象られた力

象られた力

小説・文芸
858円 (税込)

4pt

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謎の消失を遂げた惑星〈百合洋〉。イコノグラファーのクドウ圓は、その言語体系に秘められた“見えない図形”の解明を依頼されるが……“かたち”と“ちから”の相克がもたらす災厄を描いた表題作、双子の天才ピアニストをめぐる生と死の二重奏の物語「デュオ」ほか、初期中篇の完全改稿版全四篇を収めた傑作集。

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象られた力 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    飛浩隆先生。SFなんだけど、簡単にそうくくってしまうのが勿体ないような中編集。

    「デュオ」主人公はピアノ調律師。チューニングハンマーを武器に闘う調律師なんているんだ…!それもジョークではなく、洗練された戦術とゆるぎない殺意をもって。音楽の描写も凄い。バイエル8番がこんなにも不穏で、読み手をざわつかせ昂らせることってある?
    個人的な「癖に刺さる」という意味でも稀少な一編。

    表題作「象られた力」。圧倒的。宇宙世界に生成された多層の文化と、その破壊。文章の美しさ、映像を惹起する力が凄まじい。多文化のひびきに酔い、人々と図像のふるまいに魅了され、そして善悪を超えた圧倒的な力に平伏すしかない。
    きわめて映像的でありながら、じゃあ実写?アニメ?CGでなんとかなる?なんて考え始めると、見たいような、でも何を見せられても追いつかない、物足りない気がしてしまう。

    主人公、クドウ圓(ヒトミ)がいい。牡鹿みたい、と恋人(も、悪くていい)に評される男。もつれた黒髪、食事の所作までどこか色気がある。彼に見惚れる(文字で書かれた情報なのに見惚れてしまう)そのためにだけでも読む価値はある、そんな愉しみもある小説です。

    0
    2025年12月11日

    Posted by ブクログ

    初めての飛浩隆作品、短中編4作全部面白い。
    SFを前提にミステリ、ホラー、ファンタジーなど様々なアプローチをしてるけどどれも違和感なくしっくり収まっている。
    また、情景描写の上手さはもちろんのこと五感の描き方がとてつもなく上手い。文を通して“体験”しているような感覚すらあってただただすごいなと感じた。

    個人的には「夜と泥の」の設定が好みでもうちょっと読みたかった。逆に表題の「象られた力」は最後が蛇足に感じてちょっと醒めてしまった。けどそれでも面白かった。

    0
    2019年11月22日

    Posted by ブクログ

    いや〜まいったまいった。収録されている短編4作品いずれもよくできているのだが、共通するのは文字がイメージを想起させること。文字で世界がめくれ上がって裏返しになったり人が卵のように割れる感覚を味わわせる筆致の凄みがある。文字で音楽的な素晴らしさを想像させたり目の前の圧倒的な光景を想像させるような表現の妙は、自分もこんなふうに書けたらいいなと思わせられる。

    0
    2019年11月20日

    Posted by ブクログ

    『知る人ぞ知る』とか、『伝説の』とかが頭につく作家。
    どういう経緯で知ったんだったか……思い出せないけど、シリーズものがドはまりで、それを執筆するまでの作品が読みたくて借りた。
    この収録作を最後に10年のブランクを経て、わたしが続きを熱望しているシリーズが発売された。
    やはり、すごい。
    文章で、これほど視覚的に訴えてくるSFははほかにない。

    0
    2019年02月07日

    Posted by ブクログ

    初めて読んだ飛先生作品。
    静かで不思議で美しいSF小説短編集。
    例えると、広く暗い宇宙の片隅でいつかあった誰かの人生の一部を物語として切り取ってきたという短編が連なっている。なぜ?という質問には決して答えない。そこが逆に素晴らしい。あるがままの状況を切り取ってきて、物語として仕上げた、いわばフォークソングのような物語たち。

    0
    2018年08月25日

    Posted by ブクログ

     三本の短編と一本の短めの中編からなる作品集。
     この手の本を読んでいつも思うのは「これがSFか?」ということ。
     別にSFに拘る必要もないし、読んで面白ければそれでいいのだけれど、例えば本書の冒頭の作品「デュオ」なんかは、SFのS……科学……というよりも、非科学的事象を題材にしている。
     江戸川乱歩や夢野久作が書いてもおかしくない内容なのに、SFなのか……。
     あるいはSFってもっと広義の意味合いが含まれているものなのか。
     まぁ……いいけど(と書きつつも、どうもいつもひっかかってしまう)。
     その「デュオ」なんかはブライアン・W.オールディス の「ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド」なんかを思い起こさせたりもした(あちらはロック・バンドだし、内容は全然違うんだけど)。
     SF云々でケチをつけたような書き方をしたけれど、実はものすごく面白く読み進めることができた。
     意表を突く題材に、きっちりとした伏線の張り方、その伏線の回収の仕方、読みやすい文章。
     読者である僕ととても相性の良い作家のようだ。

    0
    2018年01月04日

    Posted by ブクログ

    「デュオ」ミステリ要素たっぷり、音と匂いの描写が素晴らしい。ページを捲る手が止まらない。「呪界のほとり」コミカルなキャラとテンポの良い展開でページを捲る手が止まらない。続編希望。ジジイ最高!「夜と泥の」視覚的・聴覚的な描写が素晴らしい。全体を通しての緊張感にページを捲る手が止まらない。「象られた力」視覚的描写が美し過ぎてお腹いっぱいです!次のシーンが「見たくて」ページを捲る手が止まらない。アニメとかにならないだろうか。

    0
    2012年11月19日

    Posted by ブクログ

    理想の文体かもしれない。
    憧れは山尾悠子氏、それはこれからも変わらないが、自分が目指すとしたら。

    肉体は五感を支配しているだろうか。
    あるいは、五感が肉体を支配するのだろうか。

    文字を読むということが、ここまでの体験をさせてくれるのだ。
    そんな満足感をもたらしてくれた一冊。
    しばらくは余韻を引きずりそうだ。
    五感が、騒ぎすぎて。

    0
    2014年01月07日

    Posted by ブクログ

    文章が重たいが精緻で美しい。ストーリー駆動ではないが、設定がユニーク。ややファンタジーっぽさあり。余韻に浸れる文章。

    0
    2026年07月14日

    Posted by ブクログ

    端正な文章と五感を美しく言語化した作品集。SF的仕掛けの面白さはもちろんのこと、構成のリズム感や緩急が素晴らしかった。

    0
    2025年02月19日

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