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自分自身を見つめる
この本も面白かったです。
梨々子の色んな葛藤や、夫やこどもまわりとの
人間関係の過程、頷ける部分も沢山ありました。
宮下先生の作品は、いつもブレブレの私の姿勢を直してくれています。
温かさやぬくもりがいつも込められていて、毎作品胸が熱くなります
Posted by ブクログ
私にはちょっと不思議な感じがした小説
前半まではフワフワした掴みどころがないなと読み続けると後半は余韻を感じる部分が多くて読み進めながら色々と考えました。
前半の背景や展開の部分を読んでいて、私は女性でもなく子供もいないので実感として共感しにくいなあと感じていたのですが、途中から普通の生活の中にある自分の弱さや強さのような部分を感じるようになってきて、最後の方では主人公が前を向いて普通の日常の中で強く歩いていく姿に、自分たちの日常の毎日にも通じる頼もしさを感じていました。
読み終えて嬉しくなる小説ってイイですね
それとタイトルが『???』だったけど、途中から『そういうことか』、そして読み終えてみて机の上に置いてあるブックカバーを見る度に非常に印象強くなるタイトルとなりました
Posted by ブクログ
とある誰でもない専業主婦の女性が、誰かになりたくてもがきながら、最終的に自分であることをゆっくり受け入れていく物語、ということになるんだと思う。虚栄心、嫉妬、見栄、優越感、劣等感、そういった感情とその日々が丁寧に描かれている。もしかすると子育てをしている多くの女性は、主人公の気持ちやシチュエーションに強く共感するのかもしれない。
俺はと言えば、性や役割の違いもあるとは思うけど、考え方として主人公はなかなかまっすぐに歪んでいて(これは物語の装置として拡大レンズを通して描かれているからだとは思うけど)、強い共感はあまり感じなかった。でも、あまり共感できない主人公なのに胸を打たれる場面がいくつもあって、日々に織り込まれる小さな喜びを描くのがとても上手い一冊だと思った。
それと、主人公がこれまで自分を縛っていた考えから、ふと自由になる瞬間がとても良く描かれていて印象に残った(もちろんその後すぐに考え直したり、揺れ戻したりもするのだけど)。途中で彼女は恋をするんだけど、そこで一線を越えさせない判断も、物語として主人公を汚さず、都合がいいと言えばそうなんだけど、プラトニックなのにとても切なくて、その匙加減が本当に上手いなと思った。
前向きになれる一冊かな。面白かった。
Posted by ブクログ
「生きるのに意味などない。さびしいわけでもむなしいわけでもなく、ぱーんとそれが、わかる。竜胆梨々子が生きるのは、ほんの何人かの、梨々子がいなくなったら悲しむ人のためだけだ。」
「持ち時間が尽きるまで手ぶらでせっせと暇をつぶして過ごすのだ。」
梨々子が最後にたどり着く境地に、普通の主婦として共感。それだけでいい、と思うと、人生が気楽になる気がする。
普通に過ごす毎日に、ふいに「他に何もいらないと思える充実感」に包まれる、そんな幸せに辿り着けるなら、確かに人生他に何がいるだろう。
でも子育ての難しさは考えさせられた。子供が運動会の徒競走で1人だけ走らなかったり、学校で1番好きな時間は下校だと言ったり、給食を全く食べなかったりしたら、なんて言ったらいいか全然わからない。
夫と気持ちが通じ合わないのもつらいことだし、でも完璧に以心伝心の夫婦なんて存在しないし、と考えていくと、普通の楽な主婦なんてこの世にいない、当たり前のように難しいことを乗り越えて、みんな偉いとも思った。
Posted by ブクログ
読んでよかった。いつか梨々子のこの10年をもう一度振り返って自分の人生を肯定したくなる時が来るんだと思う。でも苦しかった、残り50ページくらいまで。
梨々子の気持ちの描写が丁寧な分、やむをえず巻き込まれて誘われた土地で感じる戸惑いや嫌悪感も、都内のママ友への嫉妬や焦燥感も、全部全部形がはっきりとわかるほどに伝わってきて読んでいてかなり苦しい部分もあった。でも、それを苦しいと感じている自分がいることに気づくことができてよかった。まだまだ自分は幼くて他人に知られたくない部分がたくさんあって、わかってはいても目を背けていた事実がこの本を読んで顕になった。しんどいけど改めて自分を見つめ直せる機会をもらった感じ。
折り合いをつけて田舎を穏やかに受け入れていく主人公の姿を途中までは諦めだと思ってしまった。でも、実際そんな浅はかなことじゃなくて、どこで暮らすか何してるかなんて本当に瑣末なことなんだと最後の50ページ強でしっかり梨々子が体現してくれてるように感じた。将来まだまだ不安定で時折そこはかとなく怖くなるけど、この本に教えてもらったことを大切にしていきたい。
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