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Posted by ブクログ 2011年06月25日
平野啓一郎の『葬送』に、「創作とはもっとも死に近づく行為である」というようなことが書いてあったのだけど、ここで言う「創作」という言葉を「芸術」と置き換えても差し支えないだろうと思う。芸術はおしなべて俗な人間の生活を離れた行為だ。名人もまさにそういう人だったのだと思う。この引退碁は文字通り命がけの勝...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年08月15日
◆読書メモ
・時代の変わり目、棋道からプレイするテーブルゲームとしての碁に変わる時代が描かれているように思う。今はもう見ることができない、棋道であった時代を知ることができた。
・変わる時代、変わるルールと共に名人の時代が終わりゆく、失われていく哀しみが美しく描かれていた。
・最初に結末である名人が負...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年11月14日
実際にあった本因坊秀哉名人の引退碁試合をベースに描かれた小説とのこと。名人の死を微細に描く始まりから、時間を引退碁興業試合時点にまで戻し、その死に至る試合をなぞることで、碁の盤面上の世界を無機質に表現している。
ここで描かれる秀哉名人は、物腰が柔らかい半面、囲碁・将棋・連珠・競馬といった勝負事に狂う...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年11月22日
本因坊秀哉名人と、木谷実七段との引退碁を取材したノンフィクション。囲碁観戦記だが、その微に入り祭に穿った描写はさすが。名人が死ぬ二日前、夕食を一緒にと強く勧められて振り切って帰ったことが、実は川端さん、相当心にあったんじゃないかな。それがこの本の出来に寄与している部分もあるのでは。
構成もおも...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
囲碁最高位、本因坊名人の引退碁。
持ち時間40時間。打ち掛け14度。半年に及ぶ、世紀の一局を川端康成が観戦記者として描いた作品。
両者へのインタビューは無い、ひたすら第三者の川端の視点から描かれた。
インタビューを用い、競技者の心境を描くことが第一と考えられている現代。
作者の場面場面を切り取った...続きを読む
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