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「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)「プロフェッショナル」(NHK)などのテレビ番組でも人気沸騰の脳科学者が、最新の研究成果を元に“人生の愛で方”を特別講義します。「“脳を鍛える”ために本当に必要なこと」や、「ひらめきが訪れやすくなるようにするには、どうすればよいか」、「愛しき人の痛みを感じることはできるか?」などなど。世界の最前線で脳の根本原理を思考し続ける著者ならではの“合脳的な”人生術の数々が披露されています。あなたは、自分の脳と人生を愛せていますか?
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Posted by ブクログ
日ごろふっと感じる感覚を 脳科学の視点で 教えてくれる。 「そっか、脳ではそんなことが起こっていたのか!」って。 そして、 脳の機能をうまく使って 楽に生きる方法がわかります。
目と目が合うこと、すなわちアイコンタクトが、脳の活動に影響を与える最も重要な要素であることが分かった。女性がこちらを見ている写真に対してだけ、脳内において、好ましい事として認識するメカニズム「報酬」を表す部分が活動する事が明らかになった。 アイコンタクトすること自体が、他者との関係において報酬(うれ...続きを読むしいこと)になるという事は、人間のコミュニケーションを考える上で、大切なヒントを提供してくれる。 フェルメールの真珠の耳飾の少女 → 平穏と情熱の心地よい温度差。 内臓感覚の重要性 ダマシオは、内臓から多くの情報を得ている中脳をはじめとする情動系の働きが、「これはいけそうだ」「これは駄目そうだ」という人間の直感を支えていると主張するのだ。その意味で、理性と感情を対立的に捉えていたデカルトは間違っていたというのである。 不確実さを前にして、快感物質ドーパミンを放出している。 不確実さを前に、いたずらに萎縮することなく、それを楽しむ事が、よりよい生き方に繋がる。 社会が複雑化する現代では、一人の人間が複数の状況を引き受けなければならない傾向がますます強まっている。マイルドな形で多重人格を持つ事は、このような時代に適しているのかもしれない。 もっとも、その一方で、「私は私である」という自己同一性を保つ事もとうぜん、必要だ。状況に応じて少しずつ違う自分を出しつつ、しかも自分であり続ける事が、よりよく生きるための秘策である。 子供の中にあるチャレンジ精神が十分に発揮されるためには、一定の条件がある。 ボールビーは、第二次大戦後、恵まれない児童のための施設でボランティア活動をした。その中で、幼児の発達にとって、父母などの保護者が与える真理的な安全基地の存在が必要不可欠であることを見出した。子供は、保護者が見守っていてくれるという安心感が会って、初めてその探究心を十分に発揮できるのである 大人にとっても「安全基地を確保する」という命題と、「新しい可能性を探索する」という命題を両立させる事が必要。 イギリスでは、明示的なルールの代わりに何があったかといえば、担当者の『判断』である。人間の判断能力をルールと同じように信頼し、大切にする。 イギリスは非成文憲法の国である。「人間の判断はルールでは書けない」という事は、実は人工知能の研究者が長年の努力の結果、学んだ苦い結論である。ルールでしか動けないコンピュータが判断力で人間に追いつけない理由はここにある。 恋人の写真を見ているときには、批判的に相手を判断する際に使われる前頭前野をはじめとするいくつかの領域の活動が、低下している事が明らかになった。 愛は、他者への警戒心を解除する。愛は私たち人間がパートナーを見つけ、子孫を残すために重要な役割を果たしている。 夏目漱石の短編『趣味の遺伝』の中に、自分の子供が家庭にいる間は、かけがえの無い『若旦那』なのに、制服を着て学校に行くと、机を並べるほかの多くの子供たちと、さほど変わる点がなくなってしまうことを嘆く一節がある。世間の中の相対的な位置づけなど関係ない、自分の子供は、絶対的に愛しいと思う親心を見事に描いている。 私たちは、普段、人間は特別な存在だと思い込んで暮らしている。その思い込みのために、気がつかないことが、たくさんあるのではないか。生物学的に言えば、サル類、霊長類との進化的連続性は否定できない。人間も、結局は動物の一種として行動する。『ケータイをもったサル』として人間を観察したときに、初めて見えてくる生物学的事実があるのである。 新幹線で東京に戻ってきて、液の中を歩く人たちを見ると、やはりサルに見える。自分自身を含めて、服を着て、ケータイを持って話しながら二足歩行する奇妙なサルの一種に見えてくるのである。 テレビゲームに問題があるとすれば、それがあらかじめルールの決まった障害を『クリア』する事だけを競って、ルール自体を工夫するメタ認知のプロセスがかけている点かもしれない。 遊びのルールを工夫する必要があるのは、つまりは他者が存在するからである。テレビゲームも、対戦モードなどの他人がかかわる場面でルールを交渉する余地があれば、メタ認知のプロセスを活性化させられる。 時代は変わり、従順で真面目に働いているだけでは、一国の経済は成り立たなくなってしまった。新しいアイデアで起業した人が、巨万の富を得て、社会も活性化させる。そうでなければ、国が立ち行かない。日本も、ユニークな個性を持った人間が輩出するようでなければ、将来は暗い。 