ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
5pt
「やは肌のあつき血汐にふれも見で」「東海の小島の磯の白砂に」──懐かしくも新鮮な歌の数々は、私たち日本人の感性の源として、永遠に伝えていくべき豊かな財産である。〈日本人ならこれだけは知っておいて欲しい〉近代100首を当代随一の歌人が選び、心熱くなるエッセイとともに、未来へ贈る名歌集。
ブラウザ試し読み
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
歌を知ることで日常生活をもっと豊かなものにしてほしいという筆者の願いがありありと感じられた。解説文の中でたびたび触れられていて興味深かった話題は、歌の愛誦性と芸術性の間にあるジレンマについてだ。大衆ウケが良い歌ほど批評家からの評価が下がりやすくなる一方で、あまりにも玄人ウケの芸術性が高い歌だと広く認...続きを読む知はされず後世に残りにくい。これは他の芸術ジャンルとも共通する課題であると思った。そうは言いつつ個人的には愛誦性の高い石川啄木や与謝野晶子の歌がやはり好みであり、要はアララギより明星派が好きなのだと思う。
最初は解説が冗長だなと思いながら読み進んだが、膨大な文化的財産を後世に継承するための、現代の若者たちに向けての著者の熱きメッセージであると感じるに至った。 教養とは人間関係の基盤であり、その共有は喜びであり、何なら礼儀でさえあると説く。その継続こそが文化の継承であると。実に痛み入ります。
永田和宏さんの『現代秀歌』がとてもよかったので、こちらは私にはたぶん難しいのではないかと思いましたが拝読しました。 思ったほど難しさは感じられずとてもわかりやすい解説でした。 本書で著者の永田和宏さんは近代以降に作られた歌の中から100首を選んで解説と鑑賞をつけるという作業を行ったそうです。落合直...続きを読む文から土屋文明までの歌を取り上げたそうです。 第一章恋・愛 与謝野晶子、与謝野鉄幹、晶子の元恋人の河野鉄南、鉄幹と三角関係だった山川登美子などの関係がわかりました。 プロの歌人たちにとったアンケートで相聞歌の一番と二番は <木に花咲き君わが妻とならむ日の四月なかなか遠くもあるかな> 前田夕暮『収穫』 <君かへす朝の敷石さくさくと雪よ林檎の香のごとくふれ> 北原白秋『桐の花』 第二章青春 <不来方のお城の草に寝ころびて 空に吸はれし 十五の心> 石川啄木『一握の砂』 が、私も盛岡市に以前住んでいて岩手公園のこの石碑のあるところを何度も歩いたことがあり懐かしかったです。 近代歌人の中で最も愛唱歌の多い歌人は啄木だそうです。 そして愛唱性のある歌人で啄木と双璧をなすのが若山牧水。 第五章日常 <白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけり> 若山牧水『路上』 第六章社会と文化 <はたらけど はたらけど猶わが生活楽にならざり ぢっと手を見る> 石川啄木『一握の砂』 第七章旅 <幾山河越えさり行かば寂しさの終てなむ国ぞ今日も旅ゆく> 若山牧水『海の声』 <ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なる一ひらの雲> 佐佐木信綱『新月』 第九章孤の思い <白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ> 若山牧水『海の声』 第十章死 <のど赤き玄鳥ふたつ屋りにゐて足乳根の母は死にたまふなり> 斎藤茂吉『赤光』 愛唱歌の多いという啄木と牧水ばかり取り上げてしまったような感がありますが、近いうちに啄木と牧水の歌集を読んでみたいと思っています。
前田夕暮 木に花咲き君が我が妻とならむ日の四月なかなか遠くもあるかな 北原白秋 君かへす朝の敷石さくさくと雪よ林檎の香のごとくふれ 石川啄木 友がみなわれより偉く見ゆる日よ花を買ひ来て妻としたしむ 窪田空穂 老いふたり互いに空気となり合ひて有るには忘れ無きを思はず
日本人として是だけは、知っておいてほしいという歌ばかり。という前触れに遜色ない。 共通の知の前提として、そこから対話を楽しむために。テレビのお笑いや芸能、スポーツでは、会話。意見を聞いて自分の意見を述べて、展開するのが必要だろう。 対話できなくても生きていけるが、パンのみにいくるにあらず。
