時砂の王

時砂の王

小説・文芸
682円 (税込)

3pt

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〈時をめぐる大いなる戦いの果てに――著者が満を持して挑む、初の時間SF〉時間線を遡行して人類の完全なる殲滅を狙う謎の存在。絶望的な撤退戦の末、男は最終防衛ラインたる3世紀の倭国に辿りつくが……

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時砂の王 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    時間を遡りながらの長い戦いのはなし。映像的な文章ですごくよかった。戦士としての矜持や自負のためではなく、愛した女のために何万年も戦い続ける知性体。そして、その感情を受けとった人間が自らの力で立ちあがる瞬間に目頭が熱くなった。

    0
    2021年07月27日

    Posted by ブクログ

    #日本SF読者クラブ 人類はETが造りだした「バーサーカー」に敗れ去り、もはや滅亡は避けられない。人類は最後の望みを託し、人型人工知性体メッセンジャー達を戦略支援知性体「カッティ・サーク」とともに過去へと送りこむ。「人類滅亡」の未来を変えるというか、時間軸を分岐させるにために。ちょうど「ターミネーター」とは逆の設定となる。メッセンジャーの一人オーヴィルのハードで切ない物語にシビれる。しかしながら、最後は唐突ともいえるハッピーエンドを持ってこなくても良かったのではないか。どこかの分岐された時間軸で、ハッピーエンドの世界がきっとあるはずだから。何度も読んだお気に入りの作品。

    0
    2020年01月19日

    Posted by ブクログ

    この話をこの作者が書いて1冊に収まるのが驚き
    キャラノベル色が薄まればと思うのは好みの問題か
    SF的仕掛けは文句なしに見事

    0
    2019年01月12日

    Posted by ブクログ

    なかなか面白かった。時間を遡りながらET(ETの意味が変わっていくのも凝ってた)と戦い続けるという話だけでも十分面白いんだけど、知性体という要素がサイボーグとか強化人間に近い存在としてでてくるんだけど、この時間を超えて戦うための存在に恋をさせて、人間や愛情を知っていかせるのが良かった。何万年という時間や人類全体の存亡を扱う話なのに、その中に特定の誰かを愛するというものすごく人間的な感情を入れたのがかなり効いていたと思う。

    ただ読み終わってからタイムトラベルについて考え始めると、だんだんわけがわからなくなる。

    最初は過去に遡行して干渉するたびに時間枝が分かれていく、並行世界が生まれる、いわばドラゴンボール型で話が進む。ETを防げなければその時間枝を諦めてさらに過去へ遡る。ところが途中から、過去が変わることで遡行者自身の存在まで危うくなる「因果崩壊」が出てくる。これはむしろバック・トゥ・ザ・フューチャー型の、一本の時間線を変更できる考え方に近い。

    さらにラストでは、彌与たちがカッティなしで自分たちだけで戦うと決めたことで人類が生き延びる未来が生まれ、その2010年から時間軍が過去へ助けに来る。ここまで来ると「未来から助けに来ることまで含めて最初からその歴史だった」というインターステラーやターミネーター1型の因果ループに見える。

    この三つって同時に成立するんだろうか??

    時間枝が本当に分岐して残るなら、過去を変えても元の未来から来た人間が因果崩壊する理由がよくわからない。2010年から時間軍を送って過去に干渉したら、それもまた別の時間枝を作るだけじゃないのか。その一秒前に分岐した別の枝は誰が助けるのか。そもそも彌与たちが戦うと決めた瞬間に2010年につながる未来が成立したのなら、その2010年の時間軍は一体何を助けたんだ、という話にもなる。

    互換性のないタイムトラベル観を三つも組み合わせているように見えるので、設定として厳密に考えるとかなり怪しい。でも読んでいる最中には「時間枝」「因果崩壊」「未来から全時間軍集結」のそれぞれがSF的なギミックとして強いし、何より物語に力があるので面白く読み通せてしまう。

    読み終わってから「ところで、この三つのタイムトラベル観って同時に成立するのか?」と考え始めると矛盾に気がついてしまう。でもそれを読んでいる間は気にさせなかったのは物語の力が強いし、もし互換性のないタイムトラベル観を承知で全部ぶち込んでいるなら、それはそれでかなり野心的だと思う。

    0
    2026年10月05日

    Posted by ブクログ

    時間樹や時間枝というアイディアが面白いし、時間を遡行して機械群が各時代に進行するのを人型人工知性体が追跡する……などと書くと小難しいイメージが浮かぶかもしれないが、不思議とこれがスルスル入ってくる文章に化けているから面白い。
    人の世の儚さと虚しい運命、それでも、いやだからこそ生きる人々の姿が脳裏に焼き付く。SFではあるが「ひとり」の生きた人間が時代と歴史という足跡になる、そんな風に語りかけられた気がした。

