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Posted by ブクログ
おもしろかったーー!
君子は"夢"も"現実"もどちらも生き抜いたんだろうな、その二つの対極的な世界を100%極めた、楽しんだ女。どちらにも逃げずにどちらにも溺れずに(いやむしろどちらにも溺れていることを楽しむ)そのバランス感覚がカッコいい。
これからを生きる上で学んだことがたくさん。
・美しいものを愛する、纏う
・義をつくす(誠実、ということではない気がする)。行動に移す。
・数字と法律は人間の思いどおりになる
・声色、言うこと言わないこと。
・肌は柔らかく
最期は少しバランスが崩れて"夢"のほうに転んじゃっただけじゃなかろうか?
それにしても君子が1番手にしたかったもの、理想の自分は何だったんだろうなー。そんなものなくて、今を1番楽しんだ結果なのだろうか。
Posted by ブクログ
あぁ、面白かった!
ほぼ一気読みくらいの勢い。
青い壺で有吉佐和子を知り、その後非色を読んでさらにはまった。このかたの本は続きを早く読みたいと思わせる吸引力のある小説が多い。
様々な人が亡くなった富小路公子という女性について語る。ある人はとても優しい人、ある人はとんでもない詐欺師、など正反対のことを言う。こういった色々な面から一人の人物を見ていくスタイル大好きである。
最後の彼女の息子についての証言が結構彼女という人物の核心をついているのかな、と私には思えた。自分のことを美しい人、愛でる対象と思ってもらいたくて、美しいものが何よりも好きで、そしてなにより自分の人生を美しい物語に仕上げたい人。その理想を成し遂げるためには手段を選ばず突き進み、その結果が、周囲から見れば『悪女』にも『素晴らしい人』にも映る彼女を作ったのかな、と。
様々な顔を持つ彼女、全く一貫性がないようにおもえる彼女は何を大切に生きてきて、どういう人なのかと様々な視点を通じて考えていくのがとても面白い読書体験だった。
Posted by ブクログ
読み終えて、浮かんだ言葉は「毀誉褒貶」だった。
一人の女性、富小路公子について、周囲の人たちがそれぞれに語っていく。
「あの方は善人でした」 「心が美しくて透明な方だった」 と語る人がいる一方で、 「女としては恥ずかしいほど、悪徳の持ち主だった」 と語る人もいる。
息子でさえもちがった見方。
本当の富小路公子はどんな人だったのか。
読み進めるうちに、そもそもそんなふうに「この人はこういう人だ」と決めること自体がおかしいのではないかと思うようになった。
同じ人でも、相手によって見せる顔は違う。 本人だって、いつも同じではない。機嫌のいい日もあれば、悪い日もある。 そして見る側にも、その人への愛情、嫉妬、恩義、劣等感、利害がある。
人が語っているのは「その人」そのものではなく、「その人と自分との関係」なのかもしれない。
そんなことを考えていると、公子自身の言葉が心に残った。
「誰にも欠点はあるものよ。でもそれを指摘するよりも、その人の持っている美しいものを引き伸ばしてあげる方が、その人の成長も早いし、欠点をカバーできるわ」
「私は一度きりの人生なのだから、美しいものだけ見て生きていきたい」
公子が、この言葉どおりに生きられたのかといえば、そうではないだろう。人を傷つけ、自分に都合の悪い現実を遠ざけたように見えるところもある。
だからこそ、この言葉が残った。
人からどう思われているのか。 嫌われているのではないか。 誤解されているのではないか。
そんなことを気にし始めれば、きりがない。 一人の人間について、これほど評価が分かれるのだから、誰かから見た自分だけを「本当の自分」だと思う必要もないのだろう。
それよりも、人との間で生まれた「うれしかった」「ありがたかった」という思いを、一つずつ積み上げていけばいいのではないか。
人の欠点を数えるより、美しいところを見る。 自分についての毀誉褒貶に振り回されるより、自分もまた、人の美しいところを見て生きる。
「人は、そんなに簡単に一つの言葉で決められるものではない」
ということを、改めて認識させてくれる本だった。
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