母性社会日本の病理

母性社会日本の病理

ビジネス・実用
968円 (税込)

4pt

必ずプラス・アルファがある河合隼雄の本! 「大人の精神」に成熟できない日本人の精神病理がくっきり映しだされる!! 心理療法をしていて、最近心理的な少年、心理的な老人がふえてきた、と著者はいう。本書は、対人恐怖症や登校拒否症がなぜ急増しているのか、中年クライシスに直面したときどうすればいいのか等、日本人に起こりがちな心の問題を説きながら、これからの日本人の生き方を探る格好の1冊。

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  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    学術・語学 / 医学
  • 出版社
    :
    講談社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    講談社+α文庫
  • タイトル
    :
    母性社会日本の病理
  • タイトルID
    :
    221366
  • ページ数
    :
    361ページ
  • 電子版発売日
    :
    2013年09月27日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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母性社会日本の病理 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    全ての子どもを愛する絶対平等観の母性原理。
    切り離す、序列をつける父性原理。

    母性原理的な社会の代表例はインド。階級が始めから「与えられたもの」として存在する社会。たとえ、下層のカーストにある人でも「与えられた」ところに一生留まるものとして、競争に破れたという惨めさを味わうことはない。これに対して、父性原理に基づくのは欧米社会。上昇は許すが、能力差、個人差を前提としており、各人は自分の能力の程度を知り、自らの責任においてその地位を獲得していかなければならない厳しい社会。

    では日本社会は...?
    読めば、なるほどと膝を打つはずです。

    0
    2020年12月29日

    Posted by ブクログ

    「第一章 日本人の精神病理」が分かりやすく勉強になりました。

    第二章以降の「ユングと出会う」、「日本人の深層心理」、「物語は何を語りかけるのか」は、いずれも深層心理を扱ったもので面白いし言っていることはわかるのですが、私にとっては書いてあることをそのまま受け取るしかなくという状況でした。河合隼雄をさらに何冊か読んでいけば「そういうことだったのか」と得心していくような気がしています。

    ★★★

    それで、私にも分かった(ような気がした)第一章にどんなことが書かれているかというと、

     母性の原理は「包含する」機能によって示される。そこにはすべてのものを良きにつけ悪しきにつけ包み込んでしまい、そこではすべてのものが絶対的な平等性をもつ。「わが子であるかぎり」すべて平等に可愛いのであり、それは子どもの個性や能力とは関係のないことである。
     しかしながら、母親は子どもが勝手に母の膝下を離れることを許さない。それは子どもの危険を守るためでもあるし、母-子一体という根本原理の破壊を許さぬためといってもよい。このようなとき、時に動物の母親が実際にすることがあるが、母は子どもを呑みこんでしまうのである。
     かくて、母性原理はその工程的な面においては、生み育てるものであり、否定的には、呑みこみ、しがみつきして、死に至らしめる面をもっている。

    です。そしてタイトルどおり日本の病理はこの母性で全て説明が付くというわけです。
    例えば日本には「場」というものがあるのですが、

     わが国においては、場に属するか否かがすべてについて決定的な要因となるのである。場の中に「いれてもらっている」かぎり、善悪の判断を越えてまで救済の手が差しのべられるが、場の外にいるものは「赤の他人」であり、それに対しては何をしても構わないのである。

    というドキッとすることにつながるというのです。
    場については、もう一つ面白いことが書かれています。それは、

     このためまことに奇妙なことであるが、日本では全員が被害者意識に苦しむことになる。下位のものは上位のものの権力による被害を嘆き、上位のものは、下位の若者たちの自己中心性を嘆き、ともに被害者意識を強くするが、実のところでは、日本ではすべてのものが場の力の被害者なのである。
     この非個性的な場が加害者であることに気がつかず、お互いが誰かを加害者に見たてようと押しつけあいを演じているのが現代であるといえよう。

    そして続けて、

     場の構造を権力構造としてとらえた人は、それに反逆するために、その集団を抜けだして新しい集団をつくる。彼らの主観に従えば、それは反権力、あるいは自由を求める集団である。ところが既述のような認識に立っていないため、彼らの集団もまた日本的な場をつくることになる。そして、既存の集団に対抗する必要上、その集団の凝集性を高めねばならなくなるので、その「場」の圧力は既存の集団より協力にならざるを得ない。

    母性原理を理解すると色々なことが腑に落ちますね。

    ★★★

    日本の母性に対して西洋は父性というわけですが、父性とはどういうことでしょうか。筆者はこんなふうに書いています。

     母なるものの力は「包含する」力であり、すべてのものを良きにつけ悪しきにつけ包みこむ。これに対して、父なるものは「切る」力をもっている。これは、ものごとを上と下に、善と悪に、物質と精神に、などと分けて考える。