ネアカであろうがネクラであろうが関係ない。自分の個性を追求する『変人である事の自由』が認められなければ、創造性など発揮しようが無いのである。 人の目を気にしすぎては、新しい事など出来ない。日本でも、そろそろ『変人である事の自由』が流行しても良い頃である。 他人の心の状態を読み取る、前頭葉を中心とする『ミラーシステム』の働きにより、人から人へと感情は簡単に伝わっていく。他人が沈んだ気分でいると、なんとなくこちらまで憂鬱になってくるのは、そのためだ。 「世界を俺のものにした!』と思っても、『世界が誰のものでもかまわない』と浮世離れした思索を重ねてきた科学者たちの成果を使わなければ、欲望が実現しなくなった事は面白い歴史の展開だ。 生徒が質問して、先生が答えるというところに教師の醍醐味があると思う そこから新たに学ぶことはある。 学ぶ楽しみは、自ら積極的に取り組んで始めてわかるのである。ゆったりと楽しむ事が大切なのである。 現代における『ロマンティック』な生活は、実は科学の含有量99パーセントなのだ 新生児にとって、母親をはじめとする保護者との関係は人格形成において死活的に重要な役割を持つ。産まれたばかりの赤ん坊でも、母親が微笑めば微笑み返す。これを『新生児模倣』という。 「そもそも、いまや、日本語で何かを表現している事自体が鎖国のメンタリティなんだよね」 日本語の言論空間が閉じているという事である。 世界に開かれていてこそ、日本語の可能性も生きる。「この文章は、翻訳されて、世界中の人に読まれるかもしれない』と思うだけで、独善に陥らないですむのではないか。
読売ウィークリーで連載したコラムをベースにしたエッセイ集なので、気軽に読めるし専門的な内容でも平易な言葉でわかりやすい。 以下引用。 「新しいものを生み出すことは、何かを思い出そうとすることに似ている」 ひらめくためには、脳がある程度「退屈」しないとダメなようである。 車に乗って運転しているときに、...続きを読む車が自分の体の延長として感じられる、いわゆる「車両感覚」も、車という道具にボディ・イメージが拡張されるプロセスだと考えられる。 言葉とは、他人と自分の心を結ぶ「鏡」のシステムの産物なのである。 人間の脳は、自己完結しない。 さまざまなエピソード記憶が蓄積されてくると、それが次第に脳の中で編集されて、「意味記憶」が立ち上がってくる。蓄積されるエプソードが質量ともに充実すればするほど、そこから編集される意味も豊かなものになる。 他人の心の状態を読み取る、前頭葉を中心とする「ミラーシステム」のはたらきにより、人から人へと感情は簡単に伝わっていく。 創造性の促成栽培はできないのである。 などなど。折にふれる話題もバラエティに富み、読み物としても面白い。脳科学への入門としては、圧倒的に手頃。興味のある方、ぜひお薦めします。
これを読んで、小説を読んで素敵なことばに出会い、何かに気付いて感動したりした時のように心がうきうきした。自分の考えの幅が少しだけ広くなった気もし、心(脳)にまだまだ『知る』すきまを与えてくれる一冊。
各章2、3ページごとにテーマが変わっていき、その多くが自分のツボにハマった。『思考の補助線』よりかは全然読み易くて、飽きもこない。茂木さんの文体は何となく好きだ。
[ 内容 ] 脳と人生の結びつき―当然すぎるこの関係は、これまで不思議なほど論じられてこなかった。 真に“合脳的な”人生術の数々を、世界の最前線で思考し続ける脳科学者がやさしく講義する。 テレビでも人気沸騰!あの茂木先生が、人生の愛で方を特別授業。 「アタマがいい=記憶力が良い」は本当? “脳を鍛え...続きを読むる”ために本当に必要なこととは? ひらめきはどうすれば訪れやすくなる? 英語などをうまく学べるようになるコツって? 男女の脳に差はあるの? 脳と人生の結びつきを、世界の最前線で思考し続ける脳科学者がやさしく講義します。 [ 目次 ] 第1章 脳の可能性を誤解していませんか? 第2章 「豊かな感情」がつくり出すものを知ってますか? 第3章 能力ってどういうものなのでしょうか? 第4章 「世界の中の自分」を楽しんでますか? 第5章 創造性のインフラを整備しませんか? 第6章 精神を世界に開いてみませんか? [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
読売ウィークリー連載の科学コラム。最新の脳科学の成果が非常に平易に書かれていて面白い。脳研究は脳が脳を理解するというメタ構造になっている。メタ構造故のフィードバックの際限無さもまた「脳的」なのだろう。
すごく忙しくて、本を読めるのは出張中の飛行機の中くらいになりつつある。この本も、ものすごく示唆に富んだ本で、じっくりと読んでみたいのだけれども、読み飛ばす感じで読み終えた。それでも、かなり印象に残っている部分は多い。脳科学というのは、面白い学問である、というくらいしか書けないけれども、かなり面白い本...続きを読む。お勧め。
脳みそってほんま不思議やな〜!! この本で特に述べられていたのは ゆったり時間をすごすことの大切さ。 なにもしないことも、なんでも脳の刺激になるんやな〜。 やりたいことをやってみよう。
「脳」の視点でみた日常をエッセイ風アプローチで描かれている。 第六章『精神を世界に開いてみませんか?』がお気に入り。 茂木さんはやわらかでロマンチックな脳の持ち主なのだろうと思えた。
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