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Posted by ブクログ
三崎さんの描く世界は、普段身の回りにある当たり前のものが意思を持っていたり、普段暮らしているのと変わらないように見えつつ、実は少しずれている社会が出てきたりする。
そして登場人物自身も、それに違和感や戸惑いを感じている姿が描かれる場合と、それを当たり前のこととして、その世界で暮らしている姿が描かれる場合とがある。
前者は自身と重ね合わせて共感できるし、後者はその誇り高い姿に感動を覚える。
そしてどちらであっても、三崎さんは静かに淡々とさえいえる語り口で、それを見せてくれる。
今回、この短編集に収められた4編もそんな三崎ワールド満載。
いつもながら、楽しく読ませていただきました。
Posted by ブクログ
暗喩、というのだろうか。
廃墟を建築する、というのは、理に叶わない話に聞こえるかもしれないが、結果全ての建物は無に帰す。
つまり、その無に帰す前の段階では、どんなに短い間でも、廃墟、となる理屈ではある。
最近、自分が入社当時やっていた仕事で、あるいはそれ以降やった仕事で、今もかたちをなしている、価値を持ち続けているものはあるのだろうか、と思うことがある。
もう少しスコープを広げると、考えたくもないが、自らの人生それ自身も、同じだが。
だからといって、全て無意味と短絡するのも、多分早計だとは思うが、はきとした答えは見つからぬままではある。
この小説を読みながら、そんなことを考えた。
古くからの友人の推薦だったのだが、同じことを考えながら、読んで、勧めてくれたのだろうか。
Posted by ブクログ
廃墟が好きで、たまに見に行く。
廃墟に突如行きたくなる。
廃墟は結構怖いところなので、なかなか行けない。だから、写真集を買って、眺めたりする。
完全な自然の姿なんて、目に触れられるところには存在していないと思っていて、
もし探検家が未開の地に行ってその風景を私が目にしたとしても、探検家の目というフィルターが入った時点でもう自然の風景ではないと思う。
廃墟の魅力は、もとは生きた町として存在していたものが、死にゆく姿をみることができるという点だと思う。
表題の小説を含め、廃墟に対する思い入れが、尺者と一致して気持ちよかった。
蛇足になるが、生きた町が死にゆく姿を見せるという点に関して言えば、世界遺産に認定された町は、その時点で、それ以上成長が制限されるので、これ以上ない廃墟だと思った。
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