告別

告別

1,254円 (税込)

6pt

3.6

告別への予感はその時もう生まれていた筈だ。しかしそれはもっと以前に、もっともっと遠い昔に既に生まれていたのかもしれない――異国で識り合った女・マチルダとの深い愛を諦め妻と2人の娘のいる家庭へ戻った上條慎吾。娘・夏子の自殺、上條の死、二つの死は響き合い世界は暗く展かれてゆく。福永武彦の代表的中篇小説「告別」、「形見分け」を併録。

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告別 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年02月22日


    表題作含む中篇2本。
    『告別』は、告別式の話から始まり、少しずつ時系列を遡っていくトリッキーな構成で、死んだ友人が抱えていた孤独、愛についてを絡めて踏み込んでいく。作者のこういった先鋭的な物語手法は、今や巷に溢れながらも、非常に有効的で知性を感じる。個人的大傑作『死の島』の習作とも捉えれる本作、ボ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年07月22日

    敬愛する作家、福永武彦の作品を久しぶりに読んでみました。

    福永武彦は、どうしてこんなに愛について、端的に本質をついた、
    しかも美しい日本語が書けるのだろう。

    随分昔の作品なのに、その文体は私には今読んでもとても瑞々しく思われます。

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    Posted by ブクログ 2011年12月04日

    福永武彦はもうありえないくらい頭がいい。人間が生きることへの深い洞察、それを文章として組み立てる文学性、すべてを兼ね備えたわたしが最も愛する小説家。
    告別は模索のあとがうかがえる。今までとは少し違った表現方法を用いて、次々と時系列がとんでいき、文学として深く大きくまとまった主題性は感じないけれど、生...続きを読む

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2024年02月27日

    上条慎吾、というひとを追悼するために書いたのかな、と思うけれど、(モデルがいるのかどうかはわからないけど)そのわりには上条の魅力が伝わってこない。
    何かを創り出したくて、できなくて、教師や評論をやっている自分を恥じている。異国で知り合った女性に惹かれ、でも家庭を捨てることはできず、どちらも傷つける。...続きを読む

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2022年06月12日

    生と死を語るときにもっとも大事なのは、その語り手が何者であるかがはっきりとしていることなのではないかと思う。大切なことほど誰が言っているのかというのは重要視したい。
    「告別」においては生と死に関する思考の中心にいる上条慎吾の存在を掴みきれぬまま読み終えた気がする。だからか書かれている言葉と思想に惹か...続きを読む

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