近代の秀歌を百首選んで、歌の解釈とそれに関わるいろいろな著者の考えや参考歌が書いてあり、懇切丁寧である。人口に膾炙した歌も漏れなく選んであって遺漏はない。歌人の写真が載っていて、ほほうこういう面構えだったんだねと分かって面白い。読み終わって堪能した。同じ著者の「現代秀歌」も読んでみたい。でも、近代の...続きを読む歌ほど分かりやすくはないだろうな。永田氏の解説に期待しよう。永田氏は、河野裕子氏(故人)の旦那さんである。彼女の「たっぷりと真水を抱きてしづもれる昏き器を近江と言えり」はいい歌だ。
日本人ならこれだけは知っておいてほしい百首を選んだ、という著者の挑戦的な本。短歌もさることながら、はしばしにある著者の歌論にも感銘を受けた。「私たちが花を美しいと思うのは、花を読んだ名歌を知っているからだ」「写生とは、目にした事象の中からただ一点を除いて消し去る作業だ」などである。
若いころアララギ派の歌人に魅かれていた。 他の派の歌人の短歌は全く評価しなかったのだけど、歳とって、読み直し、永田さんの丁寧な解説を通して『読まなかった短歌』を素直に読むことができた。 近代短歌を取り上げるとき、教科書的な解釈になってしまうことが多い。すでに名歌の評価が定まっているのだから、無難な歌...続きを読む紹介になってしまう。大義理のネタような薄っぺらい短歌を書く『歌人』もそうだ。 とことが、永田さんの読み方はそれ以上の楽しさがある。 また、永田さんは「会津八一が苦手」とのこと。それもさらりと述べているところにより一層の誠実さを感じた。
「あなたが日本人なら、せめてこれくらいの歌は知っておいて欲しいというぎりぎりの100首であると思いたい」(はじめにより) 正直ほとんどの歌を知らなかったので、歌人のこと、代表的な歌のことなど、勉強になった。
岩波新書の好企画 明治・大正・昭和を中心に日本人の心のふるさととして永久に口ずさみ伝えるべき100首を選び、適切な解説をほどこした岩波新書の好企画です。 「恋・愛」「青春」「旅」「四季・自然」などの項目ごとに、いつかどこかで目にした短歌の名作が続々登場するので、楽しみながらすいすい読めてしまう...続きを読む、それこそ面白くて為になる詩歌集なのですが、なかにはここで初めておめにかかる作品も多く、わたくしの日頃の、いな、これまでの不勉強に赤面せざるを得ない選集でもありました。 我が母よ死にたまひゆく我が母よ我を生まし乳足らひし母よ 茂吉 この斎藤茂吉の「赤光」の「死にたまふ母」が全篇のハイライトをなしているのは間違いないと思うのですが、土屋文明の「君がもてる貧しきものの卑しさを是の友に見て耐へがたかりき」や「さまざまの七十年すごし今は見る最もうつくしき汝を棺に」、そして土岐善麿の「遺棄死体数百といひ数千といふいのちをふたつもちしものなし」や「あなたは勝つものとおもってゐましたかと老いたる妻のさびしげにいふ」などの作品に接して私は大きな衝撃を受けました。 子規と茂吉が“近代短歌の父”ならば、その母の名にふさわしいのはやはり与謝野晶子ではないでしょうか。 金色のちひさき鳥のかたちして銀杏ちるなり夕日の岡に 晶子 これは短歌ではありませんが、若き日の彼女の「君死にたまふことなかれ」の5連40行は、いまこそ再読三読すべき内容を含んでいるとわたしには思われてなりません。 君死にたまふことなかれ、すめらみことは、戦いに おほみづからは出でまさね、 かたみに人の血を流し、獣の道に死ねよとは、死ぬるを人のほまれとは、 大みこころの深ければ もとよりいかで思されむ。 井の中の蛙は夜郎自大にて世界を相手に戦うと嘯く 蝶人
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
近代秀歌
新刊情報をお知らせします。
永田和宏
フォロー機能について
「岩波新書」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
人はどのように鉄を作ってきたか 4000年の歴史と製鉄の原理
あの胸が岬のように遠かった―河野裕子との青春―(新潮文庫)
歌に私は泣くだらう―妻・河野裕子 闘病の十年―
NHK短歌 新版 作歌のヒント
家族の歌 河野裕子の死を見つめて
学問の自由が危ない
基礎研究者 真理を探究する生き方
京都うた紀行 歌人夫婦、最後の旅
「永田和宏」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲近代秀歌 ページトップヘ