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札幌の病院長一家を密かにむしばんでいるものは? 家族のあり方、生きることの意味を問う問題小説。
北海道大学・医学部を目指す佐川惇一は、札幌の病院長の家に下宿するが、その家庭は病んでいた。惇一の目を通して暴かれる病院長一家を密かにむしばむものとは? 家族を構成する一人ひとりの心に潜む闇に迫り、人間のエゴと真実の愛、生きるとは何かを問う問題小説。
推理小説的要素ももつ、現代文明への批判の書でもある。
「三浦綾子電子全集」付録として、初代館長・高野斗志美氏の産経新聞夕刊への本書書評を収録!
Posted by ブクログ 2017年01月29日
人間というのは弱い。
あんなことを言わなければ仲のいい夫婦で一生を終えることもできたかもしれないという
陶吉のことばがあったが、
人間は罪ひとつなく人生を終わることはないのかもしれない。
そして誰しもが何かに傷ついて、悩んで、逃げたくなるような時がある。
覚せい剤というのは自分にとって身近なもので...続きを読む
Posted by ブクログ 2010年05月15日
今から10年程前の作品なだけあり、古風な感じが出ている。
覚醒剤や麻薬の恐ろしさをもう少し強く表現してもよかったのではないかと思ったが、それよりもこの物語のテーマは「生きることの意味をさぐり、人間の絆を問う」こと。
初美や景子の、家族に対する思いが何とも切ないように思われた。
読みやすかったが、自分...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年01月30日
早くに父親を失い、大学への進学を諦めていた主人公は、亡くなった父親に命を助けられたという父親の友人の援助によって、大学進学の夢を果たす。父親の友人と名乗る病院長の男の家に下宿をしながら主人公は医者を目指すのだが、下宿先の家庭事情には、決して外へもらせない秘密があった。病院を経営する立場でありながら、...続きを読む
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