自分と向き合う「知」の方法

自分と向き合う「知」の方法

小説・文芸
693円 (税込)

3pt

3.7

人は誰しも、自分にとって都合の悪いことから目をそむけたくなる。しかし、そうした姿勢で社会を、自分を、そして身近な人たちを見ていったなら、どうなるだろう? 見たくないことからも目をそらさず、どこまでも自分と世界を見続け、考え続けること――。そのようなスタンスで、学び、男と女、生と死、老い、宗教などを取り上げ、しなやかな文体で綴ってゆく著者初のエッセイ集。

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自分と向き合う「知」の方法 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

     幅広い発言を続けている思想家、森岡先生のエッセイ。「あとがき」で触れられているが、著者の研究テーマである「生命学」の入門書ともいえる。「生命学」ときくと理系の自然科学分野の学問のような響きがあるが、その内容は実践哲学ともいえるもの。最近の特に若手の哲学研究者からは、哲学や思想を日常生活に活用しようという提唱がよく聞かれるが「生命学」もそうした試みの一つのように思う。

     「自分を棚上げにしない」というある意味厳しい「教え」が頻繁に出てくるが、確かにこれを実践できれば「より良く」生きることに希望が垣間見えるような気がする。こうした考え方はともすると一時的なキャッチフレーズだけで終わってしまうような場合もあるが、仮に一つの言葉が消えてしまっても、次に出てくる新たな言葉と比べてみれば一つの「普遍」がチラチラと見えてくる。それを消さないためにも多くの思想家が多くの言葉を間髪入れずに発することが「思考スキル」を鍛えるのに有効な手段なのではないだろうか。

     著者の森岡先生は、学者として確固たる地位を順調に築きつつあるように見えたが、実際には業界内においてかなりのご苦労をされているようで、本書においても愚痴や不満があちこちに散見される。本書に限らないが、力強い「言葉による抵抗」は他の場所で闘っている人達への頼もしいエールとなっているはずである。

    0
    2014年10月26日

    Posted by ブクログ

    「アラユルコトヲ ジブンヲカンジョウニ入レズニ ヨクミキキシワカ」るだけではなく、敢えて「自分を勘定に入れ」、自分との関わりに於いて考えようと提案する書。「欲望」「性愛」「生命」をキーワードとして、自分と世界との関わりを模索する。人間を欲望する存在として捉える「欲望論」が面白い。「吾欲望す、故に吾在り」、しかし欲望の完全充足は自分を自由から疎外する。制限されることが「欲望する自分」には不可欠なのだ。

    0
    2010年05月18日

    Posted by ブクログ

    一時期、テレビや新聞で著者の名前をよく見かけた気がする。
    生命倫理の専門家だそうだ。

    この本は、エッセイ集なので、それほど難しい話ばかりではない。
    ただ、どの文章でも、自分を棚上げにしないという立場を貫いているのが印象的だ。

    例えば、原発問題とエネルギーを大量消費した快適な生活への私たちの執着という矛盾。
    著者は自分自身を例外的な立場に置かない。
    それはすごいことだけれど、その先に何が見えてくるのかが知りたかった。
    この本では、そういった諸々の矛盾がどう解決していくのかが見えなかった。
    この本は元の本が1997年なので、その後著者はどういう考えを持つようになったのだろう。

    0
    2015年05月09日

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