背中の勲章

背中の勲章

506円 (税込)

2pt

4.0

昭和17年4月18日――太平洋上の哨戒線で敵機動艦隊を発見した特設監視艇・長渡丸の乗員は、玉砕を覚悟で配置につき、死の瞬間を待った。けれども中村一等水兵以下五名は、米軍の捕虜となり、背中にPWの文字のついた服を着せられて、アメリカ本土を転々としながら抑留生活をおくった――。運命のいたずらに哭く海の勇士の悲しい境涯を通して描く、小説太平洋戦争裏面史。

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背中の勲章 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2021年11月18日

    太平洋戦争を日本人捕虜の視点で綴った記録文学。敢えて捕虜第2号を扱うあたりが著者らしい。死を覚悟した監視行動、捕まってからの心理、他の捕虜たちとの結束や諍い、帰国してからの葛藤...。ありきたりだが、歴史は繰り返してはならないことを実感させてくれる一冊。

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    Posted by ブクログ 2022年12月25日

    太平洋戦争で米国の捕虜となった様子がコンパクトにまとめられて記述されていて読みやすい。

    捉えられた日本兵は捕虜となることを恥じるが、意外と人道的な扱いを受けていることが分かる。

    生き残ったことに後悔する、国のため戦死することに何の疑いもない当時の考えに、人生とは、命とはという意味をかんごえさせら...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年09月03日

    「生きて虜囚の辱めを受くる勿れ」狂信的な軍律に縛られた一兵卒が過ごした4年半の俘虜生活を冷静に書き記す。戦闘で亡くなった人だけでなく、自ら命を絶った人が少なくない。帰国の輸送船で富士山を目にして海に飛込んだ人。戦争の悲惨さに息苦しくなる。題名が「背中の勲章」となってるが勲章ではないように思える。20...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年10月04日

    淡々と描かれているからこそ怖い。
    直に人物たちの心情が伝わってくる。不純物がない感じ。

    日本人はこの狂信に陥りやすい。
    これは軍部だとか戦争に限ったことではない。
    災害が起きてもそうだ。いつだって、狂気はそばにいる、戦争だけに注視していたら、繰り返すのだ。

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    Posted by ブクログ 2016年06月16日

    特設監視艇長渡丸の乗員は、敵機発見の報告とともに敵艦に突撃を食らわせる予定だったが惜しくも船が沈没して捕虜となり、アメリカ各地の収容所での長い勾留生活が始まった…。
    「生きて虜囚の辱めを受くることなかれ」
    戦中の異常な思考回路に現代を生きる私は必死で理解しよう、ついていこうとするものの何度も振り落と...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年08月11日

    戦争中、捕虜になった者の抑留生活を描く。
    戦争といえば良く聞く「特攻」や「生きて虜因の辱しめを受くる勿れ」という言葉。
    その教えが彼らを苦しめ、自決した者も多かったと聞く。
    ただ生き延びた者は、故郷に戻り新たに生活を始めた。
    ただ、戦争に良いも悪いもなく、どうなっても辛い時代だったに違いない。
    二度...続きを読む

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2019年01月05日

    大東亜戦争で米軍捕虜となった海軍人を描く。虜囚の辱めを受けずという当時の思想は根深い。そこからの生き抜く決意をするまでの内面の動きが、かの小説の面白さだと思う。

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