冷い夏、熱い夏

冷い夏、熱い夏

583円 (税込)

2pt

何の自覚症状もなく発見された胸部の白い影――強い絆で結ばれた働き盛りの弟を突然襲った癌にたじろぐ「私」。それが最悪のものであり、手術後一年以上の延命例が皆無なことを知らされた。「私」は、どんなことがあっても弟に隠し通すことを決意する。激痛にもだえ人間としての矜持を失っていく弟……。ゆるぎない眼でその死を見つめ、深い鎮魂に至る感動の長編小説。毎日芸術賞受賞。

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冷い夏、熱い夏 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年08月19日

    ある冷夏の年の8月、主人公の「私」の弟の肺に影がみつかる。残念ながらそれは、悪性腫瘍の中でも特にタチの悪いものであり、1年以上の生存例が皆無であることを、「私」は医師から告げられる。「私」と親族たちは、弟が癌であることを隠しておくことを決める。手術後、弟は一時的に体調を回復させるが、徐々に痛みを訴え...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年09月30日

    読むのを止められなくなって、一気に読んでしまいました。最後にこれが、作者の体験した実話だと知りました。

    弟の凄絶な癌との闘いの様子に、正直ほぼ恐ろしさだけを感じて読み終わったくらいです。


    たくさん兄弟がいる中の、末の2人である作者と弟。上の兄弟とは歳が離れていることもあり、2人の結び付きは幼い...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年04月02日

    作者と弟の熱い結びつきに心の底から熱いものが込み上げてきた。
    徐々に弟の体を蝕んでいく癌細胞。
    実際に体験した作者でないと描けない緊迫感。
    吉村昭は、弟の死をどう見つめたのか。
    魂を揺さぶられる傑作。

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    Posted by ブクログ 2015年07月26日

    途中で読むのを止められず、一気読みしてしまった。
    最後までガンだと告げられなかった弟さん、それでも末期がんで痛みに苦しみながら、ガンの薬を打ってくれという…

    兄にも弟にもガンを隠し通し、そして周囲に「あなたが私にガンじゃないよと言っても信用しない」とまでいわれる著者のすさまじさ。身の中から食われて...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年04月21日

    2011.4.14(木)¥157。
    第26回(1985年)毎日芸術賞。
    2011.4.17(日)。

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    肉親を癌で失う家族のつらさ、闘病の苦しさ、身にしみて考えさせられました。
    氏が亡くなったとき、どんな気持ちで延命器具をはずしたのか
    少し気持ちがわかりました。

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    実弟の末期癌闘病生活を描く。病名を本人に隠し通しながら看病する、心苦しさ、辛さや苦労・・・体験したくないけれど、いつ自分や大切な人の身に降りかかるかわからない「死病」という存在・・・。吉村昭作品は淡々とした文体が特徴的だけれど、実体験記だけあって感情的なところがイイ

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    Posted by ブクログ 2024年03月10日

    著者の弟が肺癌となり、亡くなるまでの1年間を綴った実体験小説。特徴的なのは、弟に癌であることを隠すこと。1980年頃の話のため、告知しないのが一般的だった時代とはいえ、どうしても不憫さを感じてしまう。
    弱っていく弟さんの様子と日々見舞いに訪れる著者のやりとりが淡々と描かれているのでそれが迫力を増して...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年10月31日

    癌に侵された弟が死に至るまでを見つめた「私」。余命一年の肺がんだと診断された後も弟には癌ではないと突き通す。兄弟が多い中幼少期からずっと親しく過ごしてきた弟への愛情が伝わり、彼が弱っていく姿を見るのはとてもつらかった。今や3人に1人が癌になる時代だ。広志のような境遇は珍しくないのだろう。人は皆死ぬ。...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年03月11日

     母を癌で亡くしたわたしとしては、当時を思い出し共感するとともに、いたたまれない気持ちにさせる内容であった。身内の死は必ず訪れるのだが、亡くなったことに整理をつけなければ、残された者たちは不幸である。人生折り返しを過ぎ、自身の死生観をあらためて問われた作品である。

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