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Posted by ブクログ
大藩であるにも関わらず、幕末において余り存在感のない尾張藩がフォーカスされた作品。
印象に残っているのは、「尾張藩は大藩、雄藩であり、尾張で全てが完結されてしまうが故に、有象無象の他藩と交わることを良しとしなかった」という精神性。
この一文だけで、尾張藩が何故幕末において存在感を発揮しなかったのか何となくわかってしまう気がする。更に言うと、この精神性は今の名古屋にも連綿と受け継がれているようにも感じる。
しかし主人公の徳川慶勝は真面目な人だけど報われないなぁ(これは城山三郎の殆どの作品の主人公にも共通するけど)。あと、北海道開拓の件からも、余り優秀な指導者だったとは余り思えない。。
Posted by ブクログ
錦糸町の駅ビルの本屋で購入し、ウイング号で読む。正直、あまり期待していませんでした。しかし、期待を裏切る出来でした。著者は、「官僚たちの夏」等で著名な小説家です。テーマは、幕末の尾張藩主である徳川慶勝です。意外なのは、徳川慶勝、松平容保、桑名藩主が兄弟なことです。将軍家、御三家のような家ならば、不思議ではありません。しかし、彼らは、尾張藩の支藩である高須藩の出身です。幕末において、長州、薩摩、会津が活躍したのに対して、尾張藩が活躍することはありませんでした。水戸藩のように、内部抗争で、全てのエネルギーを消耗したわけではありません。そもそも、エネルギーがなかったのです。尾張は豊かであり、武士たちには、特別な不満はありません。現代と同様に、農業、商業、そして、工業が盛んな土地柄なので、不満が生まれるわけがありません。これは、現代も同様です。この地方から、有力な政治家は登場しないのは、当然です。
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