光媒の花

光媒の花

440円 (税込)

2pt

一匹の白い蝶がそっと見守るのは、光と影に満ちた人間の世界――。認知症の母とひっそり暮らす男の、遠い夏の秘密。幼い兄弟が、小さな手で犯した闇夜の罪。心通わせた少女のため、少年が口にした淡い約束……。心の奥に押し込めた、冷たい哀しみの風景を、やがて暖かな光が包み込んでいく。すべてが繋がり合うような、儚くも美しい世界を描いた全6章の連作群像劇。第23回山本周五郎賞受賞作。

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光媒の花 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年02月02日

    各章で前章の登場人物が主人公となる構成となっており、6章から成る作品でありながら、繋がりある1つの世界観を感じることのできる連作短編集。
    一言で説明すれば、前編3作は哀しいほどに純粋な衝動をテーマにしたイヤミスで、後編3作は家族愛を描いている。
    個人的には4作目の「春の蝶」の温まるラストが好きだった...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年08月22日

    これは、どうジャンルわけしたら良いのか…。ミステリ?道尾秀作さんの作品は、これで3作目。でも、初めて「この作家好き!」、とはっきり思った。短いお話なのに、ちゃんとオチがあって、そのオチが怖い!急に意味がわかって、その途端ひゃっ!、と背筋が凍る感じ。しかも、ダラダラと説明もしない。「え!」、と不安にな...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年03月22日

    陰鬱な雰囲気にぐっと吸い込まれそうでした。
    重く、決して明るくはない話が、後半に向かって光が射してくるところがよかった。ラストの章、主人公の心の声に思わず目頭が熱くなる。
    この世界は光ったり翳ったりしながら動き、高い場所から見てみれば、全てが流れ繋がり合い、いつも世界は新しいと。
    ミステリー要素とい...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年11月28日

    切なさ暖かさ溢れる美しい小説でした。平凡な日常の中の忘れられないワンシーン…5編の短編の何処かに自分と接する世界があるんじゃないかと、帯のコメントのように錯覚しました。最後の話…自分が小4時の担任と雰囲気が被っていて、勝手に懐かしんでいました笑

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    Posted by ブクログ 2022年11月08日

    ひらり舞う蝶が人と人を繋ぐかのような連作短編集。この装丁が美しい。
    移りゆく季節を感じさせる丁寧な描写。陽光、夕闇が登場人物達を映し出しているかのような表現。
    胸が締め付けられるような寂しさや哀しみ、じわりと灯る優しさと温かさを感じて胸がいっぱいに満たされるお話。
    前半、不穏と闇がある展開に沈殿しそ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年09月30日

    ドロっとした暗い沼地から、だんだんと光が射し込んでくるような一冊だった。

    6話連作短篇集。
    3話までは、とてもダークな道尾作品だと覚悟して読んでいたが、少しずつ光に導かれていった。

    全ての話に出てくる白い蝶。蝶にしか見えない蝶道というものがあるらしく、ヒラヒラと明るい光の方へ舞っていく。

    【春...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年02月19日

    光ったり翳ったりしながら動いているこの世界を、わたしもあの蝶のように、高い場所から見てみたい気がした。すべてが流れ、つながり合い、いつも新しいこの世界を。257ページ

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    Posted by ブクログ 2024年02月18日

    どんでん返し系のミステリーでは無かったため、道尾秀介はこんな作品を書くのかと驚いた。短編同士の思いがけない繋がりが、この登場人物はこの後こうしたのか、こういう意図があるのか、と感傷的になったり個人的には1編目がいちばん良かった。

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    Posted by ブクログ 2024年01月23日

    この本の大きなテーマの一つには“人とのつながり“がある。不幸や憎悪を生むのは人間だが、絶望から救ってくれるのも、人間である。六章のうち前半3つで心に黒いものを負った人たちが、後半では人と繋がり合うことで光を持てた。
    私は、自分の何気ない言葉、行動で、誰かが光を持てるような存在でありたいと思った。

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    Posted by ブクログ 2024年01月06日

    連作短編集。
    最初の話でドキッとして、この手の話が続くのか〜と思っていたが、だんだんに穏やかな方へ流れていくように感じた。
    玄侑宗久氏の解説も良く、なるほどと思い読み返してみたくなった。
    実は秋の帰省時、新幹線の中での読書本として読み、短編集なのを良いことに途中のままになっていた。
    今回、インフルエ...続きを読む

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