のノーベル文学賞受賞作家・大江健三郎氏の短編集。
文壇デビューし脚光を浴びるきっかけとなった"飼育"等の作品が収録されています。
大江健三郎氏の作風は閉鎖的で、自由をつかめる保証がないまま閉ざされた壁の中にいるような不安を与えてきます。
初期短編の本作収...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年09月05日
初めて大江健三郎を読んだ。
彼の文章からは、グロテスクとも言えるほどの迫力と緻密な論理表現が共存している感じを受ける。人間の中のドロドロとした感覚をここまで明確に表現できるのかと、鳥肌が立つ。
そして、大江が抱えている問題意識や鬱積がまざまざと伝わってくるストーリー。価値観の転回やコンプレックスを社...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年05月07日
大江健三郎は初読。
1作目から度肝を抜かれた。背景描写や心情描写があまりにも生々しい。作中の非日常世界をまるで自分が体験しているような錯覚に襲われる。これはノーベル賞を獲れるなと感嘆せざるを得ない。
芥川賞受賞の『飼育』を含む6作から成る短編集である。いずれも非常に読み応えがある。そして読みやすい...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年04月11日
私の感じるところでは、大江健三郎の文体は非常に冷淡でありながら、吐き気を催すほど生々しく肉薄してくるところがある。
読むという行為を、ただ読むという行為に収めさせないほどの膂力を感じる。他の作家でも感じなかった訳ではないが、この程度は初めてだ。
今まで彼の本を読んでこなかったことを後悔している。他の...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年07月06日
『死者の奢り』と『他人の足』が大好きです。
とにかく救いがない。そもそも救いが訪れるような事象でもなければ、救われるような行動も取っていないし、登場人物救われるような立場にいるとも思ってないから。
戸惑いとか嫉妬とか生きてれば抱える他人に対する未練のようなわざわざ言語化しない(したくない)モヤモヤし...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年10月24日
テーマがすごい。描写がすごい。
冒頭の一節から、足し引きのない形容によって衝撃的な光景が生々しく描かれ、作者独特のその描写は最終話まで途切れることなく続きます。閉鎖された空間、そこに置かれた人たちの心理、行動、息遣い、発する言葉、見えないけれども確かに存在する外界との境界、その全てに生臭い人のさがが...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年09月17日
芥川賞受賞作「飼育」を含む6編の短編集。
初めて大江健三郎氏の作品を読んだが、大変良かった。
時代を背景に、生と死、田舎の村の閉塞感、米兵と日本人の関係、子どもの好奇心と残酷さ、罪悪感と勝手な正義感、大人になるという事…などが描かれている。
ジワジワ追い詰められていく感じが、たまらない。
本作のテー...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年07月08日
1.著者;大江氏(故人)は、小説家。「死者の奢り」で、学生作家としてデビュー。豊かな想像力と独自の文章で、現代に深く根ざした小説を執筆。核兵器・天皇制等の社会問題、故郷の四国の森の伝承、知的障害を持つ長男との生活・・を重ね合わせた作品を構築。「飼育」で当時最年少の23歳で芥川賞受賞。さらに「洪水はわ...続きを読む
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