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※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 大学で全共闘運動に遭遇し、管理化された大学に背をむけ、企業に就職。以来、常にアカデミズムの主流の科学観とは異なる新視座を拓き、科学と政治、科学と社会のあり方に警鐘をならしてきた著者の半自伝的科学史。
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Posted by ブクログ
ある意味では、自分が通っていた大学の学部に対する一種のルサンチマンが、筆者を独学へと向かわせたと言えるであろう。それにしても、すごい執念である。
アカデミズムの外で生命科学や科学史の研究に取り組んできた著者が、みずからの知的変遷を語った本です。 大学紛争の経験を経て、アカデミズムの権威主義と、講壇生物学の知的硬直性に批判を抱いた著者は、京都大学で生物学史を教えていた白上謙一から知的刺激を受けます。さらに、生気論の立場を取ったためにほとんど禁...続きを読む書扱いされていたドリーシュの著作を入手したエピソードなどが語られています。 著者は、科学史家のクーンが提唱した「パラダイム」という概念には、「正パラダイム」と「逆パラダイム」の二つがあると考えます。正パラダイムが研究の範例なのに対して、逆パラダイムは「何をしてはいけないか」を示すことで、パラダイムの重要な一翼を担うことになると言います。そして、ドリーシュが完璧に黙殺されているのは、それが講壇生物学の「逆パラダイム」となっているためであり、そこから現在の生物学のパラダイムを相対化する視点をつかむことができるのではないかという考えが語られていきます。 証券会社で勤務しつつ、在野の研究者として生物学史の研究を進めていき、やがて三菱化成の生命科学研究所に採用されるまでの経緯も、興味深く読みました。
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