破獄

破獄

935円 (税込)

4pt

昭和11年青森刑務所脱獄。昭和17年秋田刑務所脱獄。昭和19年網走刑務所脱獄。昭和22年札幌刑務所脱獄。犯罪史上未曽有の四度の脱獄を実行した無期刑囚佐久間清太郎。その緻密な計画と大胆な行動力、超人的ともいえる手口を、戦中・戦後の混乱した時代背景に重ねて入念に追跡し、獄房で厳重な監視を受ける彼と、彼を閉じこめた男たちの息詰る闘いを描破した力編。読売文学賞受賞作。

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破獄 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ


    4回の脱獄王の物語でした。
    読んでいると、なぜ脱獄を繰り返したのかが気になる所でした。
    戦中と終戦直後の刑務所のリアルな部分(看守不足や食糧不足、司法、GHQ等)に突っ込んで居て面白いと思いました。

    看守が佐久間との心理戦において葛藤するシーンが多く、巧妙な脱獄方法と佐久間の体力には目を見張るも

    0
    2025年08月24日

    Posted by ブクログ

    四度の脱獄をした囚人の英雄譚だと思っていたが、そうではなかった。
    戦中戦後という時代に翻弄され困難な状況にも関わらず、脱獄囚を通じて、法と秩序を守る看守や刑務所長が、社会秩序のために奔走する話だった。 
    網走刑務所は、北海道の極寒の立地上、逃亡するのは難しいにも関わらず、脱獄する囚人。そして、その過

    0
    2025年08月05日

    Posted by ブクログ

    首都圏を環状に回る武蔵野線。始発を出て次の駅。府中街道を北へと歩けば、高く聳える壁が右手に見える。その向こうで、かつての脱獄王が懲役を果たした。青森、秋田、網走、札幌と、手錠足枷もろともせず、難攻不落の獄舎を抜け出した。中にいれば食いはぐれはない。外に出れば、食うにも困る。雨風凌げる屋根も壁もない。

    0
    2025年04月23日

    Posted by ブクログ

    吉村昭さんの小説は本当にハズレがありません。
    綿密な取材や時代考証を経て作り上げられる作品は完全なるノンフィクションと信じて疑わないようなリアリティがあり、そして人間味がありありと描かれています。

    本作の中心人物、佐久間の終始漂う不気味さと、その奥には必ず秘めたる真髄があることをしっかり印象付け

    0
    2025年03月10日

    Posted by ブクログ

    戦前から戦後の刑務所の設定だが、まるで現代かのように時代を感じさせない。
    刑務官の仕事は大変だ、敬意を持った。
    無期刑囚の佐久間が、彼の持つ頭脳と強靭な体力を犯罪で使わずにいたら、相当優秀な人物として有名になっていただろうと思うと悲しい。
    鈴江府中所長にもっと早く出会えてたら、佐久間は4回も脱獄しな

    0
    2024年12月15日

    Posted by ブクログ


    表題の通り、戦前から戦後にかけ4度の脱獄に成功した佐久間(仮称)を話の中心に据え、刑務所内の人間関係を丁寧に描写しているが、国内情勢・司法環境の遷移を緻密な調査をもとに数十年のスケールで厚みのある肉付けがされている。ドキュメンタリーとして非の打ち所ない読み応えある作品である一方、とにかく読み易さが

    0
    2023年11月07日

    Posted by ブクログ

    白鳥由栄と思って、読み進めた。
    佐久間の人間性は特異かも知れないが、実はかなり今でも通じる人間の根底にあるものだと思う。
    脱獄させないために手錠足錠をとること人間らしく扱うことが、更正につながる。この考えは、教育界にもつながると思う。

    0
    2023年08月06日

    Posted by ブクログ

    「吉村昭」の長編小説『破獄』を読みました。
    『新装版 逃亡』に続き、「吉村昭」作品です。

    -----story-------------
    驚くべき手口に、大胆な実行力で、四回の「脱獄」成功。 
    犯罪史上に残る無期刑囚を描いた「吉村」記録文学・畢生の大傑作。

    昭和11年青森刑務所脱獄。
    昭和17年

    0
    2023年03月20日

    Posted by ブクログ

    網走監獄で購入し、積読にしていたもの。ゴールデンカムイにハマった流れで読んでみると、みるみるうちに引き込まれた。
    Wikipediaで佐久間(白鳥)を調べても4回脱獄したことしか書かれていないが、本書のおかげで時代背景を事細かに知ることが出来た。まさか戦争真っ只中の出来事だったとは。

    0
    2023年05月20日

    Posted by ブクログ

    想像していた以上に面白かった。
    最初は4回も脱獄だなんてどうやったのだろうという興味から読んでいたが、それ以外にも背景にあった戦争や食糧不足など当時の生活を沢山知ることが出来て満足だった。
    佐久間は体力も記憶力も計画性もあって、その能力を別のことに使えば良いのにと言うのはすごく思った。
    壁を何も道具

    0
    2022年05月11日

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