無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
Posted by ブクログ 2015年11月27日
重くて深みが凄く、後々まで考えてしまいそうな小説だった。
春に読んだ「海と毒薬」の続編で、事件の30年後が描かれている。
正義って何だろう?と改めて考えた。
善と悪ってすっぱり二つに割り切れるものではなく、両方つながっていて、当然グレーゾーンというものもあって、人は立たされた立場やその時の世情によ...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年09月29日
暗い小説です。
太平洋戦争末期に九州医大で行われた捕虜の生体解剖実験を元にした『海と毒薬』の実質的な続編である本作。
その前作も暗い小説でしたが、その「暗さ」のイメージが異なるように感じます。
例えるならば、『海と毒薬』は夕闇のような限りなく闇に近い暗さ、『悲しみの歌』はどんよりとした曇り空でその...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年07月06日
この世は「悲しみ」でできている。本書を読み終えてまず思った感想は、こうだ。本書は複数の文学賞を受賞し、映画化もされた著名な『海と毒薬』の続篇にあたり、同作に登場した勝呂医師がふたたび登場する。『海と毒薬』の内容をもう1度おさらいしておくと、第2次世界大戦の末期、九州帝國大學において、捕虜になった米兵...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年05月06日
登場人物が、あちこちで関係を持つのがフィクションならではだが、勝呂医師には共感できる。勝呂を糾弾する記者折戸に対する同僚野口の言葉。「絶対的な正義なんてこの社会にないということさ。戦争と戦後のおかげで、ぼくたちは、どんな正しい考えも、限界を超えると悪になることを、たっぷり知らされたじゃないか。君があ...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年03月16日
悲しかった。
苦しい時代を生きてきた人、病気で苦しんでいる人、そういった人たちの悲しみを、私達みたいな若造には理解しきれないことが悲しかった。
若造は色んなことに対して勝手な思い込みを持つことが多くて、さらに妙な自信があることが多い。自分も、まさにその若造なんだろうなぁと思った。
勝呂さんのおもい...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年02月04日
人が人を裁く資格なんてない。40年経った今も、当然それは変わらない。
追い求める正義は、果たして誰にとっても正義なのか。自分がその立場に立った時、絶対に起こらないと断言できるのか。
生きることに付随する悲しみが、あまりに多すぎる。もう苦しまなくていい、もう辛いことはない。誰もが死に向かう中で、死を求...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年08月17日
『海と毒薬』の続編的な位置付け。これを読むことで「海と毒薬』への理解も深まったような気がする。誰しも不安、迷い、弱さ、後悔、孤独を抱えている。一見、交わることのなさそうな登場人物たちが何かしら勝呂医院と繋がりながら交錯し、すれ違っていく。虚栄や欲望に飲み込まれていく中で、頼りなくもピュアで無償の優し...続きを読む
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。