人間の建設

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ビジネス・実用
572円 (税込)

2pt

有り体にいえば雑談である。しかし並の雑談ではない。文系的頭脳の歴史的天才と理系的頭脳の歴史的天才による雑談である。学問、芸術、酒、現代数学、アインシュタイン、俳句、素読、本居宣長、ドストエフスキー、ゴッホ、非ユークリッド幾何学、三角関数、プラトン、理性……主題は激しく転回する。そして、その全ての言葉は示唆と普遍性に富む。日本史上最も知的な雑談といえるだろう。

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    新潮文庫は、中身はいい本を出すのに、外濠というか脇というか、周辺部分が雑すぎるやろ。
    まず帯文。
    「すれ違いの雑談か、歴史に残る対話か。~」とあるが、表面的に見ても実際的に見てもすれ違い要素ゼロやろ。
    不誠実じゃのう。
    あと、背表紙の紹介文。なにが「主題は激しく転回する」だよ。ずっと同じことについて話してたろ。
    茂木健一郎の文章も、間違ったことを書かないよう、理解できていないのを指摘されないよう、根っこで怯えてるのが透けてる。
    こんな眠たい文章なら、ない方がましやろ。

    二人の、経験に基づいた洞察及びそれらを互いに引き出し、相違点を超えて収束していく様は、対話の究極的な理想系のように映じた。

    岡も小林も、世間から見れば「偏屈おじいちゃん」だろうが、それでも対話がこのようにうまく行ったのは根本で共通の価値観、日本人的性質を共有していたからだろう。
    共有するとはこの場合、自分がその性質を持っていて、相手もその性質を持っていることを感じ取っているということだ。

    人は会話する時、共通の関心事がないと窮する。
    見ず知らずの人と一先ず天気の話をするのは、この理由によるだろう。
    つまり二人は日本人的性質についてずっと話していたわけだ。

    日本人的性質とは何か。
    それは「もののあはれをしる」ということであるし、情緒を重んじるということである。
    それは文学や美学に制限される理念ではなく、人間の本性を左右するものだ。

    二人にはその実態が、人はどのようであるべきかが、直覚として見えていた。
    この対話はそのことを確認するためにあったし、この直覚の輪郭を提示するためにあったと言えるだろう。

    僕も、二人ほど明確に見えているとは言えないが、この対話を通して情緒性について幾らかの形を捉えられたような気がする。

    0
    2026年05月20日

    Posted by ブクログ

    大変愉しく面白い本だった。
    ちょうどソーシャルワークの倫理綱領を勉強しているときに読んだ。
    そのタイミングで読めたことも大変面白かった。

    言語が違えども言っていることの本質を捉えながら、私たちは話すことができる。

    なんとなく像は見える。目指すものは見える。設定ができる。ただそれを明確に捉えることはできない。それは像として設定することに意味があり、明確に指定することに意味がない。

    人間は、非常に複雑で面白い。いや、この世の全ては非常に複雑で面白い。理想は掲げるものであり、理想を体現し創り出すことではない。ただ向かう方向を指す。
    複雑で難解な問いがこんなに目の前にある。
    難しければ難しいほど、面白い。それに挑むことは愉しいことである。それが理由で良いのかもしれない。だから私は「好き」なのかと。少し納得する理由をくれた。


    0
    2026年05月18日

    Posted by ブクログ

    あとがき(?)に茂木健一郎氏が書いておられた「声に出して読みたい対話」という表現に深く同意します。

    思索のつながりが言葉となって浮かび上がり、それがお二人の対話という形で表されている、何とも贅沢な一冊でした。使われている言葉が体や情緒とつながっている感じがするのも、読みやすく感じる一因かもしれません。人間というものの成り立ちや日本人として自然とそうなってしまうことについてもわかりやすく表現されているように感じました。

    今の時代を生きる上での生きづらさはどこにあるのか。日本で暮らす人たちがかつて大切にしてきたことと「今」の間にはどのような違いがあるのかを考察するためのヒントに満ちた対話集でした。

    0
    2026年03月31日

    Posted by ブクログ

    読みやすかった!!
    雑談とは人によってここまで変わるものなのかと思い知らされる一冊でした。天才と天才の雑談を覗くような心持ちになり、天才たちとの間にある「普通」の違いを感じることができました。

    0
    2026年02月27日

    Posted by ブクログ

    読みやすかった。
    小林さんの聞き上手っぷりに脱帽。
    トルストイやベルクソンなど共通認識の次元が高いなと感じた。
    しかもそれをひけらかさず、2人とも行間に埋め込む。
    こんな会話がしたいと思った。
    雑談の最高峰を見た気がした。

    0
    2025年10月16日

    Posted by ブクログ

    今の自分の知識量では拾いきれないと感じさせられてしまう本でした。言葉上は分かったような気がしているが全然理解できていないような感覚にとらわれてしまいました。ただその中でも今の自分にとって必要な言葉がピックアップできたのかと思います。定期的に読み直したい本です。前回は10年くらい前でした。

    0
    2025年09月14日

    Posted by ブクログ

    人は自然によって育てられる。人が人を育てることなどできない。人間の根本は、知性などではなく感情である。いくら知的に理解できても感情が納得しなければ人は納得しない。何が言いたいかというと、人が自分たちにとって必要なものは、知性でなく感情で納得できるかどうかで決まる。
    これからの時代は、人間を理解しなければならない時代に来ている。いくら知的を重ねても意味がないことがわかってきた。なぜなら、人間にとって大切なのは感情だから。

    0
    2025年05月03日

    Posted by ブクログ

    とにかく2人の会話から頭の良さ、品性の高さが窺えて畏敬の念です。本当に文章として残してくれて、読ませてくれてありがとうございますという気持ちでいっぱいです。
    まだまだ内容的に理解が追いつかないところがあるので何度も読み返したいです。そうしている間に2人の知性や品の高さが憑ればいいなと思います笑。

    またこちらの話は小林秀雄全集から読んでいるのですが、全集では井伏鱒二の評論があり、これには本当に同意です。氏の魅力を忍耐強さという言葉で言語化、簡潔に表してくれてありがとうございます。

    0
    2025年03月24日

    Posted by ブクログ

    批評家の小林秀雄と、数学者の岡潔による、
    まさに知の巨人といった2人の対談。

    正直難しくてわからない数学の話しもありましたが、理系とか文系とかのベクトルを超越した地点での、高度な知性での対話は、圧倒的で、伝わってくるものがありました。

    小林秀雄がベルクソンを評価している理由など、情緒的かつ逸脱を許さない人生観の情が伝わってきて、そういう感覚が岡潔との共通点だと思いました。

    キリスト教の不信や資本主義の蔓延、または敗戦からの個人主義の導入によって、民衆の知力の低下を憂う、有意義な対話であると思います。



    0
    2024年09月10日

    Posted by ブクログ

    数学者と文章家の歴史的対談。
    何かを究めた人たちは畑は違えど、物事に対する考え方、表現の方法が似通うものなのか。
    喧嘩のようなやり取りになるかと思いきや、お互いをリスペクトする両者の考えの調和は小気味良い。
    理解ができない事柄も多々あるが、再読を繰り返し、歳を重ねながら、理解を深めたいと感じる。
    茂木健一郎氏の「情緒」を美しく耕すために
    の締めが秀逸でこの本に相応しい。

    0
    2024年08月22日

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