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道ばたで偶然年上の美しいエマと知り合った十八歳の私。贅沢で気難しく奔放で孤高、その上匂い立つばかりのエロティシズム。エマの魔力にとりつかれた私がそのボーイフレンドを次々寝取ったことは、むしろ自然な成り行きであった――無名の詩人・晋平が出現するまでは。人が人を好きになる罪悪と悦び。愛し合えば合うほど陥る孤独という裂け目。誰も描き得なかった愛と哀しみに踏みこみ、小池ロマンの分岐点となった恋愛小説の金字塔。
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Posted by ブクログ
人間のどうしようもない汚さが描かれてて好き。 ありとあらゆる男を自分の懐に収める性的魅力だけでなく、全てにおいて秀でている「エマ」に憧れる「わたし」。 しかしいつしかその憧れは嫉妬に変わる。 そんなときに現れた「晋平」という男。 恋に対して淡白だった「エマ」を本気にした初めての男。 そんな晋平に対し...続きを読むて「わたし」は自分自身を試してみたくなる。 『晋平を振り向かせられたら、エマに勝てる』という打算。 そして「晋平」を手に入れた「わたし」。 つかの間の優越感の中でうまれた空虚感。 「晋平」を手に入れたと同時に失った「エマ」という存在。 天秤にかけられない。自分にとってかえがえのない人。 結局、わたしは精神的にも物理的にも、晋平から距離を置くことを決意する。 それは自分の中の大きな比重を占める「エマ」を忘れるためでもあった。 結局、今は他の人と平穏に暮らしている。 大事なものって所詮はイマージュでしかないのかも。
相変わらず「日常に潜む官能」の描き方は巧いですよね、小池さんは。 エマという女性、顔をはっきり想像する事は出来ないのに、唇や物腰なんかはリアルすぎるくらいに想像がついてしまう。とても魅力的に書けています。 但し、小池さん愛な私ですが、彼女の長編についてはシビアにならざるを得ません。 上に書いたよう...続きを読むに、彼女の「描写力」には素晴らしい物があります。 ところが、人物の設定ときたら毎回どの長編でも同じとしか言えません。 ・女2人、男1人の三角関係 ・女?の女?への異常なまでの陶酔、羨望 ・女?のただならぬセックスアピール(官能的すぎるまでに官能的) ・女?への憧れのあまりか、女?の生涯ただ一人愛した男を寝取ってしまう女? これらの点が私の読んだ中でも「恋」「欲望」「薔薇いろのメランコリヤ」に共通しています。 (私が読んだ長編でこうでなかったのは「ノスタルジア」くらい…) そして更に悪い事は、これらの点の多くが、彼女の出世作「妻の女友達」の流れを汲んでいると思われる事です。 その設定自身が嫌いだとか言っている訳ではないのですが、余りに同じ設定が続くと、やはりこちらとしても食傷気味になってしまいます。 あ、勘違いしないで下さいね、私は彼女の作品を愛しています。本当に好きです。 「倒錯の庭」「ひぐらし荘の女主人」に至っては至高の本だとさえ思っています。 だからこそ、厳しい目で見てしまうのかもしれません。 (というか私、そのものが好きとか嫌いとかに拘わらず、批評体質なんですよね…)
小池作品の文章って本当に美人だなぁと思います。すっと背筋の伸びた美人な文章。でも美人な女の人って綺麗だけどそのせいで近寄りがたくもある。この作品は特にそれが顕著な感じがします。 初めて読んだときは大学生だったけど、エマの「あなたとは、たくさんの男、共有してたわね」って言う言葉が大人っぽくて素敵で、エ...続きを読むマにそう言わせた野乃ってすごいなと思いました。大人なエマにそんな風に言われる野乃に憧れました。それは今でも変わらないです。 ただ、野乃の歳を超えたら今度は野乃の幼さが目立つような気がしてならなくなりました。 大人のエマと野乃ではなく、エマと子供の野乃という感じです。 作品を通じてエマの魅力を語り続けた野乃だけど、これはエマに魅せられ憧れた野乃の青春小説なのかもしれないと思いました。ラストはどことなく甘酸っぱく、そしてほろ苦い不思議な気分でした。
大学生のころ読んだ・・・とゆうか途中で挫折(笑) そろそろアラサーなので、理解できるかな・・また読み返してみたいと思う。(2011.2.19) からの、久しぶりに本を開いた。 30になって読み返してみると、とっても読みやすかった。 なんでだろう。私も落ち着いちゃったのかな。
お金持ちの(有能できれいな)詩人の女の人・エマのところに、若い女の子が居候してる。 エマに突き放されるシーンが好き
2000年から2001年 マリクレール連載。 小池真理子の魔法で、雑誌にちちんぷいぷいとするとできあがる物語。 型紙ができていて、そこに雑誌の粉を流し込むだけ。 いろいろな思い,思惑はあるのだろう。 ヨーロッパへの脱出。 結婚。 再開。 最後の急展開と、再開という小間割りは小池真理子風。 この...続きを読む技習得したい。
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