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オトコという存在は実は「不感症」ではないのか。だからこそ、美少女写真集を見てはあらぬ妄想を膨らませ、一人でしては空しさに襲われる──。少なくとも自分にはそうした側面があると気づき、この問題を深く掘り下げ、論じ切った衝撃のセクシャリティ論。男女を問わず大きな反響を呼び、「男の性」の必読本となったこの書に、「その後の、感じない男」についての章を加えた、増補決定版。
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Posted by ブクログ
男の身体が汚いと思う意識。 Vチューバーの綺麗な女の身体を得る。脱毛、化粧。男性的なものが汚く感じる。それによる女性性への憧れ? また読み返さないといけない。
衝撃を受けた一冊。性癖や性欲の起源を知る事が、押し付けられた性欲から距離を取り、自分自身の欲や嗜好を取り戻す機会になるのではないかと思えた。
著者はうちの大学の元教員(今は早稲田の教員) 男の性について赤裸々に堂々と述べているところが凄い。ロリコン・制服フェチなどの詳細の分析の後に、「男の不感症」に繋げている。
男性の(というか著者の)セクシャリティについて深く考察した本。私にも共感できる部分が多々あり、男女平等を考えるに新しい視点を見いだせました。
男の不感症、つまり「p51射精はそれほどの快感ではないかもしれない」ということは実感として分かる。射精後の空虚感を味わいたくない故に射精を先延ばしにしたことすらあるほどだ。ただ、それが「p71感じる能力をもった女に復讐しようとしたり、女よりも優位に立とうとする」ことに繋がるという部分はちょっと説得力...続きを読むに欠ける(制服フェチやロリコンのくだりも)。でも、男の性の様々な問題の出発点は森岡氏の言う「男の不感症」ではないか、確かにそんな風に思う。だって性行為が身体的に満足できるのであれば、敢えて制服なり少女なりに物語性を見出す必要もないのではないか?男はそもそも感じることができない(できても一瞬)であるから、快楽を精神的な部分に求めるのではないだろうか。 要は、男は自分が「感じられない」という事実を受け入れられず、あるいは自分の体に対する汚いというイメージを払拭できないために、制服姿の女性なりいたいけな少女なりに自分を投影するようになるのだと。 個人的には男の方こそ「状況」に欲情するんだと思う(一般には女の方がシュチュエーションを大切にすると言われるようだけど)。それは、男の生物学的な性的快楽が瞬間的なものであり、それを精神的な部分で補おうとするから、制服なり少女なりに支配を伴った物語性を見出すのではないだろうか? ただ著者自身も指摘するように、性の問題を一般論に"逃げる"ことをせず、あくまで自身を主語として語り通した本というのは極めて少ないと思う。自分の性を文字にして語ることをする人なんて少数派なのだ(一般的には恥ずべきことだと思われているから)。客観性はないかもしれないけれど、だからこそ、それでは自分の性はどんなんだろう…と追及してみたくなる、そんな本だ。生きることとセクシャリティーは切り離せないのだから、それはより良く生きるためにも価値あることだと思う。そしてなにより面白い。
学者先生が赤裸々にというより冷静に自信のセクシャリティを元に男性のセクシャリティついて考察している。オーソドックスな純文学の作家が書きそうなことを学者調で書いた感じ。不思議なテキスト。言い方や、捉えるレベルに関しては、人それぞれ幅がありそうだけど、根本的に言いたいことはわかるというか共感できる内容だ...続きを読むった。
「私はこうだ」という姿勢でもって フェミニズム=女性学 セクシュアリティ アイデンティティ 新宿二丁目 妄想から幻滅へ 「嫌がるか嫌がらないか」に拘るレイプ犯と、「隠されているのか、あからさまに見えているのか」に拘る私との類似点 サブリミナルなメッセージを私達の脳髄に染み込ませる 牛乳を飲む少女 縦...続きを読む笛を咥えた少女の視線 親が承諾する理由は推測するしかない 仕掛け 仮面を被った少女ポルノ 第二次性徴 平均初潮年齢 ユニセックスな(性がまだ未分化な状態の)体 ひとつの思いが沈殿 大人の体へと大きくカーブを切る瞬間 何度も意識の底で反芻 思春期の分岐点 追体験 ロリコンの原因は、ロリコンの男が自分の体を自己肯定できていないところにあるというのが私の仮説である。 