ニコライ遭難

ニコライ遭難

715円 (税込)

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明治24年5月、国賓のロシア皇太子を警護の巡査が襲った。この非常事態に、近代国家への道を歩み始めた日本が震撼する。極東進出を目論むロシアに対し、当時日本は余りにも脆弱であった――。皇太子ニコライへの官民を挙げての歓待ぶり、犯人津田三蔵の処分を巡る政府有力者と司法の軋轢、津田の死の実態など、新資料を得て未曾有の国難・大津事件に揺れる世相を活写する歴史長編。

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ニコライ遭難 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2019年07月20日

    1891年来日したロシアの皇太子ニコライを、巡査の津田がサーベルで頭を切りつけた大津事件。事件より前のニコライの日本での過ごし方や、事件後の政府高官たちが、津田を死刑にしようと暗躍する様を描くドキュメント小説。

    とっても面白かった。

    ニコライが来る時に流れたデマが、実は西郷隆盛が生きていて西郷が...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年12月09日

    1891年5月11日、来訪中のロシア帝国皇太子・ニコライが滋賀県大津市で、警備中の巡査である津田三蔵にサーベルで襲われた──
    当時の日本人のロシアに対する感情は、複雑であった。
    軍事大国ロシアに征服されるかもしれないという恐怖。
    その中でのニコライの訪日。
    『このようなことがあっても、日本人民の好意...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年09月03日

    司馬遼太郎の作品は印象的な書き出しが多いと思いますが、一番好きなのは「坂の上の雲」です。
    「まことに小さな国が開化期を迎えようとしている」
    明治維新後のちっぽけな日本が近代的国家として歩み始めた時代を、この短い文章は簡潔に表現しています。

    吉村昭さんが描く「ニコライ遭難」は、この時代、明治24年に...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年02月28日

    吉村昭氏の「史実を歩む」を読んで、この作品を読みたくなった。
    明治24年、まだ、明治維新から24年しか経っていない日本に、当時、世界一の大国・ロシアから皇太子ニコライが日本に訪れた。
    国賓でも最大級のもてなしをし、長崎、鹿児島、神戸、京都と訪れ、滋賀の大津で暴漢に襲われる。
    その大津事件までと後の展...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年11月22日

    超大国ロシアへの恐れと疑心暗鬼も相まって、その対応に四苦八苦する明治政府。欧米列強に対しても、国内世論に対しても、対応に四苦八苦するできたて政府の姿が哀れでもあり滑稽でもある。再演で観た、三谷幸喜脚本+東京ヴォードヴィルショー公演の「その場しのぎの男たち」は、まさにこの政府要人達の滑稽なまでの慌てふ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年01月25日

    明治24年にロシア皇太子ニコライが来日し、長崎、鹿児島、京都、滋賀と回る中で大津で警備を担当していた津田三蔵巡査に襲われた事件、いわゆる大津事件について描かれた小説。小説というか、吉村昭の作品は(というほど多くの作品を読んだわけではないが)、事実関係を丹念に取材して周辺情報まで含めて細かく書かれてい...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年09月14日

    吉村昭の初読み。

    堅苦しい文体だが、不思議と最後まで引き込まれて読み続けられた。“事実”が持つ重みがそうさせたのだろう。

    読前、筆者についてWikipediaにて検索してみた。吉村昭の特徴は“記録文学”であるという。
    筆者の主観・創作は一切交えず、取材に基いた記述をただひたすら積み上げる……。
    ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年09月20日

    山風の「ラスプーチンが来た」しか知らないので、大津事件の実相、興味深かった。児島惟謙だけが偉いのではなく、裁判団や新聞がこぞって死刑に反対していたという話は興味深かった。

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    Posted by ブクログ 2023年10月04日

    読み切れるだろうか、と挫折前提でページをめくり、気づけばラストまで到着。吉村昭さんの本は毎度そのパターン。
    日本史で確かに知ってはいた、大津事件。
    それをタイムマシンで遡り、透明人間になってその場にいたかのような気にさせてくれる。
    お蔭様で、まるで体験したかのような気持ちに。
    艦船に乗り、桜島を眺め...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年09月18日

    明治時代に起こった大津事件に関する小説。
    大国ロシアの動向を気にすることで、行政府と司法府とが対立。
    両者は近代国家形成期の愛国心を違う観点から共有していたため対立することとなった。
    その後の日清戦争〜第一次大戦までの両国の動き、関係者のその後が物悲しい。

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