     ……略

     キリスト教は父性の宗教である。仏教や道教などが母性の宗教であるのに対して、キリスト教やユダヤ教は父性の宗教であるといわれる。

     ……略

     これに対して父なるものの宗教は、父なる神の規範に従うか従わないかが決定的なこととなる。父との契約を守る選民のみが救済の対象となるのである。そこでは、神と人、善と悪などが判然と区別される。

    日本的なものの見方と、西洋的なものの見方の違いについて理解が深まったように思いました。

    そして、このような自我の違いについて理解しておかないと国際社会では、攻撃に対して憤りを感じたり、逆に無視されたように誤解したりするのでしょう。 これから国際社会で活躍する人は読んでおいた方が良いと思います。

    0
    2012年05月01日

    Posted by ブクログ

    母性原理と父性原理の違い。
    能力主義と平等主義。
    日本人の自我構造。
    夜の意識とイメージ、、等々興味深かった。

    個人的には、相手の母性原理から来ることで、
    あたしを責めているようなことがあっても、
    気にしなくていいってことがわかった。

    0
    2010年09月01日

    Posted by ブクログ

    初めての河合隼雄です。予想以上によかったよ。納得の連続。特に、日本の社会が母性社会で、それが個人としての自我の確立をそがいしている、という教育にも関連する考察には、ふかーくなっとく。でも、後半はユング入門書って感じで、私はあんまり興味もてませんでした。

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    日本人にとっての自我の確立には、西洋的合理性だけでは事足りないことの認識。強いグレートマザー、場を重んじる、そういう傾向に自覚的であること。

    0
    2022年08月30日

    Posted by ブクログ

    河合隼雄著作集Ⅱ期5巻 臨床教育学入門 の序説「臨床心理学と教育」の中で、河合さんは当時のことを以下のように述べています。

    日本の現代社会を父性原理、母性原理という観点でみると、日本は一応先進国のなかに入ってはいるが、他の国が父性原理優位であるのに対して、日本のみが母性原理優位であるという特徴をもっていることに気づく。このことは、わが国の現状に良きにつけ悪しきにつけ、いろいろな形であらわれてきている。このようなことを日本の社会に発言することも、われわれ臨床家の務めではないか、と思ったので、いわゆる社会学的な調査とか制度の比較などではなく、個人の例を基にして、日本の社会や文化に関する考察を発表することを敢えて行うことにした。
    最初に行なったのが「母性社会日本の「永遠の少年」たち」(『中央公論』1975年4月)であり、続いて同誌の10月号に「能力主義と平等主義」を発表した。両者ともに相当に反響があり、父性原理と母性原理という観点か ら文化・社会のことを考えてみようとする人がその後も生じてきた。

    とあります。
    1975年の4月刊の『中央公論』の河合さんの論考によって「母性原理」という言葉が一般の人にも広まったということですね。

    両論とも、この「母性社会日本の病理」に載っていたので、気持ちを新たに再読しました。2026.08.06

    0
    2022年07月26日

    Posted by ブクログ

    1970年代に書かれた本らしく、文体が硬め。参考文献が多数引用された論文だった。
    日本が西洋に比べ、父性原理が弱くイニシエーションを経て大人にならない、といった論説は現代に対してもとても説得力があった。それに対して、だから日本はけしからんとか、日本は素晴らしいんだ、みたいな、両極端に振れることなく、西洋は西洋で母性原理が弱い問題もある、日本も西洋も第三の道を探る必要があると繋げていたのが良かった。

    0
    2022年05月05日

    Posted by ブクログ

    父性社会の物事を「切断する」ことと違い、母性社会は全てを「包含する」。西洋は父性社会であり、日本は母性社会である。それで日本の社会現象を説明できる。もちろんどの社会にも父性と母性の両方は存在するが、どちらが優位を持った社会であるかで違いがでる。「個」の倫理と「場」の倫理。「場」から疎外される孤独か。なるほどな〜と思える。またフロイトと違ったユングの夢分析の話も、興味深い。

    0
    2018年10月20日

    Posted by ブクログ

    単行本化された、雑誌等に寄稿した作品の集まり。

    ユング心理学研究所や、日本が母性社会として父性がなくなっていることなどを述べている。日本や人間関係を読み解くにはよいかもしれない。

    いわゆる日本人論ブームの1つに数えられる本である。

    0
    2011年08月13日

    Posted by ブクログ

    現代の日本人をユング心理学という角度から見るとどう見えるのか、という感じの本と言えばいいのでしょうか。
     読んでみてもらうのが、一番早いような…(説明になってませんが)

    0
    2009年10月04日

母性社会日本の病理 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    学術・語学 / 医学
  • 出版社
    :
    講談社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    講談社+α文庫
  • タイトル
    :
    母性社会日本の病理
  • タイトルID
    :
    221366
  • ページ数
    :
    361ページ
  • 電子版発売日
    :
    2013年09月27日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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