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Posted by ブクログ
吉村昭の作品は本当に外れない。
こぎみ良いテンポとそれでいて非常に重苦しい雰囲気が絶妙に交わり独特の作風を際立たせている。
戦争を反省するための学びの本にもなれば、思想的な部分では、ある種の戦犯への同情的な心理を呼び起こすことで国家主義的な情念も駆り立てられうるため、読者側の心情もかなり複雑になり、動揺させられる。
吉村昭の得意分野である逃亡や漂流における主人公の孤独な内面性、葛藤をこの作品もまた緻密に描き出している。
正義とは何か、それは絶対的なものではなく、あくまで時代状況や国家間の関係性に左右される相対的なものでしかないことを断定する教育的利用価値のある作品である。
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