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ある六月上旬の早朝、上野発青森行急行「十和田3号」を一ノ関近くの赤壁で緊急停車させた男たちがいた。「あんだ旅券ば持って居だが」。実にこの日午前六時、東北の一寒村吉里吉里国は突如日本からの分離独立を宣言したのだった。政治に、経済に、農業に医学に言語に……大国日本のかかえる問題を鮮やかに撃つおかしくも感動的な新国家。日本SF大賞、読売文学賞受賞作。
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Posted by ブクログ
この作品は物凄く混沌としている様に見えるよう作られている。読みにくいとか余計な脱線があるという意見もあるようだけれど、世の中、世知辛さ、情、抵抗活動、どうにもならないもの、無念、舞台は田舎であるし、秩序でできた煌めく小綺麗な文章でこの独立運動がもし書かれていたら、それは吉里吉里人の話ではない。 現代...続きを読むのコスパタイパ思想に浸かってしまう学生時代に、この作品を読めて良かったが、社会人など時間に追われるようになると、この作品の無駄さ、豊かさなどは、味わうのは難しいかも。 それと政治の諸問題をこんなに分かりやすくした物語は珍しかった。 日本から独立するって話は、昔、村上龍なども書いていたように記憶しているけれど、きちんと独立して平和に世を治めたハッピーエンドの話は読んだ事がまだない。ライトノベルだと別世界を統治する系の話はよくあるようだけれど、日本が舞台で、政権を転覆させてそれをやるのは難しいのかしら。と、これを読んだ当時、思っていた。
抱腹絶倒とにかく面白い。ジャンルを言うなら妄想小説R15指定。主人公のオッサンにイラッとしながらもぐいぐい引き込まれていきます。 出会いは行きつけの大型書店。奇抜なタイトルが目に入って書棚から手に取り、表紙の絵に惹かれてペラペラ捲って見る。ルビが多い小説だと思ったらなんと東北弁訳。期待値マックスで...続きを読むレジへと直行でした。 物語はと言うと・・・これが実にえぐい話なのです。小説が醸し出す独特の世界観に酔います。まずはご一読あれ。
くだらないユーモアで笑いっぱなし、唯一無二の圧倒的な引力を持つ大名(迷)作。 井上ひさしに特別な思い入れは無いが、本作品に関してはボリュームに怖気付かず是非読んでほしい。 壮大な群像劇仕立て、一冊約600p(×3冊)の狂ったボリュームだが、あっという間に読ませてしまう所に、当時の井上ひさしのギラつ...続きを読むく力量を感じる。
上中下巻と、面白くて一気に読んだ。吉里吉里人を読みながら、日本の内部で吉里吉里国が独立するという設定がイスラム国の比喩のようにも取れたし、また『横浜駅SF』を思い出しもしたし、あらゆる吉里吉里に関する要素が百科事典的に記されている様はメルヴィルの『白鯨』のようでもある。それにしても、日本で『白鯨』の...続きを読むような大きな物語を持った古典に『吉里吉里人』が相当すると考える人はあまり多くないかもしれない。国の内部で国としての独立を立ち上げる視点は大江健三郎の『芽むしり仔撃ち』そのものだし、日本は日本国内での独立、地方の自立をカノンとして持っているというのは、英文学やフランス文学にはあまりない特徴のように感じる。
2012年の11月に買ったまま、あんまり長いので途中で放ってしまっていた本書。ついに腰を入れて読み始めることができました。 これでもかこれでもか、って程、ネタをぶっこんでくる作歌魂に驚嘆。細部の演出がすごい。吉里吉里語の説明箇所とか。描写が映像的で、読みながら吉里吉里国を頭の中で作っていける感じ。...続きを読む主人公・古橋の汚いおっさんぶりのキャラ立ちの良さ、汚いおっさんなのに読み手の同情を誘うような、憎めなさ。 どのシーンから書き出すべきかを延々説明する冒頭の書き出しから、上巻ラストまで、ページをめくる手を止めさせないエンタメ小説。しかも、ただのエンタメじゃないのがすごいよなあ、1973年から一部を執筆、1981年単行本化とのこと。自分が生まれる前の作品とは思えないくらい、今読んでも吉里吉里人の根底にある問題意識を含めて、リアリティ感じる。 P106 「わたしたちはもう東京からの言葉で指図をされるのはことわる。わたしたちの言葉でものを考え、仕事をし、生きていきたい。わたしたちがこの地で百姓として生きるかぎり、吉里吉里語はわたしたちの皮膚であり、肉であり、血であり、骨であり、つまりはわたしたち自身なのだ。わたしたちがわたしたちの言葉でものを考えはじめるとき、中央の指図とはまっこうからぶつかる。そのようなとき、これまでわたしたちは泣く泣く標準語や共通語に自分の頭を切りかえたのだった。しかしそれはもはや過去の語り草となった。百姓は百姓語によって生きていかねばならない、学者が舶来の横文字を支えに生きているように。…」
個人的に、『国家反逆』カテゴリーに含めている作品(ほかには筒井康隆「俗物図鑑」、小松左京「日本アパッチ族」、大江健三郎「同時代ゲーム」)。
初読は大学受験の頃なので、今から25年程前になります。国際法や為替、笑いもありの正にザッツ・エンターテイメントな作品でした。
「吉里吉里人(上・中・下)」井上ひさし ”全体小説”。特になし。 いや、っていうかレビュー書けないや。 自分が今まで読んだ小説の中で確実に5本の指に入る内容量の圧巻。 感動系でもなく純然たるSFでもなく文学でもなく、なんだろ。 とにかく読んだら読んだで(良くも悪くも)読み疲れる大作かと...続きを読む。 異常です。あわわ、間違えた。以上です。
初ひさしが本書。なぜか吉里吉里というワードが脳内に残っていて、ネット古本屋にて入手。売れない作家・古橋健二を狂言回しにして、吉里吉里国独立の瞬間から、日本国を相手取った独立闘争をユーモラスに描く。<引用>日本国の国益だが言う物、もう真平……『国益の為だ、増産すろ!』『国益の為だ、減反すろ!』……ズー...続きを読むズー弁で訴えかける国の横暴がひしひしと伝わる。話が横道に逸れることが多く、上巻は午前6時の独立から半日程度しか経っていない。冗長感は否めないが、作品の世界観を理解する役には立っている。
情報小説 三読目。日本SF大賞受賞。 小説全体、たいへん下世話で、下ネタが苦手なひとは読まないほうがいい。とにかく性器、性行を連想させる下ネタばかり。下ネタ大好き中学生ならぐいぐい読める。 ストーリー展開が奔放でめっぽうおもしろい。東北から吉里吉里国が独立するのだが、そのための切札をたくさ...続きを読むん控へてゐる。その説明で蘊蓄の渋滞だが、とにかく説得力が高い。おれにでも分離独立できるのではないか、と感じ入ってしまふ。 中巻でケイコ木下が出てきたあたりから、すこしダレてくる。 ところどころ、都合よく進展させるために、古橋といふこの単純な人物造形にしたのだらうと気づいた。 比喩は下手。このころの井上ひさしはまだ途上だったなあ。晩年の『一週間』になるとさすが。
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