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Posted by ブクログ
1980年を舞台にした作品のため、登場人物の言葉や作中における表現内容に古さを感じるところがあるが、これも今までの宮本作品と同様に良い味を出している。
主人公を含めた同居人4人全員がどうしようもなくお人好しで、自分よりも他人を優先する性格の持ち主であるがゆえに、自分自身との葛藤、同居人との衝突を繰り返す。しかし、これらの出来事を通して、若かった4人が一回りも二回りも大人として成長する姿は『青が散る』に通じるところがある。
お人好しすぎるのもどうかなと思うが、そういう人間なのだと諦念にも似た感情でもって作品を読んでいた。主人公らに同情したり、共感したりする場面はほとんどなかったと感じる。
最後に、主人公の与志によるこの作品を象徴する台詞があるので、これを引用する。
「俺たち、病気なんだよ。その人のためになるなら、何でも許してしまうっていう病気なんだよ。愛子だって、おんなじ病気さ。人間にとって何が幸福なのかは、長い目で見なきゃわからないよ。俺は、愛子が自分の夢を叶えるために、何か役に立ちたいんだ。」
Posted by ブクログ
父の本棚に置いてあったので手に取りました。
読後一年ほど時間が経ってからの感想ですが、未だにこの作品の印象が強く頭の中に残っています。
好き嫌いの否応無く記憶に残ってしまう作品だと感じました。
正直、話の繋がり方と登場人物の人間性が気にくわない部分があります。(物語の起承転結、スピード感、文章の構成はとてもスッキリしていて読みやすいです。)
しかし、それを押しのけてでも読ませて、記憶に残す力のある作品だと感じました。
人と人の間で愛がどのように生まれ作用するか。
また、そもそも愛とはどういったものなのか、という事について考えさせられました。
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