僕が本当に若かった頃

僕が本当に若かった頃

1,562円 (税込)

7pt

3.8

障害をもつわが子と妻との日常、そして夥しい量の読書。少年の日の記憶、生の途上における人との出会い。「文章を書き、書きなおしつつ、かつて見たものをなぞる過程でしだいに独特なものを作ってゆく」という方法意識の作家「僕」が綴る、表題作等9篇の短篇小説。切迫した震える如き感動、特にユーモアと諧謔をたたえて還暦近づき深まる、大江健三郎の精神の多面的風景。

...続きを読む

僕が本当に若かった頃 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年06月30日

    「火をめぐらす鳥」を読んだ時点で。

    大江健三郎という小説家を表すいくつもの側面があるけど、そのうちの一つは「小説の言葉で『詩』を書く作家」というものがあるだろう。この短編はその側面の最良の一つではないか。

    読み終わって

    大江の最後の短編集であり、まさに円熟の筆致ということもあるが、語り直し、捉...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2023年03月25日

    半分くらいは自選短編集に掲載されていたが、表題作が読みたくて購入。
    なるほど、自選短編集には選ばないだろうなという完成度だったが、好みの構成で「やりますか!」「ギルティ」などの迷言、迷フレーズもあって楽しく読めた。

    0

    Posted by ブクログ 2015年12月09日

    私小説的枠をとった連作短編集のうちの一つ。後期の大江はだいたいそうだが文体は凝ったもので一筋縄ではいかない。しかし経験を言語として、徹底的に自己をテクスト化してゆき、多層的に織り上げられたそれに、言葉に対する著者の姿勢、執念、愛着を感じる。『治療塔』、『夢の師匠』には著者の、暗いながらもかすかな希望...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    ある事件がきっかけで日本を「亡命」し、渡米した人と、その事件に関わった筆者の話。日本人であることを否定しアメリカで生きてきた彼。なーんてね。
    自分が犯した?罪の意識と戦ってきた彼の気持ちが、どこか夏目漱石の「こころ」を彷彿とさせた。まったく違うんだけどね。いろいろな要素がつまってて、引き込まれるよう...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2022年02月04日

    聖書の物語は、神に選ばれた者たちを中心に進行するが
    大江健三郎の場合
    「選ばれなかった者たちの語り」としての神話を
    構想していたようである
    例えば「治療塔」のストーリーにそれは明快であるし
    また、そう考えれば
    解体と再構築の作業を読者に強いるがごとき難渋な文体も
    集合的無意識の行なう要領を得ない語り...続きを読む

    0

僕が本当に若かった頃 の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

講談社文芸文庫 の最新刊

無料で読める 小説

小説 ランキング

大江健三郎 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す