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昭和11年青森刑務所脱獄。昭和17年秋田刑務所脱獄。昭和19年網走刑務所脱獄。昭和22年札幌刑務所脱獄。犯罪史上未曽有の四度の脱獄を実行した無期刑囚佐久間清太郎。その緻密な計画と大胆な行動力、超人的ともいえる手口を、戦中・戦後の混乱した時代背景に重ねて入念に追跡し、獄房で厳重な監視を受ける彼と、彼を閉じこめた男たちの息詰る闘いを描破した力編。読売文学賞受賞作。
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Posted by ブクログ
4回の脱獄王の物語でした。 読んでいると、なぜ脱獄を繰り返したのかが気になる所でした。 戦中と終戦直後の刑務所のリアルな部分(看守不足や食糧不足、司法、GHQ等)に突っ込んで居て面白いと思いました。 看守が佐久間との心理戦において葛藤するシーンが多く、巧妙な脱獄方法と佐久間の体力には目を見張るも...続きを読むのがありました。 佐久間の物語終盤の心情の変化に感動しました。 全体的に丁寧に描写されていて良かったです。
四度の脱獄をした囚人の英雄譚だと思っていたが、そうではなかった。 戦中戦後という時代に翻弄され困難な状況にも関わらず、脱獄囚を通じて、法と秩序を守る看守や刑務所長が、社会秩序のために奔走する話だった。 網走刑務所は、北海道の極寒の立地上、逃亡するのは難しいにも関わらず、脱獄する囚人。そして、その過...続きを読む酷な刑務所が、戦中戦後の食糧事情において、ほかの刑務所と比べ格段に良かったという点。感慨深い。
首都圏を環状に回る武蔵野線。始発を出て次の駅。府中街道を北へと歩けば、高く聳える壁が右手に見える。その向こうで、かつての脱獄王が懲役を果たした。青森、秋田、網走、札幌と、手錠足枷もろともせず、難攻不落の獄舎を抜け出した。中にいれば食いはぐれはない。外に出れば、食うにも困る。雨風凌げる屋根も壁もない。...続きを読む猛獣も棲息する地域。襲われる恐怖。それでも、逃げることに執念を燃やした。何を思い、何故最後は止めたのか?戦前から戦中、戦後へと、受刑する側もさせる側も、時代に翻弄されながら、厳しさから暖かさへと変わって行った。
吉村昭さんの小説は本当にハズレがありません。 綿密な取材や時代考証を経て作り上げられる作品は完全なるノンフィクションと信じて疑わないようなリアリティがあり、そして人間味がありありと描かれています。 本作の中心人物、佐久間の終始漂う不気味さと、その奥には必ず秘めたる真髄があることをしっかり印象付け...続きを読むて400ページを超える間、まったく飽きさせず、最後に急展開を見せる。 出来すぎた物語ですが嘘くささを感じさせない。 この上ない満足度を味わさてくれる吉村作品です。
戦前から戦後の刑務所の設定だが、まるで現代かのように時代を感じさせない。 刑務官の仕事は大変だ、敬意を持った。 無期刑囚の佐久間が、彼の持つ頭脳と強靭な体力を犯罪で使わずにいたら、相当優秀な人物として有名になっていただろうと思うと悲しい。 鈴江府中所長にもっと早く出会えてたら、佐久間は4回も脱獄しな...続きを読むかっただろう。 引き込まれるように読みふけった1冊でした。
表題の通り、戦前から戦後にかけ4度の脱獄に成功した佐久間(仮称)を話の中心に据え、刑務所内の人間関係を丁寧に描写しているが、国内情勢・司法環境の遷移を緻密な調査をもとに数十年のスケールで厚みのある肉付けがされている。ドキュメンタリーとして非の打ち所ない読み応えある作品である一方、とにかく読み易さが...続きを読む目に付いた。『漂流』も名作だが、本作はドラスティックな展開に読み疲れも少なく非常に楽しめた。
白鳥由栄と思って、読み進めた。 佐久間の人間性は特異かも知れないが、実はかなり今でも通じる人間の根底にあるものだと思う。 脱獄させないために手錠足錠をとること人間らしく扱うことが、更正につながる。この考えは、教育界にもつながると思う。