    0
    2025年06月05日

    Posted by ブクログ

    邪馬台国の卑弥呼の時代に現れた謎の地球外生命体。それらと2300年後の未来から来た使者が共に戦う時間遡行SF。

    しかしながら、”邪馬台国の卑弥呼”というのは、どうも腑に落ちないですね。おそらく、『渡部昇一の少年日本史』に書かれている事が、真実かなと思うのですが…

    以下、『渡部昇一の少年日本史』P19抜粋-
    (前略)
     邪馬台の「台」は「と」と読めますから、「やまと」に「邪馬台」という漢字を当てて書いたのでしょう。しかも相手には野蛮国という先入観がありますから、「邪」という悪い漢字を使っているわけです。
     そこの支配者は卑弥呼という女王であるというのも、どこかで耳にしたことなのでしょう。日本人から見れば卑弥呼は「日の御子(みこ)」です。日本人は昔から天皇のことを日の御子と呼んでいたのです。だから卑弥呼とは天皇のことなのではないでしょうか。
    (中略)
     しかし「魏志倭人伝」の作者は野蛮人の国の日の御子だから「卑」という字を使って卑弥呼としたのでしょう。
    (後略)
    以上、抜粋終わり-

    結局、白髪三千丈の国の言う事なので、嘘偽りが混ざっているのは仕方ないところ(李白は好きなので、誤解なきよう)。ちなみに本作の著者は、作中で畿内説をベースに本作を書いています。前置きが長くなりましたが『時砂の王』のあらすじと感想。

    巨大で不気味な物の怪に襲われた邪馬台国の女王・卑弥呼は、”使いの王”を名乗る者によって救われました。彼は、地球壊滅から62年後の2598年、海王星の衛星トリトンで目覚めた、強健な身体を与えられた人型人工知性体。敵対する謎の増殖型戦闘機械群を追って絶望的な時間遡行戦を行う中、西暦248年の邪馬台国に降り立たったのでした。彼は卑弥呼と協力し、その時代の人々を巻き込んで人類存亡をかけた最終決戦が始まります。

    多分岐する時間枝を遡って戦い、時に第二次世界大戦、時に猿人の時代まで遡ったりと、タイムパラドックスもなんのその。ただ「地球人類の生存に奉仕する」という第一任務の遂行のために敵との戦闘に明け暮れます。そんな自分たちの行動が、後の時間枝にどのような影響がでるかを、当人たちでもわからなくなっているのがなんともメチャクチャで可笑しかった。あとは、時間遡行した先の大戦時の人類が、利権や愛憎などで協力し合えないという構図が、人類の特徴をよく現しており、卑弥呼の時代の人々が、ロクな武器もないのに団結して戦う姿がとても印象的で良かったです。そのあたりが、”使いの者”のセリフ(P255)に表れていて、感慨深いエンディングにも繋がっていたのだなと思いました。

    0
    2024年05月10日

    Posted by ブクログ

    久々につくりもので泣きそうになっちゃったよ 深夜テンションのしわざです 小川一水はコロロギ岳に続き2冊目、時間遡行ものの人という認識だけどやはり上手いな〜と思いました

    0
    2024年03月07日

    Posted by ブクログ

    タイムトラベル×卑弥呼という舞台設定だけでも好奇心をくすぐられるSF。更にこの舞台設定に時空を超える愛が練り込まれてる。時間軍の設定も構成も工夫されているし、邪馬台国の民衆と「物の怪」の戦闘もなかなか面白かった。もっと細かく書こうと思えばいくらでもできそうなところをスッと終わる潔さ。

    0
    2023年06月07日

    Posted by ブクログ

    アレクサンドルは凍結から目覚めたのか。釈然としない?知性対サンドロコットスのサブユニット
    因果効果、時間枝、ハイブリッド、カッティサーク 奪われた人類の
    釈然としない部分はあるけど数万年単位の大きな人類の戦い、壮大だった。時間遡及し歴史改変した時間枝がパラドックスで消えるのでなく「滅亡する」という選択肢が絶望的。

    0
    2023年07月04日

    Posted by ブクログ

    未来の人型人口知生体と卑弥呼、敵は古代神話に出てくるような物の怪。
    この取り合わせが、作者の発明。

    きわめて“ひと”に近い人口知生体が、二度と自分の過ごした時代には戻れない宿命を帯びて、人類の滅亡を救うべく、歴史をさかのぼる。
    時間SFとしては定石のストーリーであるが、滅亡させようとする勢力の理由と、滅亡してしまう理由が、現代の我々への警鐘であることにポイントがある。

    敵である「増殖型戦闘機械」群との戦闘がその時代ごとに違ってきて、ついに決戦となった邪馬台国の地の戦いの描写はとても迫力があった。

    短いページ数のなかで、壮大なスケールを感じることができた。

    0
    2022年11月19日

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