あんもくり暗黙裡 隷属 恍惚状態 肉体から溢れ出てくる溶岩のようなものの感覚 トリガーや義体として利用されるだけ 「私の体は汚い」という意識 勃起したペニスは「ファルス」と呼ばれ、男なるものの象徴と考えられてきた。だが私は「勃起」よりも「射精」の方が、オジャンにとっては根本的なのではないかと考えている。 女の快感を支配するときの優越感でもって、自分の不感症を帳消しにしようとするのである。 もし支配に失敗した時には一転して、感じる女に復讐し、罰しようと思いはじめる。レイプしてやりたいという衝動が出てくるのは、この時である。 自分が拘っている架空の女のイメージの方が、生身の女より大事だったりする。架空のイメージは、独自の意思も感情も持たないので、扱いが楽なのだ。 古代の性技法 タントラ 狩人 宇宙との合一感 荒唐無稽な話ではない しかし考えてみれば、父親はマスターベーションをしていた筈だし、セックスの時に父親から射精された精子でもって、あなたは生まれたのである。このあたりのことを、一度深く考えてみてはどうだろうか。自分が母親の胎内から生まれたことを感慨深く語るが、自分が父親の射精から生まれたということに関しては、徹底的にそれを隠蔽する傾向があるように思われる。 「自分を決して棚上げしない」学の方法 射精の後の墜落感 ジュニアアイドル写真集 意図的に目を逸らしているように思えた 無痛文明論 生命学
男性の性の負の面を扱った珍しい本。 一種の精神疾患の告白書として読める。 本書の中で著者も述べているように、自分は共感はできなかった。 ただ、ロリコンや制服嗜好を説明する具体的な仮説を提唱したという点だけでもすごいと思う。 また、性犯罪を抑えるために「予想以上の快感」があるという妄想を解消する必...続きを読む要があるという意見には首肯。 ...バタイユのいう禁止の侵犯の魅力の問題もあるのでそれほど単純な問題でもないとは思うけれど
射精は排泄だってのには同感。女の子ほど男はHで感じてないと思うので。この本のフェチやロリコンについて筆者が主観で語っている部分については同意出来かねることの方が多かった。 補章(この本は2004年に新書版が出てる)にある「性に関するどうしようもない暴力性」ってところには確かに性にはそういう側面がある...続きを読むと思うし、その先の「不感症であっても構わないから優しい男になりたい」という今の社会全体へのメッセージにも同意するのでした。 でも男と女の間には深くて長い川はあるよね。 む~
男の「不感症」「制服フェチ」「ロリコン」がテーマであり、これらを著者の実際と照らし合わせて考察する。したがい、答えではなくひとつの仮説である。 男の射精そのものは快感を感じずに空虚感を感じる(男は自らの射精を語りたがらない)。感じる女への復讐がポルノに反映される(実際には女もそれほど感じているわ...続きを読むけではない)。ポルノでよく制服が用いられるのは、背後に学校(=洗脳)を感じるため。男の自分勝手な論理で女を内面的に支配し、セクシャリティの自閉世界を作り上げることに帰結する。精液はその架け橋である。 ロリコンというと一般的に初潮前後の少女を対象としたものであり、社会全体がロリコン化しつつある。感じない男は自らの体を肯定的に見られず、少女の体として生きてみたかった願望が、少女の体の中に乗り移るという形で現れる(そのため少女が女性になる初潮頃がターゲットとなる)。母親からの訣別はロリコンの形をとり、自己完結した世界に閉じこもることで、完全な自由を手に入れる。 男のセクシャリティに対する肯定感のなさから、女への支配(うまくいかないと、復讐し罰っしようとする)を強める。正面から向き合おうとせず、架空の女のイメージのほうが生身の女よりも大事だったりする。「生まれてきて本当に良かった」と感じることで、ひととひとが感情を分かち合いながら、よい関係を作り上げていける。男のセクシャリティはいくらでも変わりうる。
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決定版 感じない男
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森岡正博
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