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Posted by ブクログ 2011年02月27日
地面にどっかりと腰をおろしている小説である。それは怠惰ということでなくて、地面に接する面積が多いという事、即ち生きている者の生活が誠実に描かれている。
言うなれば四角錐なんだけれども、そこに何らかの死が通過していく。
四角錐に落とされた雫のように、重力に逆らわず通過するのだ。
どれも良いのだけれど...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年07月01日
大好きな小沼丹。
途中まで読んで数年放置、最後までやっと読めた。
毎日寝る前に少しずつ読んで、不思議な気分になった。
突然奥さんが亡くなる大寺さんシリーズが含まれており、全体にほのかに死の匂いが漂う。
でも淡々と時間と生活を描いていて、ここにしかない境地なんだなと思う。
明るくはない、湿っぽくもな...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年02月26日
「黒と白の猫」からの四編は、いわゆる大寺さんもの。
妻の突然の死。しかし声高に悲しみが描かれることはない。
ー兎も角、死ぬにしてもちゃんと順序を踏んで死んで呉れりゃいいんだけれど、突然で、事務引継も何もありやしない。うちのなかのことが、さっぱり判らない。
ここだけ読むと、奥さんの死を悼んで...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年11月16日
文体と文章を味わい その先に何も求めない。
小沼丹氏の創作態度そのものを
とても心地よく感じた。
「黒いハンカチ」以来2冊目だが
氏の文体を味わうことの快適さは
漱石を読むときに似ているような気がする。
作者の世界が目前に広がる…その先に主張はない。
このような文学 空気感 時代感 私は大...続きを読む
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