雪の花

雪の花

440円 (税込)

2pt

数年ごとに大流行して多くの人命を奪う天然痘。それに絶対確実な予防法が異国から伝わったと知った福井藩の町医・笠原良策は、私財をなげうち生命を賭して種痘の苗を福井に持ち込んだ。しかし天然痘の膿を身体に植え込むなどということに庶民は激しい恐怖心をいだき、藩医の妨害もあっていっこうに広まらなかった……。狂人とさげすまれながら天然痘と闘った一町医の感動の生涯。

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雪の花 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年03月27日

    職場で薦められた本です。
    頁数、文字数は多くないけれど、中身はとても重いものでした。

    ワクチン概念のない時代の人たちに、病気の種を身体に入れることを説くのは大変なことだと思う。
    私利私欲なしに、「人々を天然痘から救いたい」という熱い思いに、感謝したい。

    映画化されるようですが、京都から福井への山...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年07月21日

    江戸末期に天然痘の予防に力を尽くした笠原良策医師らを描いた歴史小説。なすすべなく死んでいく人々、なんの根拠もない治療法、祈るしかない厳しい現実。種痘への無理解は、現代のコロナワクチン接種忌避と重なる...(否定も肯定もしませんが)。後世に残したい一冊。

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    Posted by ブクログ 2021年07月14日

    吉村昭氏にはまってます。精力的に詳細な調査の裏付けに基づいた作品は説得力があります。この作品も読み始めたら止まらなくなります。主人公と作者の情熱がダブルで迫ってきます。この主人公のような生涯をかけての努力によって、今の我々の幸せがあることを実感します。吉村氏のおかげで先人の偉業を知れて感謝です。

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    Posted by ブクログ 2018年05月04日

    江戸時代末期から明治にかけて福井で天然痘と戦った町医の話。

    現代の人間である私には想像できな事だが、天然痘の惨禍は凄まじいものであったらしい。
    感染した人間の1/3は死に、生き残った者にも生涯消えない痘痕を残す恐ろしい病で、種痘が広まるまでは対処方法がなかったという。

    西洋では広まりつつあり効果...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年06月07日

    江戸末期、福井藩医師笠原良策は自らの勉強した漢方では天然痘の脅威に太刀打ちできず無力感がいっぱいだった。その中種痘法を知り、それを福井藩に持ち込むために並々ならぬ努力を払う。遂に成功した場面に涙を禁じ得ない。また福井藩主松平春嶽の英邁さと、それについていけない官僚機構に理不尽を感じるのは良策だけじゃ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年05月13日

     天然痘により多くの死者が出ていた時代、福井藩の町医、笠原良策の人生を懸けた天然痘との対決を描いた歴史小説。

     天然痘の予防法は牛に植えた天然痘(牛痘)を人間に植え直すというもの。天然痘は一度でもかかれば二度とかからない、ということからヒントを得たものです。

     もともと良策は、この治療法が発見さ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    人々にさげずまれながらも長年の苦労の末、牛痘が認められ広まっていったのは本望だったろう。誰もがこんな気持ちで仕事ができたらすばらしい世の中になるはずだ。

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    Posted by ブクログ 2024年03月23日

    一定年齢以上の人の腕にあるワクチン接種の痕。
    これを始めた方の話。
    せっかくの薬も信じてもらえなければ打てないのか…
    私財を投げ出してまで、周囲に白い目で見られてまで、感染症を無くそうとした医者がいた。今の日本にそんな人いるのか?

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    Posted by ブクログ 2023年07月15日

    天然痘による死者を減らしたい。その一念で私財を投げ打ち種痘の入手と接種に取り組み、戦い抜いた福井藩の町医、笠原良策、その人生。
    予備知識も興味もなくても、ぐんぐん読み進められる吉村昭さんの作品。読後には、読めてよかった、知ることができてよかった、と思わせてくれる。
    次の作品もたのしみ。

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    Posted by ブクログ 2023年04月19日

    江戸時代末期の福井藩。人々の命を奪う天然痘と闘った一町医の生涯を描いた物語。周りの理解を得られず、詐欺師と石を投げられても人を助けるために人生を捧げられたのは何故なのか。素晴らしい人を襲う苦難の人生。やるせなさに胸が詰まった。

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