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Posted by ブクログ
前半は、多重人格マリカと共にバリ島へ行く小説。おもしろい設定で、人格の1人である「オレンジ」との会話が印象深い。神秘的なバリ島で、マリカが少しずつ自分を取り戻していく一方で「オレンジ」などの多重人格が消えていく。最後は不思議ともの悲しさが残る。この余韻が良かった。
後半は、吉本ばななさんのバリ旅行記。あぁ、このように体験したことを小説に盛り込んでいるんだ、と小説の裏側を見ているようでおもしろい。特に、本当か作り話か、吉本ばななさんの「夢」の話が印象的だった。これは神秘的なバリ島が起こせる技なのか、それとも吉本ばななさんが何か霊感のようなものを持っているのだろうか、私も実際に訪れてみたくなった。
Posted by ブクログ
「マリカを守りたい。僕等はそのためだけにきたんだ。そのためだけにいるんだ。」
幼い頃から両親に虐待され、心を閉ざし多重人格という心を持ってしまったマリカ。
マリカの面倒をみているジュンコは、彼女の希望に添い、医者の反対を押し切って、マリカをバリ旅行に連れていくことに決めた。
マリカの人格の1つである少年オレンジ。
ジュンコはオレンジと会話するうち、彼の存在の確かさや、彼の想いに触れていく。
『そう、あなたを故郷の国につれていってあげる。
あなたが望む世界じゅうのどんな国にでもつれていってあげる。
髪にきらきら光る髪飾りをつけてあげる。
大きなお城をたてて、死ぬまで一緒に住もう。
ぜったいに、ぜったいに、おたがいいをみすてないでいよう』
多重人格という難しい問題を描きながらも、決して重くなりすぎず、爽やかで、怖いほどに綺麗で、時に恐ろしいくらいのバリの風景と溶け込みながら、最高の作品に描き上げた吉本ばななの最高傑作。
バリの匂いと
虐待の悲しみと
自分の中の人格とのかなしいほど純粋な恋。
すべてが夢のようで、消えていってしまうけれどそれでもそこに残る、明日への可能性と思い出が、読んだあともわたしを前向きな気持ちにさせてくれた。
いままでのばなな作品の中で一番好きかも。
後半は、バリ取材旅行のエッセイ。
写真つきで、綺麗で、とてもバリにいきたくなった!
Posted by ブクログ
新幹線でほぼ4時間分
第一部は、多重人格を治療中の少女マリカと彼女に残された最後の人格の少年オレンジ、そして彼女(彼)を10年来支えてきた元医者ジュンコでバリを訪れる話。第二部は、第一部を綴る上で作者が仲間たちと訪れたバリの思い出が日記になっている。
バリの明るく澄んだ風景とマリカあるいはオレンジの暗い過去や鬱屈とした心とのコントラストに引き込まれる。バリでの旅を通して、だんだんと心が解れていきジュンコとマリカの関係性が医者一患者ではなく人間一人間になっていく。
その過程で自ら離れていく第二人格オレンジもまた魅力的な登場人物だ。マリカを外界の恐怖から守る姿はまさに王子様そのものだった。オレンジがマリカの第二人格として過ごす最後の夜、エメラルド色のプールで泳ぐシーンは何度も読みたくなるほど美しかった。
追記)改定後は「私」が精神科医ではなく、主婦になっているようです。
第二部では、第一部で描かれた場所やものを作者たち目線で楽しめる。風景の描写が美しく、実際にバリに行っているような気分になれる。バリの濃い森の空気、神秘に富んだ風土を私もいつか体感したいと思った。
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