脱出

脱出

572円 (税込)

2pt

昭和20年夏、敗戦へと雪崩れおちる日本の、辺境ともいうべき地に生きる人々の生き様を通し、〈昭和〉の転換点を見つめた作品集。突然のソ連参戦で宗谷海峡を封鎖された南樺太の一漁村の村人の、危険な脱出行を描く表題作。撃沈された沖縄からの学童疎開船・対馬丸に乗船していた一中学生の転変をたどる「他人の城」。東大寺の仏像疎開作業に従事する僧侶と囚人たちをめぐる「焔髪」など5編。

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脱出 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2016年09月13日

    第二次世界大戦、終戦ごろを舞台にした、民間人の生と死を描いている。

    小説だけれど、この5つの短篇に描かれていることは、本当にあったかもしれない。
    あるいは、筆者が人から見聞きした、または筆者自ら実際に
    見聞きし、肌で感じたことが大いにあるだろう。


    特に「玉音放送」の前と後の人々の感情のありよう...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年01月19日

    戦争に関する記録文学。
    戦争という現代の我々からすると非日常なできごとについて、描き方が上手い。死体などの「死」との対面については、丁寧な描き方がされており、ぐいぐいと引き込まれてしまう。

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    Posted by ブクログ 2017年02月26日

    はじめの「脱出」を読んで、素晴らしく良いとは感じなかったので表題作がこれくらいでは、他もそんなに大したことないのかも…と思いつつ読み進めると、この本のコンセプトが「脱出」というタイトルに象徴されていることがわかり、様々な人々を描きながら、一本の太い棒のようなものが貫かれていることに感心する。バラバラ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年01月31日

    第二次大戦において民間人の生と死の修羅場を描いた5つの短編。屍体を物としか感じず、他人のことをお構いなく般若となる。取材による事実なのだろう。後世に残すべき小説。2016.1.31

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    Posted by ブクログ 2013年09月21日

    「脱出」「焰髪」「鯛の島」「他人の城」「珊瑚礁」を収録。離島で戦争にあった少年たちの戦争体験記、といったようなもの。
    しかし、単なる体験記にとどまらないのが、吉村昭の作品の見事なところ。
    戦争の影響が比較的少ない場合が多かった離島にありながらも、戦争に段々と巻き込まれていった少年たちの姿が見事に描か...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年08月17日

    淡々としているからこそ、恐ろしい。
    自分だったらどうなるのだろうとつい考える。
    気づけば自分も登場人物たちと同じ時間軸に立ってしまっている。

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    Posted by ブクログ 2013年07月24日

    終戦直前から終戦直後の戦いの中の少年を掌編で纏めた一冊。スタートは樺太の住民の少年がロシア軍の進行で北海道にたどり着き苦労しながら生きていくさま。中でも沖縄からの疎開船対馬丸に乗り、母・弟・妹ともに潜水艦の攻撃で沈没。死の海の中を弟とともに生き延び、戦後沖縄に戻る少年の姿は痛ましい。まず沖縄で戦闘要...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年03月16日

    戦時から戦後にかけての、戦争に翻弄された若者たちの物語である。5つの物語は、北は樺太から南はサイパンに至る。吉村昭の淡々とした筆運びが臨場感を増す。民間人しかも若者の戦争による悲劇を描く。まさに日常の延長の戦争であり、何気ない平凡な日常から、ある日突然戦争を意識しだし、悲劇に巻き込まれていく様子が恐...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年08月13日

    少年たちが投げ出された戦場。南樺太の寒村・奈良の東大寺・瀬戸内海の漁村・本土への疎開を目指す対馬丸・サイパンの砂糖黍の町。

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    Posted by ブクログ 2022年08月01日

    終戦前後の脱出に関する短編5編。樺太から、沖縄から、サイパンからの脱出。架空の主人公だろうが、まるでノンフィクションのよう。

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