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Posted by ブクログ
マルクス思想の超入門書。
往復書簡形式でマルクスの著書が噛み砕いて解説されており、知識の無い私もマルクス思想のエッセンスを理解出来た。
マルクス思想は共産主義の一言で理解され、破綻した過去の理論と受け取られている事が多いと感じる。しかし、マルクスのテキストは政治的・経済的正しさの範疇のみで読み解かれるものではなく、読者の知性を鍛えるものとして今尚有効であるという内田先生の話に深く共感した。
印象に残ったマルクス思想に「類的存在」が挙げられる。人間は、利己主義者としての市民と、法に従って公民として分裂した個人を統合し、自身と他者の幸福を共に気遣う存在であるべきとする人間観は大変魅力的である。早速「ユダヤ人問題について」を購入し、マルクスの扉を叩きたいと思う。
Posted by ブクログ
誰の思想でも年月の経過による変遷があるのは当然で、それはわかってはいる。しかし、門外漢がマルクスの思想を理解しようとすると、どうしても様々な時代に展開された考え方をひっくるめて「これがマルクスの思想です」と言えるようなものを求めてしまい、結局よくわからなくなってしまう。その点、この本はマルクスの著作を年代順にとっつきやすく紹介していてくれるので、ありがたい。石川の強烈なマルクス愛にややひきそうになるが、そこに挟まれる内田の文章がよい箸休めとなって、最後までおもしろく読める。ちなみに、高校生が読めるような本にした、とのことだが、普通の高校生には無理な気がする。
Posted by ブクログ
最近(2014年の暮れ)本屋で「マルクス」や「資本論」という言葉がタイトルにつく本が増えている。
世界中の人が資本主義に対してうっすらと違和感を持ち始めているからだろうか。トマ・ピケティの「21世紀の資本論」が世界的に売れているらしいが、これも経済格差について論じている。
社会主義とか共産主義というのは歴史上、成功している例がないためにネガティブな印象を持ちがちだが、対義語である資本主義が必ずしも正義かというとそれは盲目的すぎる。
内田樹さんと石川康宏さんの往復書簡という形で交互に書かれている。
正直言って石川さんのほうはちょっと固くて難しい。(正確な説明なのだろうと思うが)
一方内田さんのほうは軽くて読みやすい。(薄っぺらいのかも知れないが)
青年期マルクスの代表作を取り上げている本作。若いエネルギーと、世界を変えなければいけないという使命感をひしひしと感じる。
取り上げられている著作
『共産党宣言』
『ユダヤ人問題によせて』
『ヘーゲル法哲学批判序説』
『経済学・哲学草稿』
『ドイツ・イデオロギー』
自分もマルクスについて誰かと語らえるくらいになりたい・・・と思いました。というのが現時点での感想。
続編も文庫化された時にもう一度読み返してみようと思う。
—
memo:
44
「共産主義者は、これまでの一切の社会秩序を強力的に顚覆することによってのみ自己の目的が達成されることを公然と宣言する。(中略)万国のプロレタリア団結せよ!」※『共産党宣言』より
79
反ユダヤ的な感情はヨーロッパ世界においてはごく自然なものでした。それは、キリスト教がユダヤ教から「分派」した宗教として登場してきたから当然のことです。(中略)彼らがもともと足していた「母体」が腐りきっていて、使い物にならないものであることを主張しなければなりません。
179
つまり共産主義は、理想の国(ユートピア)の手前勝手な設計図から生まれるものではなく、資本主義がもつ問題をひとつひとつ解決していったその先に、結果として形をさだめるものとなる
202
「哲学者たちは、世界をさまざまに解釈しただけである。肝要なのは、世界を変えることである。」
211
「かれらがなんであるかは、かれらの生産と、すなわちかれらがなにを生産し、またいかに生産するかということと一致する」※『新訳 ドイツ・イデオロギー』より
『ドイツ・イデオロギー』史的唯物論を「ひとこと」で言えば、これに尽くされる。
Posted by ブクログ
へえ〜、マルクスを誤解(=誤理解)していたなぁ、と思うことと、何かを分析し理解しようとすることそのものの意味を誤解(=理解不足)していたなぁ、というのが感想。
一番驚いたのは、共産主義社会という理想像があり、そこを目指すのが革命ではない、という指摘。
確かに、マルクスは「空想的社会主義」とは異なる「科学的社会主義」と言っていたんだった。
「つまり共産主義は、理想の国(ユートピア)の手前勝手な設計図から生まれるものではなく、資本主義がもつ問題をひとつひとつ解決していったその先に、結果として形をさだめるものとなる」(p.179)
著者の一人が内田樹氏なので、正統なマルクス研究者は眉をひそめるかもしれないけど、以下のくだりは一顧に値すると思う。
(引用者注:共著者の石川氏と必ずしも同じ意見ではない、と述べて)「ぼくはここまで書いてきてわかったんですけれど、ぼくたちは若い人に『政治について礼儀正しく語る』という、今の日本ではたぶん誰も推奨していないことのたいせつさを知ってほしいと思って書いているんじゃないですかね。対話におけるディセンシー(礼儀正しさ)はしばしばそこで交わされている意見の当否や命題の真偽よりも重要である、と。」(p.142)
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