氷平線

氷平線

607円 (税込)

3pt

『ホテルローヤル』で第149回直木賞を受賞した桜木紫乃のデビュー作品集! 真っ白に海が凍るオホーツク沿岸の町で静かに再会した男と女を描く『氷平線』。酪農の地を継ぐ者たちの悲しみと希望を、牧草匂う交歓の裏に映し出した『雪虫』(オール讀物新人賞受賞作)――。北海道の農村を覆う閉塞感と、そこに生きる男女の虚無的で乾いたセックスを鮮烈に描いた、読む者の魂を熱く震わせる全6篇を収録。桜木紫乃の原点はここにある。

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氷平線 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    会社の上司に勧められた桜木紫乃も二冊目。
    終始、陰鬱な雰囲気を漂わせながら、道東を舞台に人間臭いやり取りを描く。短編6作。
    人間の不器用さ、弱さ、欲望と、それに対になる部分に焦点をあて物語が進んでいく。

    1
    2017年06月14日

    Posted by ブクログ

    北海道で生きる女性の6つの物語。
    雪深い土地ならではの静かな強さが前面に出ている。
    性的描写も、イヤラしくなりすぎず、けど淡白になりすぎず。
    静かに激しいとてもドラマティックで、あっという間に読み終えた。すごくよかった。

    0
    2022年03月13日

    Posted by ブクログ

    桜木紫乃さんのデビュー作です。デビュー作とは思えないほど、短編集なのに、重厚な本だと思います。単なる男女の愛だけではない、様々な感情が生まれる不思議な読後感です。オススメ!

    0
    2022年01月02日

    Posted by ブクログ

    あなたは「氷平線」というものを見たことがあるでしょうか?

    当たり前でしょ、海に行けばいつでも見れるよ!と思ったあなた、もう一度「 」の中をよーく見てみてください。これは”水平線”ではありません。「氷平線」と最初の一文字が『氷』という字になっているのがポイントです。えっ!それって何?なんて読むの?

    0
    2021年05月03日

    Posted by ブクログ

    モノトーンなのに鮮やか。冷たいけど生々しい。
               (瀧井朝世さんの解説より)

    ​忘れられない思いの作品だったので、再読しました。
    しかし、
    自分の3年前の感想​​を見ますと、忘れられない作品と思ったわりにはあっけらかんとブログしておりました。

    特に短編6篇(「雪虫」「霧繭

    0
    2019年11月10日

    Posted by ブクログ

    北海道に生きる大人の男女の愛と人生を描き続ける直木賞作家・桜木紫乃さんの心を打つデビュー作品集。ここに描かれる男女達は意志が強固なしっかり者ばかりなのですが、でも時には自力ではどうしようもない辛くて哀しい運命もあるのですね。『雪虫』達郎の仕事は四季子を愛しマリーを幸せにする事ですね。『霧繭』真紀には

    0
    2019年02月24日

    Posted by ブクログ

    短編集、やっぱり好きだな。すぐにぐっと物語に入り込め、瞬時にその世界観を味わうことができるから。そして桜木さんの物語は本当に迷いがない。いつだって登場人部と私が対面できる贅沢な場面を作り上げてくれる。北海道は寂れた街や村。そこで藻掻いて生きる人間たち。当人は努力していても状況環境が許してくれない。い

    0
    2017年08月10日

    Posted by ブクログ

    雪が降る様は、緩慢な時の流れを思い起こさせる。一年のうち、三分の一はそれが続く。積もれば容易く抜け出せない要塞を築き、人々を中に閉じ込める。
    雪国に在って、しだいに神経が麻痺していくような感覚はわかる気がする。
    極寒の気候で熱はひときわ存在感をもち、痛みは研ぎ澄まされて鋭く、悲しみは沁み通る。
    寥々

    0
    2024年03月18日

    Posted by ブクログ

    今回は特に渋いなあ。。。
    と思ったら、桜木紫乃さんのまさかのデビュー作
    卓越された描写力と人物造形力は既に健在
    収録されているのは六編だが、
    長編小説を読み終えた様な深い読後感がある

    オホーツク沿岸の冷たい大地とは対象的に、北の大地に人生をささげてきた家族や男女の関係が生々しい
    狭い社会の中でのま

    0
    2024年02月10日

    Posted by ブクログ

    今まであまり読まないジャンルでしたが面白かったです。どうにも上手くいかない仄暗い男女の関係をくどすぎずさっぱりすぎず描かれていてなんとも言えない気持ちになりました。大人の苦い恋愛小説です。

    0
    2023年12月17日

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