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Posted by ブクログ
ユング派の心理療法や心理分析では、イメージを大切にするので、ここで河合隼雄先生は、猫のイメージが表す、人間の中の力動をさまざまな角度から詳らかにしています。また、ユング派では物語も重要視されます。そのため日本昔話や宮沢賢治から、ポール・ギャリコ、ル・グウィンまで、古今東西の猫のお話が紹介されます。
端的ながらも、目に浮かぶような的を得た表現でイメージを説明され、もちろんながら洋の東西を問わず知識が深く、知的で、分かりやすく、それでいて子どものような感じやすい目で、無意識の言葉のない世界も見渡し、感じ、またそれを私たちに伝えるために言葉にされる。
言葉とイメージ、意識と無意識、右脳と左脳を行ったり来たりしながら。
とは言え、そこは著名な臨床家でもある河合先生、実際の場面緘黙の青少年との療法場面が挿入されたり、思わず声に出して笑ってしまうようなユーモアに満ちた人生への一言に導かれたりしながら、物語について語る河合先生の語りに誘われて、久しぶりにワクワクしながら読書が進みました。
猫好きの私としては親しみやすく、イメージが膨らんで、あぁ、河合隼雄先生は本当に良い、すごい先生だったんだなぁと感じ入りました。
大島弓子さんの最後の書き下ろし漫画も最高で、胸に沁みます。
内面的には、猫が人生にやってきて、猫を育てた私としては、私の中の猫的な力に注目して、大切にしなければと思いました。
Posted by ブクログ
心理療法家の目から見た猫の登場する作品の猫の役割・解釈を紹介した本。
猫には様々な顔がある。
長靴をはいた猫のような賢くて調子の良い面。
エジプトで見られるような神としての神秘性。
逆に西洋にあったような魔女の化身と見られるような妖しさ。
ネズミを弄る残酷性。
我侭な女性のような独立性と妖艶さ。
その様々な面が色々な話を生むようです。
本書で紹介されている本は「空飛び猫」「100万回生きた猫」「鍋島の化け猫」「宮沢賢治作品のなかの猫」「綿の国星」等著名なものから「トマシーナ」「牡猫ムル」「日本の昔話の中の猫」「猫と庄造と二人のおんな」等の作品も紹介されていて、原作を読んでみたくなります。
とても面白い。猫好きも本好きも満足の内容です。
ただし結構ネタバレしているのでこれから読もうと思ったのに!って本がある場合はその章は飛ばして読んだ方が良いかも。
私は犬も猫も動物全般大好き。
柴犬の渋くって忠実なところとか、シュナウザーの利発そうなところとか、トイプードルのモコモコしたところとか。可愛いなぁと思うんだけども、犬か猫どっちか取れっていわれたら猫がいいんだよなぁ。
気まぐれで澄ましていて、でもしなやかで柔らかくって、なんともいえない魔性がある。
本物の猫には伸ばした手をスルリと避けられてしまうので、紹介されていたような本の中の猫達を愛でるのもいいなと思いました。
Posted by ブクログ
本当に尊敬する人には先生という言葉をつけたくなる。面識がなくとも、自分の中の一部になった(なってほしいという願望も込めて)気がして、先生、と呼ぶ。
これはユング研究で有名な河合隼雄先生が猫を語る本である。古今東西様々な物語の中に登場する猫という存在を通じて、その猫に人間が託したものを解説してくださる。
化け猫であり招き猫でもある二重性やトリックスター的性格、それは誠実を託されがちな犬にはない魅力。有名どころが多いのでマニアには物足りないだろうが猫小説の案内書として読むも良し。冒頭に説明される、数学の連続体問題を使った魂の捉え方なんかはいかにも先生らしい感じでほっこりする。
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