海の史劇

海の史劇

小説・文芸
1,210円 (税込)

6pt

祖国の荒廃をこの一戦に賭けて、世界注視のうちに歴史が決定される。ロジェストヴェンスキー提督が、ロシアの大艦隊を率いて長征に向かう圧倒的な場面に始まり、連合艦隊司令長官東郷平八郎の死で終わる、名高い〈日本海海戦〉の劇的な全貌。ロシア側の秘匿資料を初めて採り入れ、七ヶ月に及ぶ大回航の苦心と、迎え撃つ日本側の態度、海戦の詳細等々を克明に描いた空前の記録文学。

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海の史劇 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    舞台は日露戦争。主に航海中のバルチック艦隊内部や日本海海戦の様子が書かれている。日本側の情勢、二百三高地攻略、ポーツマス講和の内幕など詳しく書かれている。読みやすく読者を退屈させない。

    0
    2024年03月30日

    Posted by ブクログ

    日露戦争の事は全く無知であったが、この本で旅順戦での乃木将軍の稚拙な作戦行動、バルチック艦隊が喜望峰を迂回して壮絶な大航海の後に日本海に来た事、日本海海戦が僅か2日で決着がついた事などが吉村昭氏の淡々とした書法で書かれており、とても楽しく興味深く、面白く読むことができた。

    0
    2023年03月13日

    Posted by ブクログ

    日本海海戦を中心にその前後に起きた様々な出来事も詳らかに...。意思決定、群集心理、傲慢、侮り、悲哀、憐憫...。
    太平洋戦争に突入してしまう下地を作ってしまった圧倒的な勝利が歴史的な転換点であったことを改めて実感...。示唆に富んだ秀逸な作品である。脱帽。

    0
    2021年10月20日

    購入済み

    海の史劇について

    私は戦史 軍艦 艦船模型が好きで、もう長いことやっています。この本は吉村昭の代表作の1冊です。「戦艦武蔵」も読みました。
    吉村さんの知識には脱帽です。まだ半分も読んでいませんが、楽しく読んでいます。日本海海戦での日露の戦い、内容は知ってるが読みやすいです。

    0
    2020年03月27日

    Posted by ブクログ

    日本海海戦を描いた吉村昭の記録文学の傑作。

    日本海海戦と言えば司馬遼太郎の傑作小説「坂の上の雲」のクライマックスシーンとして有名である。
    私も手に汗握りながらあのシーンを読んだものである。
    それ以来日本海海戦には関心を抱いていたが、他にも同じテーマを扱った作品で良いものがあると聞いて本書にたどり着いた。

    非常に緻密な調査の上に成り立っている作品と感じた。
    これを読んでしまうと司馬さんの作品は、彼の評価している人物とそうでない人物の書き分けが極端で、小説としては面白くなるのだろうが、現実とは乖離してしまうの
    だろうなと思ってしまう。


    日本海海戦とは日本史だけではなく世界の海戦史においても類例を見ないほどの圧倒的な勝利であった事が理解できた。
    戦力的に不利な日本が損害において水雷艇3隻と引き換えにロシア海軍をほぼ壊滅させるという信じがたいものであったという。


    本書を読んでいるとロシア艦隊は、その長大な航海の途中、自分たちの空想の中で膨れ上がる日本海軍の脅威に終始おびえていたように思われる。
    その為に味方艦艇や他国の商船にみだりに誤射を行ってしまっている。
    いかに強大な戦力を持っていてもそれを充分に発揮できるかは扱う人間によるということが実感された。
    後、戦後日本人と言えば礼儀正しく、国難があっても暴動などが起らない自制のきいた国民性という評価が定着しているが、この本を読んでいると日露戦争の講和内容に
    不満の持った国民が暴動を起こしたりしている描写があり、戦前の日本人の気質と戦後のそれの違いが判り興味深かった。

    0
    2018年05月04日

    Posted by ブクログ

    日露戦争の、その始まりと終わって講和を結び、その後の日本の行く先が見えるようなところまでが描かれていた。
    もう途中、ロシア艦隊がつらすぎてつらすぎて、暑さに喘ぐロシアの兵と同じようにして、私も帰りたくなりました。イギリスや日本の外交、怖い。文章が淡白だから、想像が膨らんで余計に寒気がする。

    でも一番鳥肌ものだったのは、小村寿太郎の講和を結ぶまでの場面。
    この悲壮感。教科書にこの背景くらい書いた方がいいんじゃないのと思う。急に日比谷焼き討ち来るから単純すぎて。書かないのはあれかな、戦争は軍部が仕込んだものだと言いたいからなのかな。

    吉村昭は大衆の熱量と戦争のつながりを特に注視しているのだけれど、その考えが端々に出てくる。特に最後の小村の嘆きが読んでいてつらい。(語彙力!)

    今も同じだよなぁ、と、選挙の騒ぎを見ていて思う。
    憲法だなんだじゃない、大衆の未熟性、ではないのかねぇ…。それがマスコミの姿勢に出ているだけなんだよってね。

    0
    2017年10月08日

    Posted by ブクログ

    本書は、同時代を書いた、司馬遼太郎「坂の上の雲」と対比されるが、同書が、坂の上の雲を仰ぎ見ながらひたすら上り続けた、明治人の意気軒高さと心意気を、書いているのにくらべて、書き出しがバルチック艦隊の出航の模様から始まり、敗軍の将となった、ロゼストヴェンスキー総督の末路にまでおよぶ壮大な史劇となっている。

    私がここで留意したいのは、当時の国民の熱狂とは裏腹に、当時の政府や軍のトップの人たちが、国力の限界を正確に把握していて、積極的に
    米国大統領に仲介を依頼したことである。
    それから40年後の、政府や軍のトップたちが、戦況の劣勢をひたすら隠し本土決戦や一億玉砕を呼号して、いたずらに国土を疲弊させ犠牲者を増やしたことを思い起こしてもらいたい。
    国のトップの劣化は、結局国民を不幸にするものである。

    0
    2013年07月05日

    Posted by ブクログ

    吉村昭さんの本は始めて読んだが、非常に詳しく頭の中でイメージが浮かんだ。特に旅順攻略の場面が面白い。これを読んで児玉源太郎に興味が湧いた

    0
    2011年10月03日

    Posted by ブクログ

    原作者の遺志に背いて映像化された「坂の上の雲」。同時期に連載されていた本作。日ロ戦争。歴史文学と記録文学。事実が淡々と記述されてるだけのようでいて、引き込まれる。その作風にはいつも感心させられる。ロシア側の立場での描述も長い。両者の視点で考えられる。勝利したのは日本。負けていれば独立国としての存続はなかっただろう。一方、得た者は乏しい。そして、失ったものも大きい。夥しい数の戦死者、戦傷者。政情不安。米国の警戒。そしてあの大戦につながっていく。TVドラマは美しく作られる。だが、現実の戦争はきれい事ではない。

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    2023年07月15日

    Posted by ブクログ

    日露戦争におけるバルチック艦隊と東郷艦隊の大戦を描く。

    艦隊の大戦のみならず、旅順港攻略、バルチック艦隊が日本に到着するまでの苦難に満ちた道のり、日本勝利後のロシア捕虜の扱い、ロシア将官の祖国帰還まで周辺情報が、綿密な調査に基づき、整理されて記載されているのは、さすが吉村氏である。

    あとがきで書かれているとおり、戦争終結後の日本国民の反応は、戦争と平和に対する意識の未熟さを露呈するものであり、それは、後の戦争への失敗へと繋がっていく。

    読み応えのある一冊だった。

    0
    2022年04月03日

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