懐中時計
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懐中時計

1,254円 (税込)
627円 (税込) 5月23日まで

3pt

大寺の家に、心得顔に1匹の黒と白の猫が出入りする。胸が悪く出歩かぬ妻、2人の娘、まずは平穏な生活。大寺と同じ学校のドイツ語教師、先輩の飲み友達、米村。病身の妻を抱え愚痴1つ言わぬ"偉い"将棋仲間。米村の妻が死に、大寺も妻を失う。日常に死が入り込む微妙な時間を描く「黒と白の猫」、更に精妙飄逸な語りで読売文学賞を受賞した「懐中時計」収録。

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懐中時計 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2020年05月01日

    なんとも言えずいいです。日常に死がやってきて、その中を日々静かに過ごしている大寺さん。ありそうでないです、こういう雰囲気をまとった小説は。

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    Posted by ブクログ 2011年02月27日

    地面にどっかりと腰をおろしている小説である。それは怠惰ということでなくて、地面に接する面積が多いという事、即ち生きている者の生活が誠実に描かれている。
    言うなれば四角錐なんだけれども、そこに何らかの死が通過していく。
    四角錐に落とされた雫のように、重力に逆らわず通過するのだ。

    どれも良いのだけれど...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2010年06月07日

    サスペンスぎりぎりのところで平凡な日常に踏みとどまっているようなバランス感覚。昔の新聞の四コマに出てくる暢気な父さんのような人物造形。何だか好みだ。

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    2008年12月16日購入

    淡々として味わいのある作品である。

    何ということはない事を書いて面白い。
    事件は起きるがその事件とのかかわり具合が
    あっけらかんとしてなんだか清々しい。

    日記を書くなら
    このように書いてみたいものだと思う。

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    Posted by ブクログ 2023年07月01日

    大好きな小沼丹。
    途中まで読んで数年放置、最後までやっと読めた。
    毎日寝る前に少しずつ読んで、不思議な気分になった。

    突然奥さんが亡くなる大寺さんシリーズが含まれており、全体にほのかに死の匂いが漂う。
    でも淡々と時間と生活を描いていて、ここにしかない境地なんだなと思う。
    明るくはない、湿っぽくもな...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年02月28日


    うぅん、洒脱。それとどこかアートの香り。
    庄野潤三の様な“静”の小説家には間違いないが、作中で登場する謎と、解明も無くプツンと終わる話の様式が心地良い。特に表題作、『黒と白の猫』辺りは格調高い名作。
    他作も確実に巧いんだろうなと、読者の信頼を引き出させる一冊だった。

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    Posted by ブクログ 2023年02月26日

     「黒と白の猫」からの四編は、いわゆる大寺さんもの。
     妻の突然の死。しかし声高に悲しみが描かれることはない。
      ー兎も角、死ぬにしてもちゃんと順序を踏んで死んで呉れりゃいいんだけれど、突然で、事務引継も何もありやしない。うちのなかのことが、さっぱり判らない。
     ここだけ読むと、奥さんの死を悼んで...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年12月23日

    昭和30~40年頃に書かれたものからか、文体が変わっていて、読み進むのが面白かった。
    主人公・大寺しんが妻を亡くしたころや、友人との語らいの様子を描いたものを含めた短編集。

    解説を読むと文体の不思議さは時代によるものでなく、小沼丹さんの個性によるものである様子。

    0

    Posted by ブクログ 2015年11月16日

    文体と文章を味わい その先に何も求めない。

    小沼丹氏の創作態度そのものを
    とても心地よく感じた。

    「黒いハンカチ」以来2冊目だが 
    氏の文体を味わうことの快適さは 
    漱石を読むときに似ているような気がする。

    作者の世界が目前に広がる…その先に主張はない。
    このような文学 空気感 時代感 私は大...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2010年02月23日

    小沼さんの分身的な大寺さんシリーズ。友人や動物や妻といった日常の話。ユーモラスだけど、切なくて、でも悲しいだけじゃないし、人生の楽しみも感じるけど、やっぱりどこか切なくなるような話。

    0

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