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Posted by ブクログ 2022年06月16日
吉村昭の短編集。
短編とは言え読み応えは十分すぎる。
講釈師の島流から始まる島抜けは、講釈師という職業の凄さを想像させられる。
思いがけず漂流し異国に流れつき、企てでないにしても嘘に嘘を重ねていくしかなくなる。
あぁそのまま逃してやって…そう思わずにはいられない作品だった。
欠けた腕は飢饉に喘ぐ...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年08月12日
講釈師の瑞龍は幕府を批判する講釈を読んだ廉でしょっぴかれ、島送りの沙汰が下った。大坂は開放的な街だったが、ちょうど享保の改革に当たり、見せしめみたいなものだったようだ。船で種子島に送られた。
島の暮らしは比較的自由で、海辺で貝拾いをしたり魚釣りをしたりした。ある日一緒に預けられている罪人二人と...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年09月27日
江戸時代、罪人として種子島に流された講釈師の脱獄生活を描いた小説。仲間と小舟で種子島を脱したものの、たどり着いたのは中国。言葉が通じない国で巧みに話をつけて長崎行きの船に乗せてもらう。
逃亡生活に講釈師の能力がフルに活かされる。人間の才能は意外なところで発揮できるものなんだな。こんな信じられないよ...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年08月23日
【本の内容】
読んだ講釈が幕府の逆鱗に触れ、種子島に流された大坂の講釈師瑞龍。
島での余生に絶望した瑞龍は、流人仲間と脱島を決行する。
丸木舟で大海を漂流すること十五日、瑞龍ら四人が流れついた先は何と中国だった。
破船した漂流民と身分を偽り、四人は長崎に送り返される。
苦難の果て、島抜けは見...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年11月24日
★3.5
短編集
『島抜け』
天保改革の波に巻き込まれ、詠んだ講釈のために
島流しにされた講釈士・瑞龍。
『欠けた腕』
救いようのない飢饉に見舞われた甲斐国。
飢えと悲しみから逃れようとする夫婦の物語。
『梅の刺青』
幕末から明治にかけ医学進歩のため『腑分け』に
邁進する医師たちの物語...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年10月29日
いやあ。面白かった。
思えば初めて,江戸以前の歴史ものを読んだかも。
種子島に流された罪人たちが島抜けを試みる「島抜け」,大飢饉の中で妻を失うまでを書いた「欠けた椀」,日本の解剖学のおこりについて書かれた「梅の刺青」。表題作「島抜け」は中篇程度で,あとの二つは短編です。
いずれもとても興味深く,面...続きを読む
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