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ウチダ先生が今回俎上に載せるのは、ズバリ「アメリカ」。私たちが「アメリカの圧倒的な力」と思いなしているものの一部は、明らかに私たちがつくり出した仮象である――。本作のベースとなっているのは大学院の演習での講義と、聴講生たちとの対話。ファストフード、アメリカン・コミックなど身近な題材から始めつつ、いつしか本質に迫るウチダ節が炸裂! アメリカを論ずることで、「日本らしさとは何か?」が見えてきます。
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Posted by ブクログ
内田樹による、アメリカ論。ただし、誰一人アメリカ問題の専門家がいない講義の中で生まれた本。 それでアメリカ論が成り立つのか、と言えば、実に様々な角度からアメリカの持つ病巣を暴き出してくれる。 アメリカ特有のジンクスである、戦争をやって負かした国がその後同盟国になるという成功例。 その文脈でベトナム...続きを読む戦争やイラク戦争を見れば、私たち日本人の目線から見た「戦争」とは、全く違うものに見えてくる。 あるいは、ヨーロッパから引き継いだ子ども嫌いの文化。 マルクスが産業革命後のロンドンで見たように、子どもは搾取の対象だった。 アメリカには、自己実現を妨げる者は排除べし、という共通理解がある。 子どもが親にとって、自己実現の妨げになったとしたら? そのような文脈を今まで読んだことがなかった。 訴訟大国アメリカ。 身に起こる様々のトラブルについて、事前に回避する能力を育てるのではなく、他者を責めることで問題を解決しようとする。 そういう人は、自分の失敗から学習するということがないし、社会人として成熟するよりむしろ常識がなく、不用意な「幼児」である方が多くの利益を得られる社会(マクドナルドのコーヒーで火傷した裁判や、「ライト」なタバコで肺がんになった、騙された、と訴えた裁判など)。 自己責任大国アメリカでなぜこういう場面だけ自己責任が問われないのか、本当に不思議。 ともあれ、単純に「アメリカでは弁護士が多いから日本でも弁護士を増やそう」などという単純な論説に対して、内田さんはいや、そもそも…という話をする。 この本の元になった話は2003年だそうだ。もう20年も経つアメリカ論がいまだに有効であることは、内田さんの文章が些末な事柄にこだわるものでなく、「アメリカという国がいくら変わっても変わらない点」を200年前に生きたトクヴィルに向けて書いたものだからである。 このような射程の長い文章は、物事の本質をきちんと捉え、誰にでも分かる論の組み方でないと書けない。 こんなものの考え方ができ、こんな文章を書いてみたい…
こんなアメリカ論を、大学の授業で聞いてみたかった。様々な視点から、アメリカがなぜこのような国になったのかを論じていて面白い。 「日本人は従者の呪いにかけられており、アメリカ人に対して倫理的になることができない。」という病識を持つことが、未熟から成熟へ移行していく上で欠かせないことを気づかせてくれる。...続きを読む さすが、内田樹先生である。
「アメリカの映画やドラマに出てくる子どもは(性格が)かわいくない」とか「アメリカは身体加工への抵抗がきわめて希薄な国である」とか、読みながら、なんか分かる~と実感することばかり。 アメリカは、イギリスからピュアなものだけを持ってきてポンと出来上がった新しい国なんだ、ということを改めて認識。イギリスで...続きを読む歴史を積み上げて作り上げたものをポンと持ってきてできた理想の国・アメリカがだんだんいびつに歪んでゆく様が、出来上がった原子力の技術をポンと持ってきて破綻しかかっている日本の原子力発電に妙に重なっている気がする…。コワイコワイ。新しいことも大切だと思うけど、やっぱり積み重ねられてきたものも大事しないと、ということを感じました。
アメリカ社会の問題点の根幹がよく分かった。 今後の日米関係を考察する上でも、念頭におきたい事象にあふれていた。 満足度9
