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Posted by ブクログ
SF界の大御所、アーサー・C.・クラークにより1993年に発表されたディザスター・ハードSF小説。
西暦2109年、アマチュア天文学者によって発見された小惑星は8カ月後に地球に衝突することが判明、インド神話の死と破壊をもたらす女神である「カーリー」と名づけられる。地球連邦は生存をかけてカーリーにマスドライバー(推進装置)「アトラス(ギリシャ神話の「歯向かう者」を意味する)システム」を備え付け、地球軌道から逸らせるために ロバート・シン艦長の航宙艇「ゴライアス」に「アトラスシステム」を搭載、カーリーへ向かわせる。しかし、地球において、カーリーの衝突は「神が与えたもうた試練」とする宗教団体「クリスラム教」の妨害工作によるアクシデントに遭い、地球衝突回避計画は狂い始める・・・。
ストーリーは地球から見た惑星衝突のパニックを描くものかと思いきや、そこはクラーク先生。宇宙からの視点で、月や火星に移住した人々と《2109年》という時代を生きる人類の姿を丹念に描いており、サスペンスは妨害によって事態が急変した「ゴライアス」のシン艦長やクルー達を中心にストーリーがクライマックスに展開する。1998年のスティーヴン・スピルバーグ製作総指揮、ミミ・レダー監督によるアメリカ映画『ディープ・インパクト』のイメージソースとなった。
Posted by ブクログ
西暦2109年、アマチュア天文学者により発見された天体は、観測の結果、わずか8カ月後に地球に衝突することが判明する。
宇宙船ゴライアスの艦長ロバート・シンは天体の軌道を逸らすため、迫りくる死と破壊の女神-その天体の名はカーリーのもとへ向かうが…
最近では、惑星ニビルが何かと話題にあがってたり、過去にもツングースカ大爆発やスイフト・タットル彗星など、小惑星の衝突は決して絵空事ではない。事実、地球に衝突する恐れのあるスペースデブリを観測する機構は実在する。その名称は「スペースガード」、当著でも登場し「宇宙のランデヴー」で初出した同名の計画に因んでいるのだ。
隕石衝突というモチーフは、その窮地に立たされた時に人間はどうするのか、その行動と心理に迫り人間の本質を探る作品になりやすいと思う。
もちろん当著でもその傾向は多少なりとも感じられたが、このモチーフを取り扱う他の作品-例えば「アルマゲドン」や「ディープインパクト」、「終末のフール」に比べると圧倒的にドラマ性がない。人間を描こうという気概はさらさら感じられなかった。
そう、これまでの著者の作品を読んできて感じることに、氏が描くのは人間ではなく、ただ宇宙の茫漠さであるということ。
当著では、徹底した第三者視点-まさに神の視点が貫かれている。ただ淡々と物語が進行していく様に、まるで他人事のような印象を受けた。
そしてその描き方でやはり感じられてしまうのは、人間が宇宙の茫漠さに対しては、甚だ無力だということだ。
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