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Posted by ブクログ
40代半ばとなった中年男性が少年時代のある時期に一緒に過ごした"謎の少年"との思い出を回顧するところから物語は始まる。朱川湊人お得意の当時の流行りや時代背景がマニアックに描写されており、空き地、探偵団、冒険、秘密基地等のキーワードは暗くなるまで遊び倒した"あの頃"を痛烈に思い出させる。子供同士の絆や友情、頑張っても頑張っても子供故の非力さにより世の中に対して何も出来ない悔しさが絶妙に描かれており、その苦味を噛み締めながら成長していくさまは涙を誘う。SFチックな要素を含んだファンタジー作品で全体的には陽気な内容ではあるが、貧乏、親の離婚、虐待、人の死、性同一性障害等のパンチの効いた出来事がスパイスとなり話を引き締める。死というものを考えた時、結局最後に残るのは生きてきたそれ迄のたくさんの喜びとたくさんの悲しみという本作のメッセージは胸に強烈に響く。
Posted by ブクログ
昭和40年代の下町に住む6人の子供たち。
これはただのノスタルジー溢れる少年たちの成長物語ではない。
6人のうち1人、転校してきた男の子『リンダ』。
何とも不思議な力を持っている男の子で、どうやら地球の子供ではない。
この設定が非常に素敵。
そして子供たちの中の1人、『ミハル』は男の子なのだけれど、心は女の子。
今でいう性同一性障害。
今でこそ沢山の有名人が自分のジェンダーをカミングアウトして、
多くの人達に様々な“性”があるのだと、世間でも知られるようになっているけれど、
当時の日本でそれを表に出すのは、さぞ大変な事だったでしょう。
最初は戸惑っていた子供たちだが、時間が経つにつれて『ミハル』を自然と女の子として見ているシーンがとても良い。
子供の頃の記憶とは、どうしてこうもキラキラしているのでしょうか。
懐かしさと不思議さがうまく交わって、とても優しい作品でした。
他の星から来た子と仲良くなれるなんて、やっぱり
とても素敵。
Posted by ブクログ
今は図らずも遠く離ればなれになった友人に向かって語りかけるようにつづられた35年以上も前の少年時代の思い出。
小学校3年の2学期の始業式の日に主人公モッチたちが通う小学校に転校してきた不思議な雰囲気を持つ少年リンダ。彼が小学4年の2月始め、つまり1年足らずで突然転校してしまうまでの間に起きた出来事を綴った物語です。
それは、自分たち子供にはどうすることもできず味わう無力感だったり、人生経験に乏しい(それは子供であるが故に当たり前のことなのですが)ことによる無知・未熟さ、世の間の理不尽さにやり場のない憤りを感じながら、少しずつ大人になっていくことなのだと。
昭和のあの時代に生まれ、少年時代を過ごした自分たち世代にとっては、何とも懐かしいキーワードがたくさん出てきます。あの頃の想い出は今となってはセピア色に色あせていますが、それでもふとした瞬間に天然色の映像を伴って蘇ります。
数々出てきたキーワードの中で、一番私の琴線に触れたものは『スパイメモ』でした。自分は『スパイ手帳』と呼んでいたように記憶していますが、確かに所有していました。「水に溶ける紙」や「追跡シール」。あまりの懐かしさに悶絶してしまいました。(笑)
ついぞお土産など買って帰った記憶がない私の父が、唯一出張の折に買って来てくれたのがこの『スパイメモ』だったものですから、このキーワードですっかり忘れていたそんな記憶が色鮮やかに蘇りました。
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