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Posted by ブクログ 2023年06月30日
「火をめぐらす鳥」を読んだ時点で。
大江健三郎という小説家を表すいくつもの側面があるけど、そのうちの一つは「小説の言葉で『詩』を書く作家」というものがあるだろう。この短編はその側面の最良の一つではないか。
読み終わって
大江の最後の短編集であり、まさに円熟の筆致ということもあるが、語り直し、捉...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年12月09日
私小説的枠をとった連作短編集のうちの一つ。後期の大江はだいたいそうだが文体は凝ったもので一筋縄ではいかない。しかし経験を言語として、徹底的に自己をテクスト化してゆき、多層的に織り上げられたそれに、言葉に対する著者の姿勢、執念、愛着を感じる。『治療塔』、『夢の師匠』には著者の、暗いながらもかすかな希望...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
ある事件がきっかけで日本を「亡命」し、渡米した人と、その事件に関わった筆者の話。日本人であることを否定しアメリカで生きてきた彼。なーんてね。
自分が犯した?罪の意識と戦ってきた彼の気持ちが、どこか夏目漱石の「こころ」を彷彿とさせた。まったく違うんだけどね。いろいろな要素がつまってて、引き込まれるよう...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年02月04日
聖書の物語は、神に選ばれた者たちを中心に進行するが
大江健三郎の場合
「選ばれなかった者たちの語り」としての神話を
構想していたようである
例えば「治療塔」のストーリーにそれは明快であるし
また、そう考えれば
解体と再構築の作業を読者に強いるがごとき難渋な文体も
集合的無意識の行なう要領を得ない語り...続きを読む
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