街やメディアにあふれる情報から、アメリカの深層心理を探り出す刺激的な本です。どの章を読んでも、漠然と感じていた理由をクッキリと描き出してくれる。扱う内容は、スローフードとファシズム、アメコミ・ヒーローが象徴するもの、アメリカの統治システム=「多数の愚者による支配」=建国時の理念をより維持できるシス...続きを読むテム、アメリカが対外戦争を好む理由〜内的戦争による没落、子供嫌いの文化、連続殺人〜「子供嫌い」と「うちのママは世界一」の間、身体と性〜メッセージとしての下層階級の肥満、福音主義〜「人民の人民による・・」宣言は「under God」、訴訟社会〜「他責」が政治的に正しい国、等々。著者は、170年前のフランス人・トクヴィルを意識し、いくら変わっても変わらないアメリカ人論を書くことを目指しています。それによって、日本人が無意識的にアメリカに対してとる心的態度を意識することを問いかけています。
とっても読みやすかった。 それもそのはず、この本の読者の対象はトクビルだから。 トクビルが読んでも理解できるように書いたそうです。 こういうところが、内田さんらしくて好きです。 このような考えで自らの著書を書いている人は トクビルと内田さん以外にいるのでしょうか。 アメリカについて一から学習し...続きを読むたい方にとって とてもお薦めの一冊です^^
『日本辺境論』の前奏曲。 間違って目のウロコ取り器を買ってしまったのかと思った。ボロボロ。 例えば、日本のアニメヒーローがみな「純粋な心を持った少年にしか操縦できない巨大ロボットで悪を討つ」という枠組みになっている、という指摘。 鉄人28号やガンダムが象徴しているものとは。アメコミヒーローと対比する...続きを読むことで浮かび上がる日米の歴史や歴史観の新たな側面に興奮の連続。 他にも、ファストフード、政治、戦争、児童、連続殺人、身体観、宗教など盛りだくさん。
考えてみれば、今までアメリカ論みたいなのってアメリカ人か日本人からのものしか見たり、聞いたりしたことが無いと思う。この本では、フランス人のアレクシス・ド・トクヴィルの本が紹介されており、時間が経っても斬新さを感じる意見が述べられている。アメリカ建国者たちは権力者を信用しておらず、間違うものとして彼ら...続きを読むの民主主義を作り上げた。その慧眼には本当に感心する。それらが機能し今の発展があるのであろう。普通の国のように歴史的な建国ではなく、理念だけを掲げて国を作り上げた自信の結果、宗教までも理念で広げていった。キリスト教が今日広く米国で信じられていることがよくわかった。 最後にショックであったのは、今でこそ子供の人権云々を主張するが、西洋の文化はもともと子供嫌いということがあるということだ。この本でアメリカの思想的なことについて知識を得たという以上のことが分かった。アメリカに対する感じ方、思いを変えるのに十分な本である。
久しぶりに内田本を。 アレクシス・ド・トクヴィルに献呈するという 記載から始まっているので、いつもの内田節 と違うのかな?と思ったけれど、そんなものは 杞憂に過ぎなかった(笑)。 ページをめくるそばから、いつもの内田節が さく裂! のっけから、この本を書くに至った経緯の中で、 こ...続きを読むうおっしゃる。 “私はもともと仏文学者であって(今ではその 名乗りもかなり怪しいが)、アメリカ史にも アメリカ政治にもアメリカ文化にもまったくの 門外漢である。非専門家であるがゆえに、どの ような法外な仮説をたてて検証しようとも、誰 からも「学者としていかがなものか」という 隠微な(あるいは明確な)圧力をかけられる心配 がない。” “この立場はアメリカを論じる場合には、単に 「気楽」というのを超えて、積極的に有利な立場 ではないかと思い至ったのである。” この割り切り(と言うか、開き直り?)ぶりが、 ある一定の読者層をとらえて離さない理由の一つ なのはまちがいない。 そして、この一冊は、うんうんと頷くことよりは 「うわー、そう来たかぁ!」と思うことが多かった。 そのうちの一つが、アメコミを題材にした第3章で 展開したアメリカン・ヒーローが象徴するものと、 日本のヒーローのそれとの比較。 そんなのアリ?と思いつつ、最後は納得してしまう。 また内田マジックにやられた。 そう言えば、偶然にも昨日(5月29日)の朝日新聞 土曜版beに、内田センセイの凛々しい姿が。
単にアメリカの文化、習俗を解説する本ではなかった。現代日本を知るための他者としてのアメリカ。アメリカなくして現代の日本はない。アメリカという国を具に観ていくことでこの日本をより深く知る。そのためのアメリカ論。 そういう理路に根差した本だった。 内田先生の炯眼が光る。 合点のいくアメリカの捉え方。そし...続きを読むてそれはそのまま日本という国のあり方の理解、再認識に繋がっていく。
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