「吉村昭」の長編小説『破獄』を読みました。 『新装版 逃亡』に続き、「吉村昭」作品です。 -----story------------- 驚くべき手口に、大胆な実行力で、四回の「脱獄」成功。 犯罪史上に残る無期刑囚を描いた「吉村」記録文学・畢生の大傑作。 昭和11年青森刑務所脱獄。 昭和17年...続きを読む秋田刑務所脱獄。 昭和19年網走刑務所脱獄。 昭和22年札幌刑務所脱獄。 犯罪史上未曽有の四度の脱獄を実行した無期刑囚「佐久間清太郎」。 その緻密な計画と大胆な行動力、超人的ともいえる手口を、戦中・戦後の混乱した時代背景に重ねて入念に追跡し、獄房で厳重な監視を受ける彼と、彼を閉じこめた男たちの息詰る闘いを描破した力編。 読売文学賞受賞作。 ----------------------- 1983年(昭和58年)に発表され第36回読売文学賞(小説部門)を受賞した作品… 1985年(昭和60年)と2017年(平成29年)にテレビドラマ化されたらしいです、、、 脱獄の常習犯である「佐久間清太郎」と、それを防ごうとする刑務官たちとの闘いを描いた犯罪小説… そして、戦前から戦後の混乱期にいたるまでの刑務所の実態を克明に描いた歴史小説でもありましたね。 四度の脱獄を実行した「佐久間清太郎」、大戦下から戦後へと変遷した社会、そして戦争と刑務所の係わり方… その三つの視点から展開していく物語、、、 脱獄を成し遂げた手法は彼でなければ実行できないものでしたね… 非凡な頭脳と行動力、そして看守たちの心理を鋭く見抜き、いつの間にか看守たちよりも優位に立ち、自分の思うままにコントロールしてしまう神業とも思える能力には感服しましたね。 戦争と刑務所の在り方については、知識もなかったし、考えたこともなかったので、とても興味深かったですね、、、 そして、イソップ寓話の『北風と太陽』を彷彿させる終盤の展開からは、人間関係の在り方の基本を教えられた感じがしました… 会社における上司と部下の関係もこんな感じなんですよね。きっと。 相変わらず「吉村昭」作品は面白いですね、、、 綿密な取材に基づくリアリティのある描写が魅力ですよね… 何とも言えない満足感に浸ることができました。 以下、主な登場人物です。 「佐久間 清太郎」 主人公。7月31日生まれ。準強盗致死罪による無期刑囚。 5尺2寸の小柄な体型だが、肩幅が広くて腕力がある。斜視。 幼いころ両親と死別して親戚に預けられ、成人した後魚の行商から豆腐店を営むようになっていた。 布団を頭からかぶって寝る癖があり、看守が注意しても直さない。 「桜井 均」 青森県警察部刑事課長。のちに青森警察署長。 昭和8年に発生した未解決の事件を独自に捜査。 粘り強い捜査により佐久間を逮捕するに至る。 佐久間の破獄との連絡を受けて、県下に住む妻子のもとに戻ると考え、部下を張り込ませる。 「板橋 長右衛門」 岩手県警察部刑事課長で、全国最古参の刑事課長。 面識のあった桜井の要請を受けて、別件で逮捕した佐久間を青森県に移送することを同意する。 「山本 銓吉」 網走刑務所長。 司法省の信頼に応えるため、移送されてきた佐久間に対して、厳重な管理をすることを決める。 「内野 敬太郎」 網走刑務所看守部長。柔道・剣道の有段者。 沿岸を防備する第31警備隊に依頼された道路工事のため、駆り出した囚人たちを監視する。 のちに人員不足のため、刑務所内の工場で働く200人の囚人を1人で監視することになる。 「亀岡 梅太郎」 札幌刑務所戒護課長。囚人監視の最高責任者。前職は網走刑務所看守長。 網走に在籍していたが、当時は庶務課長だったため、札幌で初めて佐久間を担当することになった。 慢性的な食糧不足と老朽化した建物、さらに進駐軍との交渉で苦労する。 「オックスフォード」 大尉。軍政部保安課長。 日本人は残酷であるとの考えから、当初は佐久間に対して同情的だったが、 実情を知るにつれて再び逃走されることを恐れ、府中刑務所に移送するように手続きを取る。 「鈴江 圭三郎」 府中刑務所長。 明治大学法学部卒業後司法省に入り、佐久間が収容される前の網走刑務所長、札幌刑務所長を歴任。 昭和22年8月から府中刑務所長に着任していた。 行刑局長から佐久間清太郎を府中刑務所に移管されることを告げられ、幹部職員と対策を立てることになる。
網走監獄で購入し、積読にしていたもの。ゴールデンカムイにハマった流れで読んでみると、みるみるうちに引き込まれた。 Wikipediaで佐久間(白鳥)を調べても4回脱獄したことしか書かれていないが、本書のおかげで時代背景を事細かに知ることが出来た。まさか戦争真っ只中の出来事だったとは。
想像していた以上に面白かった。 最初は4回も脱獄だなんてどうやったのだろうという興味から読んでいたが、それ以外にも背景にあった戦争や食糧不足など当時の生活を沢山知ることが出来て満足だった。 佐久間は体力も記憶力も計画性もあって、その能力を別のことに使えば良いのにと言うのはすごく思った。 壁を何も道具...続きを読むなしによじ登れるのは半端ない。 刑務所で看守は囚人に強く当たっているものだと思っていたが、そんな事はないのだと感じた。 最後の方の場面の鈴江さんの優しさが身にしみた。 佐久間が塀の外で亡くなる事ができて良かったなあ。
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