名人

名人

473円 (税込)

2pt

悟達の本因坊秀哉名人に、勝負の鬼大竹七段が挑む……本因坊の引退碁は名人の病気のため再三中断、半年にわたって行われた。この対局を観戦した著者が、烏鷺の争いの緊迫した劇にうたれ、「一芸に執して、現実の多くを失った人の悲劇」を描く。盤上の一手一手が、終局に向って収斂されてゆくように、ひたすら“死”への傾斜を辿る痩躯の名人の姿を、冷徹な筆で綴る珠玉の名作。

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名人 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2016年09月07日

    不敗の名人、本因坊秀哉について描かれる。一芸に打ち込むことは美しい、たたえられるべきことに思われるが、本人にとってもそうなのか。客観的にみればそれは悲劇なのかもしれない。しかし、そんな生きざまにあこがれてしまう部分もある。川端康成の文章の静謐さと、名人の碁の凄みには共通するところもあるかもしれない。

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    Posted by ブクログ 2011年06月25日

     平野啓一郎の『葬送』に、「創作とはもっとも死に近づく行為である」というようなことが書いてあったのだけど、ここで言う「創作」という言葉を「芸術」と置き換えても差し支えないだろうと思う。芸術はおしなべて俗な人間の生活を離れた行為だ。名人もまさにそういう人だったのだと思う。この引退碁は文字通り命がけの勝...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年08月06日

    囲碁史上、類を見ないほどに圧倒的強さを誇った本因坊秀哉名人の引退碁観戦記。代表作とはまた違った面白さがあって力が入った。囲碁に留まらず時代や潮流が大きく変わっていく息吹きが感じられた。諦念とも希望とも違うクールな視点も良い。

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    Posted by ブクログ 2019年08月15日

    ◆読書メモ
    ・時代の変わり目、棋道からプレイするテーブルゲームとしての碁に変わる時代が描かれているように思う。今はもう見ることができない、棋道であった時代を知ることができた。
    ・変わる時代、変わるルールと共に名人の時代が終わりゆく、失われていく哀しみが美しく描かれていた。
    ・最初に結末である名人が負...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年10月08日

    死んで思い出として残る人になりたい。それにしても子や孫含めてもせいぜい95年。その先は誰も覚えていない。諸行無常

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    Posted by ブクログ 2011年11月14日

    実際にあった本因坊秀哉名人の引退碁試合をベースに描かれた小説とのこと。名人の死を微細に描く始まりから、時間を引退碁興業試合時点にまで戻し、その死に至る試合をなぞることで、碁の盤面上の世界を無機質に表現している。
    ここで描かれる秀哉名人は、物腰が柔らかい半面、囲碁・将棋・連珠・競馬といった勝負事に狂う...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年05月24日

    最後の世襲制名人、本因坊秀哉の引退碁を描いた川端康成の作品。碁好きで知られる川端が、東京日日新聞で観戦記を書いた後にまとめたもの。秀哉名人の人となりはもちろん、引退碁の相手となった大竹七段(木谷實)の性質や、戦前の囲碁を取り巻く環境などがよくわかる作品。

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    Posted by ブクログ 2010年01月15日

    囲碁がまだ芸術だった時代の最後の名人の引退試合を追った短編小説
    囲碁は本来、名人が見ていたもので間違いないのだろう。
    それは芸術であり、神聖なものなのである。

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    Posted by ブクログ 2009年11月22日

     本因坊秀哉名人と、木谷実七段との引退碁を取材したノンフィクション。囲碁観戦記だが、その微に入り祭に穿った描写はさすが。名人が死ぬ二日前、夕食を一緒にと強く勧められて振り切って帰ったことが、実は川端さん、相当心にあったんじゃないかな。それがこの本の出来に寄与している部分もあるのでは。

     構成もおも...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    囲碁最高位、本因坊名人の引退碁。
    持ち時間40時間。打ち掛け14度。半年に及ぶ、世紀の一局を川端康成が観戦記者として描いた作品。

    両者へのインタビューは無い、ひたすら第三者の川端の視点から描かれた。
    インタビューを用い、競技者の心境を描くことが第一と考えられている現代。
    作者の場面場面を切り取った...続きを読む

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