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あやしい都市伝説がささやかれる大学病院で、ケータイ片手に次々と、若者たちが逝く――。とぼけた「死に方」が追究されまくる、傑作不条理劇。第52回岸田國士戯曲賞受賞作品。
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Posted by ブクログ
『もっと真剣に考えてよ』 『俺だって真剣に考えてるよ』 『二人でそんなお祭りみたいなもの飲んで、全然真剣じゃないじゃない、もっと真剣に考えてよ』 『でも後で保障とかしてもらうとき、お金もらえないかもよ』 『どうせ、もらえないよ、何人も死んだでしょ、あっちの遺族に払わないといけないもん、俺らみたいに...続きを読むそばにいただけで気持ち悪くなっただけじゃ、お金もらえないよ』 『なんで? 踊りたいの?』 『踊りたくないよ ー 踊りたくないけど、踊らないといけない時だってあるじゃん』 『知らないけど、カツフミ君のこと愛してるから』 『知らないのにどうしてそんなこと言えるのよ』 『知らないから愛せるんでしょ』 『知らない、踊ってたら死んだ』 『踊り? なんで踊るの?』 『え?、え?、踊らないといけないときがあるから?』 『うん、あ、俺そろそろちょっと死にそうなんで、すいません、ほんと見守ってもらって良いですか』 『いやだから急いでるから』 『すぐ、すぐ』 『ほんとにすぐ?』 『はい』 『、でも、ホント急いでね、俺ホント急いでるから』 『いや、あの、だから妹がさ、この近くにいるはずなんだよ、だから会いたくて』 『会ってどうするんですか』 『どうするって、どうもこうもないけど、だって会いたいじゃん』 『つうかまだ? あの、あれだったらちょっと悪いんだけど、そろそろ』 『待って待って待って待ってください、す、すぐですから』 『あのー、ちょっと、これあのーなんだろ? いいことかもしれないんだけど ー なんか回復してない?』 『いやいやいや、全然、虫の息ですから』 『みんな死んでるんだよ ー 俺たちも死ぬかも知れないんだよ』 『だって、そんなの当たり前でしょ、みんな死ぬのなんて』 『そうだけど、何にもしてないのに』 『何かしても、何にもしなくても、死ぬんじゃないの?』 『もうすぐ警察とか、自衛隊とかが助けに来るだろ』 『なんで、今来ないの』 『え? なんか、まだ準備してんじゃない?』 『なんの?』 『、え、でも、最悪アメリカ人が助けに来てくれるから』 『アメリカ人もみんな死んだんだよ』 『アメリカ人何人いると思ってんだよ』 『知らないけど、みんな死ぬんだよ』 『ありがとう、世界』 『あ、それ、僕も言おうと思ってたのに、なんだよ』 『あ、残念』 『あ、じゃあ、すいません、自分、逝かせてもらっていいすか?』 『、う、うう、ありが、サンキュウ、世界、』 『みんなが死ぬんなら寂しくない気がする』 『、あ、そう?』 『だって、私が死んだら、世界がなくなっちゃうのと一緒でしょ、だから、世界が死んで私が生き残っても、一緒でしょ』
すごく好きな世界観だった。すごくあっさりとばったばった登場人物が死んでく。死に方も人それぞれ、死に際の表情も人それぞれ。映画も見てみたいと思った。染谷将太のケイスケを見たい。
まさに「生きてるものはいないのか!」と叫びたくなるような作品。 しかしそれは二重の意味をもっている。ううむ。 何かが起こっているのだけれど、その正体がわからない、 もしかすると何も意味はないのかもしれない、 そんな“無気力”なかんじが面白い。 舞台で観てみたかったなー
あれ?あれ? ある程度距離を置く他人同士 寂しい気がするのは わたしだけでしょうか もういなくなるのだから その時のお願いくらい 聞いてやってはいかがでしょう
ナンセンス! ドラマがドラマになる途中で死んでしまった。なんと馬鹿にしてるんだろう。二番煎じの効かない面白さ。
第五十二回岸田國士戯曲賞受賞作。登場人物18人がただただ死んでいきます。明確な原因も理由もないままパタパタと。(一応大学病院にまつわる都市伝説が語られますが、それが何⁉って感じです。) 悲壮感も悲劇性もなく、日常の延長線上に死を不条理かつ滑稽に配置しています。
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生きてるものはいないのか
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前田司郎
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